「足るを知る者は富む」老子 渋谷教育学園幕張中学校過去問 国語
渋谷教育学園幕張中学校の平成23年入試問題で、加賀乙彦さんの「不幸な国の幸福論」が出題され、老子の「知足者富」(足るを知る者は富む)という言葉が出題されました。
としています。その一方で、
としています。知足と努力の両方が大事だと言っているのです。
いけないのは過剰な欲望であり、モノと情報が過剰にあふれる現状を問題にしているのです。特に、
と述べています。
「いいモノ」「いいコト」の価値基準が自分の外にあって、それを盲目的に追い求めていくなら、永遠に終わりのない無限ループとなります。「皆がいいモノ」「皆がいいコト」は、果たして自分にとって「本当に良いものなのか」「本当に良いことなのか」よく考えるべきなのです。ところが、今考える余裕を与えずに、「これが来ているとか」「今これを追わないと時代に乗り遅れる」「仲間はずれになる」と大量に情報を送り付け、このような疎外感をあおる脅し文句・殺し文句に簡単にのってしまいがちなのが、現代という時代であると思います。
著者も、
ということを勧めています。
唐代の禅僧、臨済彗照禅師は「随所に主と作れば、立処皆な真なり」と言っています。(岩波文庫「臨済録」入矢義高訳注)
自分の心の中にある光り輝く神性・霊性・聖性こそが本当の自分であり、これこそが本当の自分、即ち主人公なのです。自分をとりまく環境がどんなに闇であっても、この光り輝く神性・霊性・聖性こそが自分の本性であるという強い自覚があれば、どんな時代がきても、どんな環境にあっても怖いものは何もないのです。
このように「外なるものを求めずに内なるものの価値に目覚めよ」ということは、洋の東西を問わず、時代を問わず、永遠不滅の真理だと言えるでしょう。