空気の音がする
スライムを凍らせて包丁でサクサク切っていく動画にハマる。ASMR動画に分類されるらしい。人の咀嚼音より断然いい。ゾワゾワする。百均で良さそうなスライムを見ると買ってしまうようになった。安上がりだし、確実に癒されるし。今は、スクイーズ というアイテムもあって、これはスライムっぽい感触のヌイグルミという感じ。自分でつくって売れたらいいのにな と一瞬 頭をよぎったけど、海外で流行っている手作りスクイーズは軒並み臭いらしい。臭いのは嫌だな。
次の仕事が始まる12月まで暇で、足元が浮ついている。別荘の掃除をするバイトや皿洗いのバイト、ひたすらタオルを綺麗に畳むバイト。色々やってみる。どれも単純作業だし、私の得意な分野ではないけど、担当の別荘に行く前に「オバケがでるらしいよ」と脅かされたり、ホテルの厨房で鹿のツノを洗ったり と、予測できないことが起きるから、仕事というのはもらうお金以上に生活としてあった方が楽しい。単発バイトって、どれも体力勝負だし、出勤時の気分はすごく「ガチャ」って感じだけど。ガチャってまだ たとえで使うかな。私は使ったけれど。ああ。早く仕事したいな。
仕事がしたい と書くと、(私みたいなひとは)「たまに仕事をして、詩を書くだけの生活をしたらいいのに」と言ってくれた何人かのひとの声がよみがえる。過分なことだと思う。汚れたものを綺麗にするのは目に見えて人の役に立っている感じがいい。美しい言葉が書けたとして、美しさは汚れたモップ一本よりもずっと無力だ。でも、言葉の無力さも世の中も何も恨みたくないから。
12月、東京の文学フリマに出られることになったし、来年、初めて歌会の司会をするし、とてもかっこいい絵を描くひとと展示をする約束がある。どれも短歌がくれた予定だ。仕事をたくさんして、いろんな人と言葉で遊びたい。