粗相により大恥をかいた話

※ちょっと汚い話もあるので、苦手な方はご注意ください。


あれは小3の頃だった。だいたい学校から帰ると友達が家にゲームしに遊びに来る。確かゲームは一日1時間と家のルールで決まっていたので、時間になると近くの公園にサッカーをしに行っていた。

4,5人で楽しくサッカーをしていると、突然腹痛に見舞われた。近くに公衆トイレがあるが、腹痛レベルがあまりにも高く、とても間に合わないと思った。そしてあっけなく、我慢の限界を迎えたのである。僕はこの事態にパニックを起こし、サッカーをしている公園から出て、

「…来ないで!!!!」

と悲痛な叫びをはなった。思いもよらぬ事態に見舞われ、機転を利かす事も出来ずに、来ないでと言い残し僕は家に帰ったのである。友達は「えっ…!」と驚きながら困惑していた。さっきまで楽しそうにサッカーをやっていたクラスメイトが、急に悲しい顔をして叫び、帰っていったのだ。僕は振り返らず家に向かった。

そして泣きそうな顔で家の玄関のドアを開けると、僕を見た母親が静かにこう告げた。
「…自分で洗ってきなさい。」
僕は情けない気持ちでいっぱいになりながら、浴室のシャワーで汚した衣服を洗っていた。今頃、友達はどうしてるだろう。何事も無かったようにサッカーを続けてるのだろうか。それっぽい理由を付けて帰ればよかった。「ちょっと用事があるから、一旦帰るね…」くらい言えただろう。頼む、何も考えずサッカーを続けていてくれ…

ピンポーーーン

…願い叶わず、友達は家にやってきた。とても心配そうな顔をしていた。何事かと思っていただろう。友達の優しさと、自分の機転の効かなさにより、この出来事を闇に葬る事はできなかった。母親は「あ、実はね…」と洗いざらい話してくれた。おしまいである。友達の「あっ、なるほど…」みたいな反応だけ聞こえてきて、衣服を洗い終わった僕は自分の部屋から出られなかった。

その後の記憶が非常に曖昧である。脳内から消そうしていたからだろうか。その後からかわれたような覚えは無い。ただ、「来ないで」と叫んだら友達は来ることが分かっただけだった。

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