自分が好きな音楽たち(21世紀編)
それほど前でもなくそれほど昔でもないある時に、突然それまで聴いてきた音楽全部にすっかり飽きてしまい「困ったな…」ということがありました
耳馴染みのあったこの手はやっぱり好きで何度再生したかわからないくらいでしたが、他にはあまりピンと来ず
ふと聞こえる小鳥の声やカエルの合唱でも幸福な気分になれるので、別に音楽を聴かなくてもいいかと感じたりもしたものの、ずっと信頼していた「選曲家」の方々が紹介するものから現在進行形の音楽を見つけていく日々が続きました
かねてより趣味のよさを感じさせてくださった音楽評論家の渡辺亨さんは、
『世界の快適音楽セレクション』の
選曲を担当されているお一人で、以前からセンスがよいなぁと尊敬してきたお一人です
10代の頃からずっと音楽に関しての自分の水先案内人だった高橋健太郎さんも同じで、
感度の高いこの方に教えていただいた「アメリカーナ」の新しい動向や、
西洋音楽を習得しながらいろいろなジャンルを含ませて、豊穣な音楽をつくっていたイシス・ヒラルドを知ったことはかなり大きな出来事でした
ほぼ同じタイミングで柳樂光隆さんの名前をお見かけするようになり、ジャズも面白いことになっていると教えていただきましたが、この記事は彼女の音楽の魅力をよく伝えている素晴らしい内容ですね
西洋音楽の素養がありながら自らの感性でジャンルに縛られない自由な感じがとにかく新鮮でしたし、柳樂光隆さんの紹介により現代のジャズシーンに導かれていった時期とも重なって大いに刺激を受けました
なんとなく、しばらく離れていた橋本徹さんも『Free Soul』のシリーズでそうしたジャズを多く取り上げておられました
『Cafe Apres-midi』でクラシック音楽のコンパイルをリリースしているのを見つけて、ここまで幅を広げておられたんだと興味津々でCDで全て購入し、
ここにもApres-midiの感覚が間違いなくあることに気づかされ、この希代の選曲家の耳の確かさを再確認させられました
自分が知らない間に、橋本徹さんが手がけたコンパイルが多岐に渡ったものになっていき、それらが数多くのCDやプレイリストにまとめられているのを眺めながら尊崇の念すら感じて、フィジカルのものを少しずつ買い進めていきましたが、中でもチル・アウト系をまとめたこのシリーズとか、
スピリチュアル・ジャズと言っていいのかどうかはともかく、このシリーズは全部CDで買ってます
アナログレコードやCDならではの詳細なライナーノーツは、ストリーミングで聴き流すに留まらず更に自分の視野を大きく広げてくれるので、気になったらならばCDであっても手元に置いておくのは悪くないんじゃないと思うんですけどね
これもまた全アルバム全編すべて素晴らしい内容だったのに、
最終的にアルゼンチンにまで行き着いたことを示すシリーズ最後のコンパイル盤には感動すら覚えました
サバービア・スイートとして始めた活動を『Free Soul』として世に問うて以降、日本の街や人々が暮らす部屋の音の風景を全然違うものに変えた方がここまで真面目に追及して続けていたんだと
アルバムに関して自ら語っておられるのがこちらですが、
対談の中で「ネオ・クラシカル」という言葉が出てきており、先述した「アメリカーナ」とともにそれまでは見えにくかった新しい光景を教えていただきました
ピーター・バラカンさんの案内で構成されたラジオ番組をほぼ毎回のように聴き始めたのもこの時期くらいからで、
アングロ・サクソンの人ならではの世界観がお有りで、ビートルズあたりからリアルタイムで全てを経験しながら、たまたま来日して以降はYMOのメンバーとも深く関わったりしてきた方なので、ちょっと異なった角度で世界中の音楽や古い音楽を伝えてくださいます
ずっとあまりピンと来ないままだった日本のポピュラー音楽でも、サチモスには「参りました」というよりなかったですし、
シティ・ポップと今では当たり前に呼ばれて親しまれている、かつての日本人がつくってきた洒脱な音楽の評価が海外で高まるとともに、そこに新しさを見つけて活動する日本の現役ミュージシャンの人たちと共に、なんだかワクワクさせられ始め…
時を同じくして、少し悪ノリ気味で「ヨット・ロック」と名付けられて話題になった音楽にも共通するものを感じながら、ホール&オーツはどれほど趣味が変わってもずっと好きだったので、そうしたコンテクストで再評価されるのも大歓迎でした
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一方でJポップの中にもスピリチュアルなものを感じされるこんな曲や、
一般にはスキャンダル報道が大き過ぎたものの、何かこれまでとは違う印象を受けた川谷絵音さんにも感じるものがあり、
ラジオ番組もなかなか面白くて、いろいろ聴いているんだなぁと思わせてくれました
横目で見るにとどめてきたKポップも、
これはただのお笑いではなく、音楽も映像もよくできているよなと感心したところに、
🇺🇸🇬🇧の作品以外で史上初めて米アカデミー作品賞(最高の賞ですよ)を受賞したと知らされて驚愕したポン・ジュノさんが監督した『パラサイト』を観に行くと確かに社会派でありながらしっかりエンタメでもある完成度の高さに唸らされ、しかもカンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドールとのダブル受賞という他に例のない快挙を達成したと知らされて、
すごいことになったものだと驚いたところに、洋楽邦楽問わず一発で別格級に耳に残ったのがBTSの『ダイナマイト』だと知り、
もはやKポップはアイドルが完璧なダンスを魅せるだけのものではないとつくづく感じていたところに
2018年の米津玄師さんの『Lemon』を皮切りに、YOASOBIやadoさんといったボカロP界隈から出てきたミュージシャンや藤井風さん、King Gnu、Official髭男dismといった、それぞれに才能も個性も豊かで明らかにこれまでのJポップとは感触が異なる人たちが続々と出てきて、それはこの先大化けする予感しかしないものでした
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明らかにすごい人たちなのに、世代の差を超えて最初にグッと来たのは、この頃のヒゲダンでしたが、
その後のJポップの充実ぶりは増す一方ですよね
人気や認知度に関係なく、それぞれに面白いよなぁといろいろ聴かせてもらってます🙂
ほぼ時を同じくして坂本龍一さんに導かれるように、クラシックが「こんな感じなのかな…」とわかってきたように思い始めて、その後は村上春樹さんのこうした素晴らしい書籍で更に新鮮で異なる聴き方として教えていただき、
(できれば紙の本で持っていたいものだと思います)
YouTube配信者ならば、「本当に好きなんだなぁ」という楽しさが溢れているこの方から始まり、
在ドイツで活動されておられるオペラ歌手の車田和寿さんの解説がしっくり来たりして、
まだまだ未熟モンですけど、その分楽しみも沢山残っているという感じで楽しんでいます😌
それでも今一番気になっているのは、アメリカーナという枠組みに入るのかどうかはともかく、
ネオ・クラシカルなんだろうけど、キューバン🇨🇺の薫りも合わせて感じさせてくれる
あたりです
そういえば、明日は月に一度の一番の楽しみである『村上RADIO』が待ってますねー
少し過去を振り返ると、星野源さんはこの曲で初めて知ってすっかりハマってしまっていたし、
リョクシャカのこんな感じもとても楽しかった
アイドルだからと下に見てはダメですよと教えてくれたこちらも、今でもたまーに聴いたりしますよ
更に遡って、当時は仕事に集中していて存在すら知らなかったこの方たちのこちらも、
当時から根性入っていたこの方のこれも名曲やと思います
どれもどうしようもなくウキウキさせてくれる曲なんですよね
こういう感じはもうなんの理屈も抜きで好きです
藤井風さんが大ブレイクした年に毎日のようにいろいろなJポップを聴いていて、中でも繊細で完成度の高い音つくりやフックの効いたフレーズやワードが印象に残ったのが宇多田ヒカルさんでした
もはや世界標準やなぁと言うよりなかった
先に触れた橋本徹さんは小沢健二さんや小山田圭吾さんらと同じような音楽経験をしてきた方だと感じます
今でも現役感覚で新しい音楽を探し続けているのはやはり素晴らしいと敬服するよりありません
オザケンさんが大ブレイクした頃はとにかくワクワクキラキラしていて、この動画で伝わるかどうかわからないんですけど…、
『LIFE』完全再現を果たしたライブが昨年にざわざわと話題になり、世代を超えて絶賛されていましたけど、それはそうなるよなと納得するよりないですよ
時々視聴するたびに思います