人材紹介に未来はあるのか?
1日事務所にいたら2~3件は掛かってくる人材紹介の営業。
こちらも困ったときには頼らなければならないので、失礼な応対はしないように心掛けている。それが私のせめてもの持ちつ持たれつ・・・。
保育士不足が続き、採用に困っている企業が多く存在していたのは事実。現在も採用に四苦八苦している企業は多いと思います。
それでもGoogleやIndeedなどを勉強し、自社でホームページから採用をしようとしている企業も増えたように思います。
それでもなお営業の電話が多い人材紹介の世界。ここで改めて人材紹介について知っておいてもらいたいことを書こうと思います。
人材紹介の仕組み
人材紹介とは、就職・転職したい人と、採用したい企業とを結びつける仕事です。(本来は)採用したい企業のニーズに合った人を探すお手伝いをし、企業は人を採用できた場合、謝礼として紹介手数料を支払う仕組みとなっています。
保育業界の場合、紹介手数料の相場は、採用した人の想定年収の25%~35%(正社員の場合)となっているようです。高騰し続けている紹介手数料
私が初めて人材紹介の営業を受けたのが8年くらい前でしょうか。その時は、消化手数料が一律30万円というところもあれば、想定年収の20%くらいと定めているところもありましたが、今ほど高騰していませんでした。何故紹介手数料は高騰したのか?
1つは単純に保育士不足で企業が人を採用するのが難しかったからです。そしてもう1つは・・・(ここからは私の持論です)。
人材紹介業で肝心なので如何に転職したい人を見つけるかです。そのために何が必要かというとインターネット広告です。転職者が求人情報を調べる時ほとんどの人がインターネットを使います。なので「足立区 保育 求人」などで検索されたら、自社(人材紹介のサイト)が上位表示されるようにGoogle広告などに課金をするわけです。近年は人材紹介を営む企業が増え、皆同じように求職者が検索すると思われるキーワードを課金して買っているのです。
競合が増え競争が激しくなるほど広告費が高騰します。その高騰している広告費を人材紹介料に転嫁しているので紹介手数料が高騰していると思われます。
ところで紹介手数料は想定年収の25%~35%と書きましたが、もしこれを読んでいる貴方が人材紹介業者を使って転職をした場合、いくらの手数料になるでしょうか?ピンときますか?
例えば、こんな給与形態で紹介手数料が30%だったとします。
基本給20万円
資格手当1万円
役職手当2万円
合計:23万円
この方の想定年収はいくらかというと、23万円×12か月=276万円です。実はこれだけでなく賞与も年収に加味するので、仮に賞与が年2か月だったとすると、276万円に20万円×2か月を加えるので316万円が想定年収となります。
この316万円の30%というと・・・94.8万円です!さらに消費税が掛かるので100万超えです!!
こういった仕組みを知らずに人材紹介を使って転職活動をしていたとしたら、ひょっとしたら紹介手数料がネックで不採用になることもあるでしょう。
ここからは人材紹介業者を使う上で知っておくべきこと注意すべきことを書きたいと思います。
(先の述べた通り)採用には多額の手数料がかかることを理解すること
良い人材ほどお金を掛けないと採用できません。とはいえ、小さな保育園にとって100万円の人材紹介手数料はかなり高額です。しつこく勧誘されることもある
人材紹介業者は、求職者と企業を結びつけて初めて利益が得られます。そのため何とか企業に求職者を斡旋したいと思い、それが求職者にとってかなりしつこい勧誘となるケースも多々見受けられます。営業マンの言うことを鵜呑みにするな!
紹介されて入社したけど長続きしなかった、という事例も多く聞きます。これも2に起因するところですが、営業マンが何とか転職させたいと思い、良いことばかりを並べて転職に繋げるケースもあるようです。知らぬ間に人材紹介を使っていた!?
本来人材紹介事業者は、求職者に人材紹介の仕組みを説明しなければならないはずです(認識が間違っていたらすみません)。なのに営業マンからそういった説明を一切受けずに紹介された保育園に面接に行ってみて、初めて自分が人材紹介を使っていたことを知ったという人を過去に何人も見ました。
人材紹介を使うことのメリットは、自分の条件・希望に合う保育園を代わりに探してくれるところです(本来の目的をきちんと遂行している場合に限ります)。なので就労中で忙しい場合でも、良い情報が入手できます(営業マンが本来の目的を遂行している場合)。
一方デメリットは、やはり自分を採用してもらうのに、保育園に多額の紹介手数料が発生してしまうことでしょう。それにより採用されないケースも考えられますので。
転職は、本人にとってとても大事なものです。親身になって対応してくれる営業マンに出会い、良い転職ができるのなら、人材紹介を使うのも良いですが、必ずしも良い話ばかりではない、ということを少しでも知ってもらえたらと思います。
最後の最後で本題。人材紹介に未来はあるのか?
ほぼほぼ、どこの会社の営業マンもこのフレーズで電話をしてきます。しかも若い営業マンばかりです。これだったらこちらが電話に出た瞬間に録音した音声を流されても同じです。
ここで最悪なのは「紹介したい人がいる」と言っておきながら、実はまだいないというケースもあるということです。
その方はどんな方ですか?と先に聞くと、
となるのです。だったら最初からそう言え!
AIよりもコミュニケーション能力が低い営業マンばかりの人材紹介事業に未来はあるのか?
皆さんどう思いますか?
私は人材紹介という仕事は必要ですが、今のようにレベルが低い営業で斡旋できる時代は終わると思っています。そのため、求職者-採用企業-人材紹介の会社、この3者がWin・Win・Winになれる仕組みを構築したところだけ生き残ると思っています。当然そこには高騰し続けている紹介手数料の見直しも含まれてくるでしょう。
果たして人材紹介事業に未来はあるのか????