『efforts』 全曲解説 #2 「ステレオタイプ」
雨降ってえらい寒なりましたなぁ。ちな、僕は限界まで半袖で生活する派なので、冬のからのまさしくサムい視線を感じつつもインナーは全て半袖、パジャマも半袖半ズボン、上が長袖の時は下は短パンを履く徹底抗戦ぶりです。でも、「こいつ季節感ないくせに繊細な振りしてボーカルやってるやん」と思われたくないので、SNSにあげる写真は全部ちゃんと袖が長いヤツをアップしてます。偉い。
さて、こんちくわthe paddlesのおーじです。2022年10月5日にリリース致しました3rd mini album『efforts』全曲解説、今回はM.2『ステレオタイプ』です。ほな、いこか〜〜〜!
曲構成について
いい曲が出来上がるパターンの1つに、「最初から最後まで1回のスタジオでまとまる」というのがありますが「ステレオタイプ」はまさにそれでした。メロディも最初にスタジオで思いついたものを採用して、音に合うように歌詞を埋めていきましたなぁ。とにかく瞬発力を重視しました。構成もイントロ→A→サビ→間奏→A→サビ→ギターソロ→サビ→アウトロと非常に潔い。漢<をとこ>って感じ。
あと、パドルズの楽曲としては珍しく、イントロのギターリフ(楽曲内で繰り返し使用される印象的なフレーズのこと)から作り始めたです。「ジパングカウンター」(1st Single「スノウノイズ/22」に収録)以来ですかな。とにかくシンプルさを意識したので、普段であればこだわるコード進行も同じ回しのループだけにして、極力メロディと歌詞、それと曲が初めから持っていた「傷だらけ」的なイメージを壊さないようにしました。僕ら楽曲制作は、凝れば凝るほどマニアックになってきて、非常に地味になることが往々にして発生しやすいです。なので「な、なんか、カッコいい…知らんけど…」てな曲にしたい時は、最初に思いついた簡単なアレンジを採用することが多いです。制作中もこーへーさん、こーたさんが「これでええやろ」連発されてました。
hananashiのDr.ひろきくんが初めてライブでこの曲を聴いて、「いや、アジカンやん」と言ってくれたのはいい思い出です⭐︎
歌詞について
恋愛/友情において、誰かを好きになる時、自然と「相手の好きなタイプ」になろうとして、本来の自分を抑えて/嘘をついてまで/自分を傷つけてまでもその歪(いびつ)な"型"みたいなものに自分の心を押し込めてしまう感覚があります。
確かにその好きな人に会っている間は「相手の望む形」をした自分としてお話をするから、「今この人は、すごく自分のことを好きで居てくれるな」と実感できる。それはすごく居心地のいいことだし、相手の期待に応えられて嬉しくも思う。歌詞ではこう歌ってます。
でもいざ自室で1人になった時、「相手の望む形」をした自分が「自分本来の形」に戻ろうとする。この瞬間が一番寂しくて、心が痛い瞬間。握ったスポンジがすぐ元どおりになるように、人間の心もそうであればとても楽だけれど、実際現実はそうではない。人間の心は粘土みたいで、殴れば簡単に変形する割に、二度とは元に戻らない。
元に戻ろうとして初めて無理をして型にハマった自分に気づくことができる。相手が抱いている、いわゆる好きなタイプ。世の中に蔓延(はびこ)る「理想の彼女/彼氏/友達」。そんな固定概念的な「ステレオタイプ」に自分を押し込めるな、と愚直に歌ったのがこの曲です。大事な人だからって、なんでもかんでも自分の好きを押し付けていいわけじゃないし、わからせようとしちゃいけないと思います。そんな違いも愛することができて初めて「ステレオタイプ」ではない、2人だけの形が生まれると、僕はそう思ってます。歌詞ではちょうどサビですかな。
この曲の本当のミソはBメロの歌詞にある気がしてます。でもそこまで書いちゃうと歌詞を全部解説しちゃうことになるのでここは袋とじ♡ この曲はCDだけではなく各種サブスクでも聴けるので是非聴いて感じてください。自分の頭で考えろバカヤロ♡(ミラクルひかるさんがモノマネする篠原涼子さんの声で)
大切な人/モノがすぐには思い浮かばない人は、まずは自分を大事にすることから始めたら、ちょっと視界がひらけてくるかもしれませんね。生きにくいこともムカつくことも多いですが、ありのままで。どうしようもなくなったらライブハウスへおいでくださいまし。
以上、M.2「ステレオタイプ」楽曲解説でした。最近、ライブでサビの「あい!そ!わらい!を!」「あい!の!かたち!を!」で拳を突き上げるパドラーの皆様が増えているような気がしてます。もしかして、ウチのこと、好きなん?
CDが気になる人は是非手に取ってみてください。
ツアーも是非来てください。
代わりに劇場でお金を落とします。もっとレビューがんばるので。