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その24 紙上読書会

今回は「いいなあ」と思った本を紹介しましょうというブログです。
所属している会社内の話で恐縮です。
昨年秋に管理職研修を行った際に、参考文献を講師の3名がリスト化しておりました。すべてご紹介できないのですが、今回は改めて推薦文を書いていただきました本の一部を掲載しようと思います。また、研修に使用しなかった書籍(硬軟取りまぜて)のご紹介もしたいと思います。

哲学・倫理
生きるとは何か(島崎俊樹. 1974. 岩波新書)★
著者は日本の精神病理学の先駆者。人間は不動の地盤(職業等)に立ち、お天道様を仰ぎながら、仲間と共に、未来に向かって進む(生きがい)存在と説く。一つでも欠けると心が病む。自分という存在を改めて点検してみてださい。
怒らない禅の作法 (枡野俊明. 2016. 河出文庫)★
著者は曹洞宗の僧侶。落ち込んだ時に読むと気が楽になる著書多数。随分と救われました。本書ではアンガーマネジメントの具体的方法を開陳。一言で要約すると「自分も他人も不完全、そんな程度と思えば、怒りも消える」。
夜と霧(ヴィクトール・E・フランクル. 原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年. みすず書房)★
著者は精神科医、ホロコースト生還者。「収容所の絶望的な状況でも『誰かの役に立ちたい=使命感』を持つ人は誇りを失わない」。養老孟子は「生きる意味は自分の中にはない」と言う。現代では失われつつあるもの。あなたは?
スピノザ『エチカ』 (國分功一郎. 2018.NHK出版)
現在の世界観がガラッと変わってしまう、デカルト的合理主義とは違った価値観の世界の可能性があったということだけでもワクワクしてしまいます。難解な汎神論や自由の概念など理論的掘り下げをわかりやすく解説してくれる本です。 

社会科学
人間集団における 人望の研究(山本七平. 1983. 祥伝社黄金文庫)★
論語のリーダーの心構え論。人望を得るには「克伐怨欲」=オレが一番、自慢、妬み、貪欲はダメ、「克己復礼」=欲望や邪心を抑え、他人を尊重すること。自分の実力を知れば、威張り散らすなんて恥ずかしくてできないですよね。
リーダーシップ論 (ジョン・P・コッター. 2012. ダイヤモンド社)★
リーダーシップ論の定番。リーダーは、現実的なビジョンを語り、新しいことにチャレンジし、人々を巻き込み、企業を変革していく存在だと説く。単なる管理者ではなくリーダーになって欲しいとの願いを込めて推薦本としました。
奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵 (中野剛志. 2022. ㈱PHP研究所)
新入社員の出身学部を見て「リベラルアーツ」って何だろうと思ったことはありませんか。直接リベラルアーツについて説明した文章があるわけではありませんが、社会構造を理解して多様な視点から課題解決を進める基礎的な知識を得ることができる、名著の解説本です。
だから僕たちは、組織を変えていける —やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた (斉藤徹. 2021. クロスメディア・パブリッシング(インプレス))
実は今日アマゾンから到着する本です。昨日の勉強会で著者が登壇されてお話を聴きました。私自身がやりたいこと、言いたいことを沢山話してくださいました。『これからの組織は「統制」から「自走」へ』の件(くだり)は、当社は?という印象を持ちました。
アドラー人生の意味の心理学~変われない?かわりたくない? (岸見一郎. 2018. NHK出版)
心理学者のアドラー(1870-1937)の解説本です。筆者がアドラーの提言に倣って、子育てに苦労している親御さんへの提案を実践的に語っているところや、読者自身の「意味づけ(とらえ方)」で見えている世界が変わる(実は自己変容)というところは読みどころでしょうか。パートナーやこれから色々な出来事に遭遇する、であろう子供に読んでほしい本です。関連ブログ 『その10「壁(開けゴマ)」』 

自然科学
脳の闇 (中野信子. 2023. 新潮新書)
脳科学者として高名な中野信子さんが、比較的ご自身の心情を吐露されている著作かと思います。難しいので分からないんだったら、それでいいよという感じで、さばさばしていて僕はとても好きです。ご自身の苦い経験も読みどころですね。

小説
最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。(ほのぼのる500. 2020. TOブックス)
ブログ「その12」でもご紹介したライトノベルです。主人公の女の子がどこまでも真っすぐで、丁寧で、やさしさの視点が素敵です。そんな彼女が仲間を増やして大人の問題も解決していく冒険譚です。
上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅲ(高殿 円. 2021. 小学館文庫)
タイトルが「アレ」で、しかも小説なので、お勧めしにくいのですが、この小説のテーマは多様性でしょうか。百貨店外商部に務めるアラフォー×イチの女性とLGBTの男性という見た目も経歴も背景も違う二人が同じ課題を抱えていて….第三巻193ページぜひ読んでいただければ。
 
2024年6月17日 大島智宏
 
協力:xxxx氏  氏のご推奨本に★を付けました。

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