子犬になりたい
狼のそううんが来たばかりの頃のお話しです。
当時、龍のれおんのお気に入りの格好は、白いタイツにフリルの付いた丈の短いかぼちゃパンツ、赤いマント、頭には金色の小さい王冠を乗せたかわいい王子さま!
そんなれおんを毎日見ていたそううんは、少しずつフリルの付いた可愛い服装が好きになり始めました。
私の所に来たばかりの頃のそううんは、人間の姿になる為の学校に通うまで人間の姿になる事ができなかったのでいつも小さい狼の姿で私とずっと一緒にいました。
(実は、れおんもそううんも大きくなったり、小さくなったり自由に出来るのですが、れおんの場合は、小学校低学年位の身長。そううんは小型犬の子犬位の大きさでいつも過ごしています。)
そううんと一緒に街を歩いていると、たまに子犬を見かける事があります。
その子犬の飼い主に「可愛いですね。」と話しかけている人がいると、【可愛い】という言葉に敏感なそううんは、必ずピンク色のフリフリレースの付いた首輪を自分ではめて、ピンク色のリードを私に「はい☺️」って嬉しそうに渡して来ます。
それからその子犬の飼い主と飼い主に話しかけた人に向けて、精一杯可愛い顔😚を作り自分の方が可愛いとアピールします。
「どう?🤗ぼくの方が絶対に可愛いでしょ?😎」
とそううんは子犬とも張り合います。
しかし、その人達にはそううんの姿が見えていないので、いつもスルーされてしまいそううんは落ち込んでしまいます😱
またある時は、ボールを投げて取ってくる遊びをしている犬がいれば、一目散に走って行って一番にボールの所へ行き、その犬よりも自分の方が可愛くて賢いと可愛い顔をして一生懸命周りにアピールします。😘
でもそううんにはボールを取る事が出来ないので、ボールを投げたその犬の飼い主の所へ走って行き、そううんが一番可愛いと思う🤗ポーズをして飼い主にアピールをします。
そしてそれに飽きると私の所へ戻って来ます。
また、テレビを見ている時に子犬が登場し、それをスタジオにいる人達がVTRを見ながら、子犬の事を可愛いと言えば、
「じゃあ、今からぼくの名前はトイプードルね🥰」
と可愛いと言われていた犬種に名前を変えたり、可愛いと言われた子供や子犬に張り合っていました。
それから数ヶ月が経ち、そううんが人間の姿になる事が出来るようになると、れおんと同じかぼちゃパンツの王子さまスタイルが大好きになりましたが、すぐにフリフリのレースやドレスの方が王子さまこ姿よりも好きになり、今ではお姫様の格好が大好きなそううんへと成長しました(笑)
一時は、立派な狼を目指すのではなく可愛い子犬になる事を目指していたそううんだったのでどうなる事かと不安でした。
しかし、しおんが知り合いの狼に頼み、そううんの師匠になってもらう事が出来たので、
そううんは、❰狼の姿の時は格好良く、人間の姿の時には可愛いく❱
をモットーに修行を頑張っています(笑)
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