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近所のインドカレー屋

昨年末、近所にインドカレー屋ができた。
メニューは南インドのカレーが主なようだ。

一昨年にエリックサウスでミールス(南インドのカレー定食)を食べてから、すっかり南インドカレーにハマってしまった私。近所に南インドカレーが食べられる店ができたことに狂喜し、何度か通っている。このカレー屋はミールスはもちろんビリヤニもフワフワで美味しいのだ。エリックサウスのようなチェーン店ではないのも通ぶれるので嬉しい。

カレー屋はいつも暇そうだった。席はテーブルが10席ほど。だいたい客は自分だけ、たまに他に1組いる程度。
インド人(?)の店員はレジでスマホをいじってYouTubeを見ていたり鼻歌を歌っている。
たまに水のお代わりを注ぎに来ては「(味は)どうですか?」と聞いてくる。
日本人の店だったら絶対に有り得ない光景が気に入っていた。

とある日にカレーのビュッフェをすることをインスタグラムの投稿で知った。南インドカレーのビュッフェなんて夢のようだ。行くしかない。

意気揚々と寒波の中カレー屋に行く。
失礼だが今日もガラガラだろうとタカをくくっていた。
しかしカレー屋のドアを開けると普通に混んでいる…。自分たちの後にもどんどん客が来てついには満席になった。テーブル席しかなかったので、おひとりさまは相席させられていた。その混み具合に驚きと嬉しさと少し切なさが混じった感情を覚える。推しのインディーズバンドがメジャーデビューして有名になってしまった人もこんな気持ちなのかな。
「今日はバイキングです…どうぞ…」とはにかんでいるインド人(?)の店員に言われ、カレーを取りに行く。

カウンターにはサラダ、カレー、米などが並べられている。カレー好きにはたまらない光景!
サンバルもビリヤニもパパドもナンも名前の分からん揚げ物も食べ放題!カレーも4種類ほどあった。大きな銀の皿の上に小皿を乗せ、自分のカレープレートを作る。

渾身のカレープレート。綺麗に盛れた。

まずはサンバル(写真の1番左の小皿、日本での味噌汁的なポジションらしい)を一口。優しい味だがしっかりスパイスを感じて美味しい。バターパニールカレー(1番右の小皿、パニールはインドのチーズらしい)もまろやかで最高。パニールは少し乳臭さを感じたが、他のカレーと混ぜると気にならない。豆のカレーやキーマカレーも食べた。バスマティライスはクセが無くフワフワで、カレーとよく絡む。徐々に色々なカレーを混ぜていく。ひとつひとつのカレーはあまり辛くないが、混ぜていくと辛くなってくる不思議。混ぜれば混ぜるほど味に奥行きが増す。まるで人生のようだ。ミールスは人生で、これを食べることは自分との対話なのだ。

いつもスマホをいじっている店員も今日はせわしなく料理を運んでいる。隣の席で相席させられていた人たちも仲良くなったようで、会話に花が咲いている。そのコミュニケーション能力が羨ましい。

おかわりもしてお腹いっぱいになった。ピーナッツバターのようなもの(名前は忘れた)をシメに食べた。インドのスイーツは激甘なイメージがあったが、これはあまり甘くなかった。

南インドカレーをお腹いっぱい食べる幸せよ。レジ横にあったインド版フリスクみたいなもの(名前知らない)を最後にいただく。お会計を済ませると店員が両手を合わせて「ありがとうございました〜🙏」と見送ってくれた。たまにカタコトで何を言っているか分からないが、いい店員さんたちだなあ。インドに行きたくなる。

インドは疎か海外旅行にも行ったことがない私だが、インドに行きたいなあ、あわよくばバックパッカーになりたいなあと思いつつ店を出る。

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