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ゆりかごのなかにいるくせに
ルーマニアの椅子を買った。背もたれがすごくかわいい木製の、古い椅子。ルーマニアってどこ? と思って調べたらヨーロッパだった。たぶん一生行かないところ。一生行くことのないところから来た椅子に、毎朝触れる。かわいい。大事にしたい。
前にいた会社の人たちに思い出したように会う。どうして辞めちゃったのかよくわかんない人を食事に誘ってくれた人に対しては、「どうして辞めちゃったの?」って聞かれたときに、ただただ事実を答えるのがこっちの誠意だと思う。だから、そうするんだけど、たまに怒りがぶり返してきて、激辛の麻婆豆腐食べたあとみたいな後味をそのあと引きずることになる。話して楽になることなんか生きててそんなに無いし、書いて楽になるよりは業を背負うことになるから、もう空の写真を撮ることくらいでしかやさしさを表現できないよね。部長、この有り余るやさしさの行き場がありません。
ハイキューのアニメを一気見した。組織の美しさって機能することだと思った。サーブ、レシーブ、トス、スパイク。そこを滑らかに機能させる肉体。肉体を機能させるための、無駄のないトレーニング。生まれ持った身体的な長所が個性やアイデアなんて打ち砕いてしまったりすること。組織を機能させるための能力主義、上下関係。ぜんぶシンプルで美しくておもしろいと思った。
組織に向いてない とか、よく言われるけど、私のことを受け入れられない組織の方が機能不全なんだと思うけどな。という気持ちと、バレーボールするみたいに働ければよかったのかもしれないと思うこと。どっちも両立する感情で、もうあんまり意味のない葛藤だ。
バレー部じゃなかったから知らねー、社会の仕組み。
クッションがついていない、ルーマニアの椅子に座ると安心する。