新しいことを生み出す組織の作り方-担当者の孤独編-
こんにちは。
『OoO』とかいて『おー』と読みます。どうぞ宜しくお願いいたします。
OoOは、新しいことに挑戦したい大手企業や自治体に向けてトレーニング・ワークショップ、年間プログラム、共創イベント等の企画・運営や、社内での事務局の立ち上げ・運営サポートなどを行っている会社です。
様々な大手企業の新規事業部やその他の部署(デジタル推進、知財、人事、開発、経営企画)、そして自治体と対話を行う上で、多岐にわたる課題やそれに対する改善策についてディスカッションする機会がとても多いのですが、対話することで掴んだ課題と、それに対して「こんな視点を持てば解決できるのではないか」といった新たな視点についてお話ししています。
第一回、第二回の記事でもお伝えしましたが、大手企業とディスカッションする上で、様々な課題をお伺いします。
本記事では、上記の課題を解決するために社内で学びの場を形成している際に感じる課題や、自分自身が新規事業を行う際に感じる課題など「担当者の孤独」というテーマに関して、「広く、薄く、段階的に巻き込む」視点があれば解決できるのではないかといった内容でお話しします。
担当者が持つ”孤独”とは?
新しいことに挑戦している方と話をしていると、よく伺うことが「担当者が感じる孤独や負担が大きい」といった内容です。
例えば「内製化された学びの場を作ることを指示されたが、既存業務がある中で負担が大きい」「主体的に自分達で学びの場を小さく濃密な会として作ったが、上司の目に留まり、他の部署も含めて大規模で主催して成果を出してほしいと言われた」「新規事業を行っていると周りの部署や上司の理解を得ることが難しい」など、負担や孤独に対する声が非常に多いです。
内製化された学ぶ場に関しては、やって成果が得られないのではないかといった不安もありつつ、時間もない中で行わないといけないわけですし、正解がない中で自分達で試行錯誤しながら物事を進めるには負担も大きくなることは当然です。
そして、自分自身がプレーヤーとして新規事業を行うにあたって「成果」を出すためには、挑戦する数も必要ですし、中長期的な目線も企業によって異なるのでスピードも大事です。
どちらも担当者のリスクは大きいですし、この先自分はどうなるんだろうとか、全体におけるプレッシャーなども負担になったり、新しい挑戦なので、事業内容を言語化できない時期なども、説明できないことから、結果として協力してもらえなかったり、仲間が見つからないなど、支援を得られないことから孤独につながることが多いとお伺いする機会が多いです。
このように社内で何か新しいことを行う際に、人が関連する部分で負担に感じることは往往にしてよくあることです。
この「担当者の孤独」を解決するために、「広く、薄く、段階的に巻き込む」視点を持つことで解決に近づくと考えています。
「広く、薄く、段階的に巻き込む」視点
まず内製化された学ぶ場で、「広く、薄く、段階的に巻き込む」ために、事務局立ち上げ段階から参加者を次の事務局メンバーにするための仕組み(世代交代を見据えたコミュニケーション)を意識することが重要です。
具体的に、その場の意味と目的を言語化し、参加者へ周知すること。各コンテンツがその意味と目的を毎回達成するために必要な要素であると納得させることが重要です。(ストーリーラインの構築)
その為には、毎回意味と目的を伝えるための細かいコミュニケーションが必要で、担当者は毎回語れるようになる必要があります。
次に、新規事業を行うプレーヤーの負担を小さくする為には、プレーヤー以外のサポーター人材を増やす努力が会社全体の取り組みとして重要であると考えます。
実際に手を動かすことは難しくても、声に出して応援してくれる人がいると、プレーヤー本人は安心して取り組めますし、応援の輪が広がると、プレーヤーの取り組みに苦言を言い出す人も減少します。
人は、周りで評価されているものがよく見えるといった一種の判断基準を持っていますし、その輪に自分も入りたくなるといった心理がよく現れます。
挑戦し続けるために必要な”サポーター人材”を増やす3つのコツ
サポーター人材を増やすコツは3つあります。
①最初のキーマンを見つけ出し、巻き込む
社内で、この人が言うと信用が得られるとか、この人はキーマンである。といった人が1人はいると思います。まず、その1人を巻き込むための行動を起こすことが重要です。
最初からターゲットを広く持つと、それだけ巻き込める精度は低くなるので、最初は1人に絞ってコミュニケーション戦略を練る必要があります。
数人候補がいた場合は、その人の周りにいる人材の手札をそれとなく意識してください。
②巻き込むためのストーリーを作る
第二回「新しいことを生み出す組織の作り方-言葉のハードル編-」のAmazonやAppleの話でもそうでしたが、これからの時代、物事の付加価値はストーリーで決まります。特に未来を描く力(ビジョン)と、それをストーリーにできる力があると、相手を巻き込みやすくなることがわかっています。
(ビジョンには、定量的な部分【数値】、定性的な部分【社会的な部分】が必要です)
このビジョンは対象によって伝えるべきポイントを少しずつ変えていくことがポイント。
人によって数字の部分が強めがいい人、社会的なビジョンが強めがいい人、とにかく面白そうなことに耳を傾けてくれる人など色んなタイプがいます。
③”誰が”を意識する
最初のキーマン以外の人を巻き込む場合に有効な手としては、このプロジェクトに”誰が”賛同しているのかを明確に伝えることです。この場合の”誰が”は人でもありますし、会社や団体なども当てはまります。
古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスの原理から、人はまず”誰が(信頼)”言ったのかという部分が一番重要で、次にどんな”論理”の話で、そして”共感”で伝えることが重要だと考えられています。
ここまでの話は、内省された学びの場や新規事業のプレーヤーであっても、どの担当者にも必要な要素だといえます。
さいごに
OoOでは、「広く、薄く、段階的に巻き込み、さらに成果を出す」ためのワークショップや年間プログラムの企画・運営、そして事務局の立ち上げ、運営サポート支援なども行っています。
ただ成果を生むだけでなく、次も成果を出せるために周りを巻き込みながら風土も作っていくことをOoOでは意識しています。
これまでの実績は下記からご覧ください。
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