大島 智宏

企業内で働く皆さん、事業ミッションと個々人の成長目標の狭間で「モヤモヤ」を抱えてたり、…

大島 智宏

企業内で働く皆さん、事業ミッションと個々人の成長目標の狭間で「モヤモヤ」を抱えてたり、将来のご自身のキャリアに不安をお持ちだったりしませんか。私は皆さんのそんな悩みを受けとめて一緒に成長していけたらと考えております。 (国家資格キャリアコンサルタント 大島智宏)

最近の記事

  • 固定された記事

その10 開けゴマ(壁)

その10 開けゴマ(壁)  AIに「壁」のイメージをイラストにしてもらったら、上のようなイラストが出てきました。よくよく文字を読んでみるとOpen Sesame!とか書いてあるではありませんか!「開けゴマ」とは? AIがどこからそんな情報を持ってきたのか? AIに意志があるのであれば確認してみたいものです。(実際には入力者の書くプロンプト(指示書)で動いているんですが。今回は「ゴマ」なんて一言も書いてないんですけどね。) 壁  今回は壁の話を書きたいと思います。これも去年、

    • その34 環境理解と環境への働きかけ

       先にご紹介した「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系」の中でも職場を「環境理解」*¹の対象としています。また、「環境への働きかけ」*²の対象ともしています。  知っている範囲でしかありませんが、キャリア理論の中で職場を正面から扱ったものはあったかな、と頭を巡らせています。ぱっと思いつくのは組織を構造化して示したエドガー・シャインのキャアリア・コーンくらいでしょうか。それは組織を円錐形に見立て水平方向にマーケや営業、エンジニアリング、製造、設計、管理機能などの

      • その33 発達課題 エリクソンとスーパー

         まずはエリクソンとスーパーのご紹介をしたいと思います。  エリク・エリクソン(米.精神分析家、医師、発達心理学者.1902-1994)はドイツに生まれてアメリカで活躍した医師で、生涯の人格的発達モデル(漸成的発達理論:社会文化的・歴史的要因を考慮した8段階のライフ・サイクル理論)を示しました。  ドナルド・スーパー(米.キャリア・カウンセリング心理学者.1910-1994)は「個々人の生涯発達を支援する」実践家でもありました。スーパーの理論には個人の発達上に時間と役割の概

        • その32 モチベーション理論と心理学

          人間性心理学  辞書によると「動機を与えること」、「動機付け」(広辞苑 5版.新村 出.)とあります。心理学の領域では、それまでの行動主義心理学(刺激と反応)や精神分析(無意識やリビドー)で考慮されていなかった能動主体としての人のこころの働きが注目されるようになりました。それは1960年代に入ってから盛んになり人間性心理学と呼ばれます。  主体としての人を「成長を望む存在としてとらえる」ものです。アブラハム・マズロー(米.1908-1970.心理学者)は「人間は生まれながらに

        • 固定された記事

        その10 開けゴマ(壁)

          その31 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その2

          今回は、キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系の2回目です。前回はキャリアコンサルティングの社会的意義と必要な知識について紹介しました。今回は必要な技能と倫理と行動についてご紹介いたします。今回も長文になりますのでお時間がない方は項目と最下段の「キャリアコンサルタントとは」をご覧いただければと思います。 項番号の取り方、レベルがわかりにくいのでメモ※を付記します。 ※ ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ)>漢数字(一、二)>アラビア数字(1,2)>カッコ付き数字(⑴、⑵)

          その31 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その2

          その30 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その1

           今回から2回にわたって「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系」について厚生労働省の資料等から引用してご紹介したいと思います。私たちキャリアコンサルタントは、この能力体系に示される項目を学習し身に着けることを求められます。  試験でその習熟度が測られますが資格合格は入り口でしかありません。それぞれの専門家と同様に、実務をこなしながら技能を磨く、より専門性の高い領域で研鑽していくことになります。私自身はプロティアンキャリア協会の認定ファシリテーター取得や放送大学で

          その30 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その1

          その27 共同体感覚 アドラー心理学より

           前回、その26「科学的管理法」の中で組織開発に必要な要件として経営層が持つべき視点は「世の中から重要で高尚だと見とれられる目標」であるとゲイリー・ハメルの「経営は何をすべきか」という本から引用しました。今回は、その目標の一案をアドラー心理学から検討してみたいと思います。 アドラーの背景  アドラーは1870年オーストリアで生まれた医師であり、心理学者でした。ユダヤの家系の中で両親の愛情を受けて育てられました。自身はくる病によって不自由な幼年期を過ごしました。弟の病死や自身

          その27 共同体感覚 アドラー心理学より

          その26 科学的管理法

           最近読んでいる2つの本で同じ言葉が出てきました。それが今回の題名となっている「科学的管理法」です。原著は「科学的管理法の原理」(米.フレデリック・テイラー.1911.)で、当時は第一次世界大戦(1914-1918)前夜、アメリカでは劇的な産業の発展(例;銑鉄生産高1890年950万t→2,800万t、石炭産出量同1.5億t→4.5億t*)を遂げ、過当競争の中で製品価格を下げるため人件費の削減、作業効率の向上が求められていました。  労働者は、生産量を上げても報われない状況

          その26 科学的管理法

          その25 壁(視点)

           noteでブログを書くようになっておよそ半年が経過します。最初はどのようなお話をしたらよいか思索を巡らせながら、右往左往といった感じでした。次第にストーリー性を持った流れと、たまに挟み込む話題といったパターンが出来て来たように思います。特段の決め事をしているわけでは無いのですが、今日のパターンは初めてです。 その10壁(開けごま)でお話した内容の補追のイメージになると思います。  壁(開けゴマ)では、壁の類型化となぜ壁が出来てくるのかということ、そしてその対応についてお

          その25 壁(視点)

          その24 紙上読書会

          今回は「いいなあ」と思った本を紹介しましょうというブログです。 所属している会社内の話で恐縮です。 昨年秋に管理職研修を行った際に、参考文献を講師の3名がリスト化しておりました。すべてご紹介できないのですが、今回は改めて推薦文を書いていただきました本の一部を掲載しようと思います。また、研修に使用しなかった書籍(硬軟取りまぜて)のご紹介もしたいと思います。 哲学・倫理 生きるとは何か(島崎俊樹. 1974. 岩波新書)★ 著者は日本の精神病理学の先駆者。人間は不動の地盤(職業

          その24 紙上読書会

          その23 シアトル縦断研究

           しばらく、キャリアコンサルタント視点のブログが続きましたので、今回は少し視点を変えて心理学の世界のお話をします。  私たち人間が生まれてからどのように成長し、社会に適応し、精神的に発達していくかを研究する学問があり、それを発達心理学と呼びます。どのような学問もそうなのだと思いますが、特に心理学はこの200年くらいで哲学や自然科学からの学際的なかかわりを持ちながら分化していった学問といえるだろうと思います。  発達心理学は心理学の一部門であり、現在も活発に研究が行われている分

          その23 シアトル縦断研究

          その22 組織と個人の成長

          組織と個人の関係性については、その20エンゲージメントの稿で少し触れました。今回はその成長の構造と人事制度についてお話したいと思います。 自律的組織と自律的個人  多くの企業が会社を運営する上での組織を株主、経営、管理、一般といった階層構造で捉え、これをマネジメントする手法を整備してきました。役割を階層に割り当てることで分業していたということかと思います。株主は投資の最大化、リターンを求めて、経営は会社の存在意義と事業とその方向性を決定し、管理はその方向を実現するための方策

          その22 組織と個人の成長

          その21 雇用における3つの無限定性

          以前、「その18 ラベリング」の稿で雇用における3つの無限定性に触れました。今回はこれについてお話したいと思います。 日本の経済を支えた無限定性とメンバーシップ型雇用  日本型雇用の代表的類型として挙げられるのがメンバーシップ型雇用です。 私もリアルタイムで見たわけではないのですが、植木等が主演した「日本一のゴマすり男」(1965年)をはじめ、クレージーキャッツというバンド?メンバーが出演している「クレージー映画」という映画のカテゴリがあったそうです。高度経済成長期、作ればモ

          その21 雇用における3つの無限定性

          その20 エンゲージメント

           その19でジョブ・クラフティングのお話をしましたので今回は関係性の深いエンゲージメントについて書きます。構造的には、エンゲージメントの要素の一つがジョブ・クラフティングとなります。  まずは言葉なのですが、そもそも「キャリア」の主たる理論が西欧から発信されている事もあって英語圏の文化背景で語られることが多くあります。エンゲージメントも例外ではなく著者編者はカナダ、オランダの研究者です。ビジネスパーソンであれば契約書面で馴染みの語句でも、キャリア理論となるとお手上げかと思いま

          その20 エンゲージメント

          その18 ラベリング

          夢がきっかけ  今朝、起き抜けの夢で近江町市場と武蔵交差点の記憶がよみがえりました。  およそ25年前、石川県の金沢に赴任し、数年が経ったときに横浜の本社から上席が訪ねてきました。近くの喫茶店で面談して曰く「大島君は、“A社の大島さん”って言われているよ」と告げられたのです。どういう意味なのか理解できずに次の言葉をまっていると、「A社の立場を笠に着て自社の請負業務担当者に言いたい放題」、要は周囲からの評判が悪いということでした。(A社は、大手電気メーカー)  金沢での私の仕事

          その18 ラベリング

          その15 キャリアコンサルタントの使命

          校長先生の言葉  小学生のころ、夏休み明けの朝礼の壇上に立った校長先生が、昇降口の左右の壁にある垂れ幕の話を始めました。そこには「元気な声がひびく学校」といった類の言葉が大書されていたと記憶しています。曰く「この垂れ幕を見て、この学校はこういうことができていない学校なのかと思いました」と。私はずっと「元気な声がひびく学校」だと思っていたのに、そういう見方があるのかと印象に残っています。 キャリアコンサルタントの位置づけ  今、私はキャリコンとしても活動しています。キャリコン

          その15 キャリアコンサルタントの使命