第50号 2023年1月
あけましておめでとうございます!!
2023年に入ってからのことなのですが、私の思考をゴリッと変えるものに巡り合うことができました。少し壁を感じていたこともありまして、頭を悩ませていた矢先での出会いです。面白いことに2023年に入ってから、しかも、ほぼ同じ日にそれは起こりました。本当に不思議です。去年までそういうヒントが出てくる素振りなんて全くなかったのに(笑)!
一つ目の出会いは、「工学者 糸川英夫さんの著書」との出会いです。
初版が昭和54年。買うだけ買って時間のある時に読もうと思っていた本です。中古なのでちょっと色あせていて、いかにも古本といった感じの本。大阪出張の際に何気なく手にした新幹線用のもの。それが、「前例がないからやってみよう」という本でした。これが凄かった・・・!例えば・・・
前例とか固定観念というのは、いわば古びた常識のようなもので、あまり前例にこだわっていると、自分の可能性を伸ばして成長することもできないし、創造力もわいてこない。まして企業などの場合、時代の変化に乗り遅れ、存続することさえ危うくなる。・・・とか、
なかでも、ミッションが与えられて、それがインポッシブルなミッションであればそれをポッシブルな構造に変える。ここにシステムの基本的な考え方がある。という一文には強く心を打たれました。システム=企画と考えたならば、そこを考えるのは私の仕事になるなぁ。と感じたからであります。「それはできない」といって壁を作ってしまっていたのは他ならぬ、私だったのです。
二つ目の出会いは、「具体美術協会」との出会いです。
これも本当にたまたまで、大阪出張の折に出会うことが出来た芸術なのですが、大阪中之島美術館と国立国際美術館の共同企画でGUTAI典というのをやっており、足を運びました。作品をファーっと見て回ったわけですが、作品説明の言葉に目が釘付けになりました。
「絵具を絵筆から解放してあげない限り自由はない」みたいな説明があったのです。これには衝撃を受けてしまいました。絵具本来の色を引き出すには、絵筆や鉛筆を叩き折ってしまえと言っているのです。作品を見ると、布を使ったり、番傘を使ったり、足で描いたり、大砲を使ったり・・・。
「大砲?」って思いますよね。「それ」が質を殺すのではなく、生かして躍動させるのです。