目的地を決める【物語を作る】#1
確か小学6年生のときだと思うのですが、物語を作るという課題がありました。物語を読むことが好きだったわたしは、この課題にワクワクしました。『森の守り神』というタイトルをつけた、人生で初めて作った物語…。夢中で、必死で、書いた覚えがあります。
サラという名前の女の子が、人間によって破壊が進む森を守るために立ち上がる、というストーリーです。どんな結末を迎えたのか、全く覚えていません。
生徒全員の物語は文集のように印刷されて、配られました。わたしの物語だけ明らかに長く、配られたときには何とも言えない恥ずかしさと同時に、ちょっとした誇らしさのようなものも感じたように思います。長ければいいというものでもないと認識はしており、誇らしさを感じたのは、最後まで書き終えたことに対するものだったと思います。
おもしろいかどうかと聞かれると、全然面白くなかったと思います。やたら長いだけで、読むのが疲れるなと自分でも思っていた気がします。クラスメイトのショートストーリーを読んで、「おもしろい!!」と心を動かされたものがあったのに、自分のものを読み返しても、おもしろいとは思いませんでした。
人生で初めて書いて、初めて書き終えた物語はその1本だけです。今度実家に行ったら引っ張り出して読み直そうと思います。羞恥心で死ぬかもしれません。
この課題はわたしにとって結構大きな衝撃を与えて、その後、『小説を書く人になりたい』という気持ちを芽生えさせました。度々書こうとして、書くことができませんでした。
学生生活、部活、アルバイト、留学、就職活動、社会人生活…日々の生活やさまざまなイベントにエネルギーが注がれ、物語を作るために何かすることはありませんでした。
心のどこかで、わたしが今体験していることは、いつかすべて物語を作ることに繋がるはずだと思うだけ。考えることもせず、努力もせず、時間を使うこともなく、本当にただぼんやりと思っているだけ。
西野亮廣エンタメ研究所に入ってから、今度こそ書いてみよう!と思いました。西野さんが今作っておられる『夢幻鉄道』という世界に心を惹かれたのです。
そんなわけで『夢幻鉄道』の二次創作のストーリーをずっとずっと考えているのですが、一文字も書いていないのに行き詰まっています。
夢幻鉄道は、現実世界と夢の世界を繋ぐ鉄道です。現実世界の人を、夢の世界へ運ぶ列車。そんな設定から生まれる物語はどんなものでしょうか。
最後のセリフは決まっています。
「もう乗りません。わたしにはもう必要がなくなったから」
このセリフをゴールとして、物語を作っていきます。