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(ほぼ)水漏れしない3Dプリントノウハウ
3Dプリンタで水漏れしないカップを作りたく、色々調査検証してうまく行ったので、ノウハウをここにまとめておく。
タイトルの(ほぼ)というのは、今回作った造形物ではうまく行ったが、どんな造形物でも水漏れしないということは保証できないので、エクスキューズしているだけ。
今回作った造形物は、1Lの水が入る円柱状のカップである。
忙しい人向けの今回の結論としては、
防水向けのプリント設定でプリントしよう。
水が触れる面に防水塗装をしよう。
という感じで、簡単に書くとそれはそうだよなと言う感じの記事である。
基本プリント設定
Prusaのサイトに水漏れしないプリントというページがある。筆者はPrusaMK3Sを使っており、基本的なプリント設定はこれに則った。
以前、小さな造形物ではあるが防水の造形物をこの設定で作ってその時はうまく行ったので、これで行けるだろうと思っていた。ちなみにその時作ったものは下記のマイクロポンプのキャリッジ。ピエゾ素子をサンドイッチするようなものを上記のプリント設定で出力した。
マイクロポンプと、今回の1L水が入るカップはどちらもRepRapperの透明PETGで出力した。
この設定でカップを出力して、水を1L満杯まで入れて見たところしばらくは水漏れがなかったが、数分放置していたらダバダバ水が漏れてきてしまった。
前回のマイクロポンプのときはキャリッジの中に入っている水は数mlでしかなかったのでうまく行っていたが、今回は1L水が入っているため、それだけ水圧がかかっていて水漏れしてしまったのだろう。特に底面に強い水圧がかかっていて積層の隙間に水が入り込んでしまったのだと思う。筆者は高校時代生物選択だったので、雰囲気で水圧が底面にかかって漏れたのだろうなと思っていたが、物理的にもそうらしい。
表面に塗装をする
色々調べた結果、水が触れる面に防水塗装をするのが、安全で簡単に水漏れが防げそうだとわかったため、下記のブログ記事を元にプラモ用の水性防水塗料を買って筆で三度塗りした。
多分これだけで大丈夫だと思うが、絶対水漏れしたくなかったためクリアラッカーで三回くらい追加で塗装した。
乾燥を待ったあと、1Lの水を入れてみて8時間以上放置しても一滴も漏れていなかったので、これで(ほぼ)水漏れしないカップを作ることができた。
話は逸れるが紙コップも内側の表面に防水塗装がされているようである。紙だけで作られていたら絶対水漏れするし、言われればそうだなと言う感じである。
その他のアプローチ
今回は表面に防水塗装をするというアプローチで実施したが、他のアプローチとしては、表面を溶かすというアプローチもありそうだと言うことがわかった。このアプローチを家で試すのはちょっと怖かったので塗装アプローチで試した。