大島 智宏

企業内で働く皆さん、事業ミッションと個々人の成長目標の狭間で「モヤモヤ」を抱えてたり、将来のご自身のキャリアに不安をお持ちだったりしませんか。私は皆さんのそんな悩みを受けとめて一緒に成長していけたらと考えております。 (国家資格キャリアコンサルタント 大島智宏)

大島 智宏

企業内で働く皆さん、事業ミッションと個々人の成長目標の狭間で「モヤモヤ」を抱えてたり、将来のご自身のキャリアに不安をお持ちだったりしませんか。私は皆さんのそんな悩みを受けとめて一緒に成長していけたらと考えております。 (国家資格キャリアコンサルタント 大島智宏)

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その10 開けゴマ(壁)

その10 開けゴマ(壁)  AIに「壁」のイメージをイラストにしてもらったら、上のようなイラストが出てきました。よくよく文字を読んでみるとOpen Sesame!とか書いてあるではありませんか!「開けゴマ」とは? AIがどこからそんな情報を持ってきたのか? AIに意志があるのであれば確認してみたいものです。(実際には入力者の書くプロンプト(指示書)で動いているんですが。今回は「ゴマ」なんて一言も書いてないんですけどね。) 壁  今回は壁の話を書きたいと思います。これも去年、

    • その39 役割等級制度とキャリアオーナーシップ

       前回、日本で広く取り入れられている職能資格制度×行動評価(コンピテンシー評価)の組合せが、大変な労力を使う割にその評価結果がぶれる可能性についてお話をしました。職能資格制度、役割等級制度のメリット、デメリット、それと組み合わせる評価制度について、考察を加えてみましたので下表をご覧ください。  今回のお話は複雑になりますので、その前に言葉の定義と復習です。 言葉の定義 人事制度方針:「人事制度の基本」P56.西尾太.2022.日本実業出版社より引用するとその類型は7つに分類

      • その38 人事評価における心理面での基本的な帰属のエラー

          ずいぶんとサボっていまして、3週ぶりのブログ発信となります。 今回のタイトルに含まれる心理面での基本的な帰属のエラーは、ちょっとイマイチなタイトルでして、基本的な帰属のエラーが心理学で出てくる用語なので、わざわざ「心理面での」をつける必要はないのですが、どの学術領域で使われている言葉かを明確にするために付けてみました。    人事評価で明確な評価軸がある組織ではこのようなことを考える必要が無くて、例えば、A作業の担当者の評価軸が「A作業が予定通り完遂できた 〇」であれば何

        • その37 雇用と人事制度

           最近?話題のジョブ型雇用って何だろうと思いまして、雇用の仕組みの中でどのような位置づけになっているのか、またそれぞれの仕組みにおける一般的な評価制度について整理してみたいと思います。一般論、本になっているような内容を引いていますが、実際の会社では個別性が高いと思いますのであくまでも参考ということでご理解いただければと思います。 何に対する報酬なのか で仕分けしてみました  普段はあまり考えることは少ないかなと思いますが、私たちの給料は私の何に対して支払われているのか とい

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        その10 開けゴマ(壁)

          その36 啓発的経験の理論

           私たちは社会人になるまで多くの時間を使って学ぶことをしてきました。それは人として生きていくために必要な最低限の知識を獲得するため、社会の中でよりよく適応するための技術を身に着けるためでもありました。今日は私たちキャリアコンサルタントが学びや啓発的経験を大切に思っている理由についてお話をしたいと思います。  私が好きな学習に関する理論家は、アルバート・バンデューラ(加.米.1925-2021.心理学.社会的学習理論.)です。バンデューラは他者の行動を観察することでも学習が成

          その36 啓発的経験の理論

          その35 意思決定の理論

           今回も「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系」より意思決定の支援*¹についてその理論的背景のお話をしたいと思います。    私たちキャリアコンサルタントは、システマティックアプローチというキャリア・カウンセリングあるいはキャリアコンサルティングの手法を学びます。  キャリアコンサルティングは人に対する支援を目的にしています。個々人の価値観や行動が違うように、それぞれの相談は個別性が高く教科書通りに事が運ぶわけではありませんし、型にはまるものでもありません。支援

          その35 意思決定の理論

          その34 環境理解と環境への働きかけ

           先にご紹介した「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系」の中でも職場を「環境理解」*¹の対象としています。また、「環境への働きかけ」*²の対象ともしています。  知っている範囲でしかありませんが、キャリア理論の中で職場を正面から扱ったものはあったかな、と頭を巡らせています。ぱっと思いつくのは組織を構造化して示したエドガー・シャインのキャアリア・コーンくらいでしょうか。それは組織を円錐形に見立て水平方向にマーケや営業、エンジニアリング、製造、設計、管理機能などの

          その34 環境理解と環境への働きかけ

          その33 発達課題 エリクソンとスーパー

           まずはエリクソンとスーパーのご紹介をしたいと思います。  エリク・エリクソン(米.精神分析家、医師、発達心理学者.1902-1994)はドイツに生まれてアメリカで活躍した医師で、生涯の人格的発達モデル(漸成的発達理論:社会文化的・歴史的要因を考慮した8段階のライフ・サイクル理論)を示しました。  ドナルド・スーパー(米.キャリア・カウンセリング心理学者.1910-1994)は「個々人の生涯発達を支援する」実践家でもありました。スーパーの理論には個人の発達上に時間と役割の概

          その33 発達課題 エリクソンとスーパー

          その32 モチベーション理論と心理学

          人間性心理学  辞書によると「動機を与えること」、「動機付け」(広辞苑 5版.新村 出.)とあります。心理学の領域では、それまでの行動主義心理学(刺激と反応)や精神分析(無意識やリビドー)で考慮されていなかった能動主体としての人のこころの働きが注目されるようになりました。それは1960年代に入ってから盛んになり人間性心理学と呼ばれます。  主体としての人を「成長を望む存在としてとらえる」ものです。アブラハム・マズロー(米.1908-1970.心理学者)は「人間は生まれながらに

          その32 モチベーション理論と心理学

          その31 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その2

          今回は、キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系の2回目です。前回はキャリアコンサルティングの社会的意義と必要な知識について紹介しました。今回は必要な技能と倫理と行動についてご紹介いたします。今回も長文になりますのでお時間がない方は項目と最下段の「キャリアコンサルタントとは」をご覧いただければと思います。 項番号の取り方、レベルがわかりにくいのでメモ※を付記します。 ※   ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ)>漢数字(一、二)>アラビア数字(1,2)>カッコ付き数字(⑴、⑵)

          その31 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その2

          その30 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その1

           今回から2回にわたって「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系」について厚生労働省の資料等から引用してご紹介したいと思います。私たちキャリアコンサルタントは、この能力体系に示される項目を学習し身に着けることを求められます。  試験でその習熟度が測られますが資格合格は入り口でしかありません。それぞれの専門家と同様に、実務をこなしながら技能を磨く、より専門性の高い領域で研鑽していくことになります。私自身はプロティアンキャリア協会の認定ファシリテーター取得や放送大学で

          その30 キャリアコンサルティング実施のために必要な能力体系 その1

          その27 共同体感覚 アドラー心理学より

           前回、その26「科学的管理法」の中で組織開発に必要な要件として経営層が持つべき視点は「世の中から重要で高尚だと見とれられる目標」であるとゲイリー・ハメルの「経営は何をすべきか」という本から引用しました。今回は、その目標の一案をアドラー心理学から検討してみたいと思います。 アドラーの背景  アドラーは1870年オーストリアで生まれた医師であり、心理学者でした。ユダヤの家系の中で両親の愛情を受けて育てられました。自身はくる病によって不自由な幼年期を過ごしました。弟の病死や自身

          その27 共同体感覚 アドラー心理学より

          その26 科学的管理法

           最近読んでいる2つの本で同じ言葉が出てきました。それが今回の題名となっている「科学的管理法」です。原著は「科学的管理法の原理」(米.フレデリック・テイラー.1911.)で、当時は第一次世界大戦(1914-1918)前夜、アメリカでは劇的な産業の発展(例;銑鉄生産高1890年950万t→2,800万t、石炭産出量同1.5億t→4.5億t*)を遂げ、過当競争の中で製品価格を下げるため人件費の削減、作業効率の向上が求められていました。  労働者は、生産量を上げても報われない状況

          その26 科学的管理法

          その25 壁(視点)

           noteでブログを書くようになっておよそ半年が経過します。最初はどのようなお話をしたらよいか思索を巡らせながら、右往左往といった感じでした。次第にストーリー性を持った流れと、たまに挟み込む話題といったパターンが出来て来たように思います。特段の決め事をしているわけでは無いのですが、今日のパターンは初めてです。 その10壁(開けごま)でお話した内容の補追のイメージになると思います。  壁(開けゴマ)では、壁の類型化となぜ壁が出来てくるのかということ、そしてその対応についてお

          その25 壁(視点)

          その24 紙上読書会

          今回は「いいなあ」と思った本を紹介しましょうというブログです。 所属している会社内の話で恐縮です。 昨年秋に管理職研修を行った際に、参考文献を講師の3名がリスト化しておりました。すべてご紹介できないのですが、今回は改めて推薦文を書いていただきました本の一部を掲載しようと思います。また、研修に使用しなかった書籍(硬軟取りまぜて)のご紹介もしたいと思います。 哲学・倫理 生きるとは何か(島崎俊樹. 1974. 岩波新書)★ 著者は日本の精神病理学の先駆者。人間は不動の地盤(職業

          その24 紙上読書会

          その23 シアトル縦断研究

           しばらく、キャリアコンサルタント視点のブログが続きましたので、今回は少し視点を変えて心理学の世界のお話をします。  私たち人間が生まれてからどのように成長し、社会に適応し、精神的に発達していくかを研究する学問があり、それを発達心理学と呼びます。どのような学問もそうなのだと思いますが、特に心理学はこの200年くらいで哲学や自然科学からの学際的なかかわりを持ちながら分化していった学問といえるだろうと思います。  発達心理学は心理学の一部門であり、現在も活発に研究が行われている分

          その23 シアトル縦断研究