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リーダーを育む教育〜現代社会において、真のリーダーとはどのような人物なのか。〜
0.紹介
私の今通っている高校での公共の授業では、長期休暇に課題図書を読み、先生からの問いにエッセイ形式で答えるという宿題が出る。私はそれに全身全霊をかけてその課題を行なっている。
今回は、西水美恵子氏が著した「国をつくるという仕事」という本を選び、エッセイを書いた。なかなか良いものが書けたと自負している。
(概略)
私は、本書に登場する優れた指導者たちの姿から、リーダーに必要な資質とは、単なる知識や能力ではなく、社会との深い関わり合い、奉仕の精神、そして熱い情熱であると気づかされました。 ここでは、リーダーを育む教育のあり方について、社会経験、奉仕精神、そして熱意という3つの重要な柱を軸に考察していく。
1.優れた政治家・リーダーとはいかなる人物であるか
本書に登場する優れた指導者たちは皆、草の根を歩き回り、社会に虐げられている本当に弱い者たちと寝食を共にしていた。私は彼らのこの姿勢と熱意に深く感銘を受けた。この本を読むまで、リーダーがこれほどまでに努力を惜しまず、実際に人々と触れ合いながら社会問題に向き合うものだとは想像もしなかった。これまで、私が抱いていたリーダー像は、どこか遠くの高みに立ち、指示を出すだけの存在だった。しかし、西水氏の主張に触れる中で、真に優れたリーダーは、民衆と同じ目線に立ち、彼らの声を直接聞き入れることで、社会が抱える問題の酷さに心から共感することのだという新しい視点を得ることができた。「指導者」という言葉の意味が、より深い次元に広がったと感じる。
西水氏によれば、草の根を歩き回ることで、社会が抱える問題を頭だけで理解するのでなく、ハートでも理解できるという。リーダーが民衆の声を直接聞き、彼らと同じ空気を吸い、同じ痛みを感じることで、ただ書類の上で数字としてみるだけではわからない「実感」を得られるのだ。こうした実感こそが、リーダーとしての覚悟を固め、改革への勇気を後押しする原動力となる。このような経験がなければ、リーダーシップは単なる空虚な理論に終わってしまう。リーダーは、草の根を歩き、民の声を肌で感じる経験があって初めて、現実の問題に真摯に向き合い、その解決に全力を尽くす覚悟をもつことができるのだ。これは、彼らのリーダーシップをより強固なものにした。このようなとき、人々を幸せに導く、素晴らしいリーダーが生まれるのだ。
さらに、他者への奉仕の精神もリーダーにとって非常に重要な要素だ。リーダーとは、決して自分の利益を追求するために存在するのではなく、民衆全体の幸福を追求するために存在するべきものだ。しかし、この奉仕の精神が欠けているリーダーが誕生した場合、政治の場は私利私欲が渦巻く場所と化し、リーダーはひたすらに保身に走り続け、自己の地位を守ることにのみ終始するようになるだろう。もし、このような状況が続くと、政治は民衆へのパフォーマンスの場に過ぎなくなり、本当に民衆が求めている政策は実行されなくなる。結果として、自己中心的な政治がもたらす負の影響は、最も貧しい人々に深刻な打撃を与え、国全体が貧困・不幸に陥ることになるだろう。
一方で、本書に登場する優れた指導者たちは、民衆の本当に求めているものに共感し、的確にとらえ、彼らの声を反映させた政策を展開していた。これらの政策は、多くの貧しい人々を幸せにし、国全体が豊かさを享受できるものばかりだった。
彼らのリーダーシップが成功を収めたのは、彼らがお膳立てされた民衆の声を単に聞くのではなく、民衆のつらい生活の中に入り込み、彼らの生活や苦しみを自分のものとして感じ、そのうえで政策を立案し、実行に移したからだと推察する。こうしたプロセスを経て初めて、リーダーは真の意味での共感力を発揮し、民衆に寄り添うことができるのだ。
また、リーダーとしての素質は先天的なものではなく、後天的に養われるものだと考える。リーダーシップには、環境や経験が大きな影響を与える。強い意志を持ち、自らが率先して行動し、他者に奉仕する心を持つことが重要だ。優れたリーダーシップは環境に応じて自らを成長させ、民衆と真に、ともに歩む姿勢から生まれるものである。
まとめると、優れた政治家・リーダーとは、共感をするための努力を惜しまず、また他者への奉仕の心を持つ人物だと考える。一般的にリーダーに求められる素質は数多くあるが、本書を読む中で、最も重要なのは自らが「共感」を得るために行動し、熱い気持ちを持ち、その気持ちをもとにして他者に奉仕することだと感じた。リーダーとしての素質は最初から全員に備わっていない。それは当たり前のことである。しかし、リーダーになりたいという強い意志や、環境を変えたいという情熱を抱かせることが、リーダー育成には不可欠だと感じる。
次章では、1章でのリーダー像に近づくことのできる教育を考えていく。
2.このような人物に日本の高校生を育てるにはどのような教育が必要か
このような人物に日本の高校生を育てるためには、「共感力」「奉仕精神」「熱意」のこの3つの要素を身に着けることが大事だと思う。日本の高校生に「共感力」「奉仕精神」「熱意」を持ったリーダーに育てるためには、従来の教育を超えて、より実践的で深い経験を提供する必要がある。これらの3つのテーマは、リーダーシップを発揮するために不可欠な要素であり、単なる知識の習得にとどまらず、生徒たちが自分の成長を実感し、自信をもって社会に飛び出していける人材を育てるための基盤となるだろう。
まず、「共感力」を育む教育についてだ。共感力は、他者の感情や状況を理解し、他人の視点から物事を見る力だ。これは、前述したようにリーダーとしての不可欠な資質であり、異文化交流はその力を育むために有効な手段であると考える。異なる文化や背景を持つ人々との交流を通じて、生徒たちは自分とは異なる視点や価値観に触れ、その結果として他者の立場に立って考える力を養うことができる。
例えば、私の高校に海外の高校生を呼び、日本文化を紹介するという活動があった。自分も剣道部として、日本文化の発信の一端を担わせてもらった。オーストラリアの高校生と剣道で交流することができたのは、非常によい経験であった。剣道の動きを説明する際、英語を用いる必要があり大変だったことや、その動きがオーストラリアの高校生でもわかりやすく理解できるように伝えようと考えて、伝えることに成功できたのは自分自身の糧となっている。また、実際に、同年代の海外の人と話すというのは初めての経験であり、とてもためになった。こうした教育は単に、知識を伝えるだけでなく、高校生たちの心を広くし、人格形成に大きく寄与し、将来のリーダーとして必要な心の広さを持つ人物へと成長させることができる。
つぎに、「奉仕精神」を育む教育についてだ。リーダーは自己の利益を超えて、社会全体の幸福を追求する存在でなければならない。この奉仕精神を養うために、学校内外での奉仕活動を積極的に、取り入れるべきだ。単に他者を指導するに限らない、社会に奉仕し、全体の幸福を追求することを求めることを行いたいと思う。親の手伝いや、グループワークをすることで、自分の時間を他者のために使う経験を積み、もっと奉仕精神がベースになる人間を育てるべきと考える。家庭内での親の手伝いや、学校でのグループワークは奉仕精神を育む機会として有効だ。これらの経験を通じて、生徒たちは自らの行動が他者にどのような影響を及ぼすのかを知ることができ、将来的なリーダーとしての影響を与えることができるのだ。
最後に、「熱意」を引き出し、それを行動に移す力を養う教育についてだ。高校生のうちに、自らの熱意を見出し、それを実現に向けて具体的な行動に結び付ける力を育てることは非常に重要だ。そのためには、生徒たちが自分の情熱を持って取り組むことができる場所を提供する。さらに、社会問題の声を実際に聞くことも有効だ。例えば、貧困問題に取り組むプロジェクトに参加してみてはどうだろうか。このプロジェクトを通じて、生徒たちは社会の現実に直面し、なんとか、問題を解決したいと渇望する。そして、問題に対して自ら行動を起こす力を養うことができる。こうした活動を通じて、生徒たちは自らの熱意を発見し、それを社会貢献へとつながる力を身に着けることができるのではないか。
これら3つのテーマを達成するために、最も重要なのは、社会経験を積むことだ。生徒たちが実際に社会に出て、現実の問題に触れることで、彼らの心は大きく成長する。このような経験は、彼らのリーダーとしての資質を高め、社会に対する責任感と使命感を醸成するのに役立つだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この本を読んでみたいと思った方は以下のリンクからぜひ。素晴らしいリーダーが日本からたくさん出てくることを望み、私もその一員となれるよう努めたい。