ウーユリーフの処方箋感想(全編ネタバレ有・特スト未読)
今日…いや昨日ですか、昨日の朝にウーユリーフの処方箋の7章がすべて終わったんですよ。まあ前評判通りにメンタルやられるぞー!!って警報常に鳴らしながらやってたので思ったよりダメージは無かったし、ラストに関しては完全に読み通りだったのですけど、このゲームちょっと舐めてたところありまして。
7章までやりきったわたしを待ってたのは絶望でも、ダメージでもなんでもなくて「虚無」だったんですよね……。途中まではすごくおもしろかったんです。マツリもキリオもノゾミもカナタもミトも、ミーハーもヒロインもリストラロボもロボPもイコモツも、他のロボたちもみんなそれぞれが魅力的で歪な世界観を何とか支えている感じというか、不安定さというか。わたしは歪なものに魅力を感じるタイプの人間なので、それはもうあのなんとも言えない気味の悪さというんでしょうか、ドキドキ感がたまらなく好きでした。イコモツの中からキリオが出てきたときは悲鳴上げましたけど。じわこわホラーは好きですが、ビックリホラーは苦手です…。ちなみに三筒さんの時も悲鳴あげました。例に漏れず。
で、何が虚無だったのかはいまいちまだ言葉にならないというか整理しきれてないのですけれど、「置いてけぼり」感が強かったと言いましょうか。ラストレジェンドの面々と、マツリ達、ロボ達の関係性は大体名前から推測が立ちました。くどいぐらいにあれだけ「逆再生逆再生」言われてりゃ、逆再生します。大半のユーザーも気づいたはずです。
でも、後ろに中身がいるのはマツリとミトだけだった。こういうVRというかゲームの世界に入り込んでしまう、という話で、私が一番最初に思い出したのは「クリス・クロス」という小説でした。電撃文庫の。わたし、電撃文庫で読書感想文を書いた過去を持つ女です。それぐらい好きなお話でした。簡単に言えば、ゲームの中に入ってプレイするタイプの(今でいうとSAOとかがそうなんでしょうか?あまり見てないんですけど)ゲームの中に取り残されて、なんとかそこから脱出しようとするお話です。途中で現実に一度戻るんですけど、本当はそこもゲームの中で。ゲームの中では嗅覚が無い。それを身をもって教えてくれた女剣士が居て、なんやかんやあってラスボスを倒して現実世界に戻ってくる。説明が雑ですみません、かれこれ大分前に読んだきりなもので、詳細に語ると記憶違いが多そうで…。
で、この戻ったと思ったらまだゲームの中でしたー!っていうのはちょっとクリス・クロスに似てるものを感じました。だからなんだって話なんですが、それだけです。
正直、誰も居なくなったTOP画面がとてもつらいです。顔を覆っているキリオだけになってしまったあの時の胸の痛みも、忘れられません。
でもそんな彼も、ヒールユープロジェクト…律円果を救うためのゲームのNPC。あの悲痛な叫びも、思いも、円果を救うための演出。中身が和香くんだったミトはともかく、ノゾミとカナタもほかの参加者をもとにいろいろ計算して「演じられた」キャラクターなのですよね。わたしが別のゲームで推しとして愛してきたキャラクターも計算されたプログラムというかシナリオありきですが、当然非実在のキャラクターですからそれが当たり前なのです。彼らは自律して思考しない。与えられたシナリオに沿って動くキャラクター。そんなのは当たり前の事です。だから別に、キリオやノゾミやカナタがNPCだといわれてショックを受けているわけでもないのです。
奪って奪われて 嫌って嫌われて 使い捨て使い捨てられて 僕らを笑うこの世界は、ゲームの世界のことではなく現実世界のことですよね。出来レースとなったラストレジェンド、三筒Pの意向によって切り捨てられたキリオ、もといトモキ。脚本に祀り上げられた、マツリもとい円果。
そう、この現実世界は彼らにとって「まだ」何も変わっていない。7章というストーリーを経ても、消費された現実も、使い捨てられたことも、「まだ」シナリオ通りであることに変わりない。むしろ再確認しただけ。なんて酷いアイロニー。
ここから現実世界の彼らがどう変わっていくかは、特ストで語られるのでしょうか。わたしはそれが楽しみな反面、ちょっと怖いです。だからまだ読めてませんし、まだもう少し時間がかかると思います。
ちなみにわたし、キリオとノゾミが好きでした。エンドレス揚げ物食べてるノゾミの嬉しそうな顔はとても可愛かったです。キリオとカナタの社会人コンビのかけあいも好きでした。だから確かに彼らはそこに居たし、今でもみんなで可愛く廃墟行ってるし、そういう意味では本当にわたしダメージ受けてません。
ただどうしてもTOP画面がね…寂しいというか。ウーユリーフの処方箋はその役目を終えたのだから、当然のことなんでしょうけれど…。
何が言いたかったのかまとまんないな…。もし、この波に乗り遅れた感想でも読んでくださる方がいたら嬉しいなあ。
あとは特スト買ったらまた改めて感想書くと思います。
もしこのネタバレ満載の文を読んで、これからウーユリーフを始める方がいらっしゃるならば、わたしはこのゲームはマツリ、キリオ、ノゾミ、カナタ、ミト。誰かに愛着を持って、はじめて完成するゲームだと思っています。だから恐れないで、好きなキャラをたくさん愛でてほしい。NPCだから、虚構だから、存在しないから、愛さない理由になりますか?使い捨てされる前提のキャラだからこそ、だからこそ。
愛して、愛して、考えてあげてください。
わたしたちにとってのキャラクターの存在意義を。