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広報からチームを強くしていく。一橋アメリカンフットボール部の“覚悟”

一橋アメリカンフットボール部、通称CRIMSONの今シーズンのチームスローガンは“覚悟”。様々なバックグラウンドを持つ部員やスタッフが一丸となって昨シーズンの悔しさをバネに一部昇格を狙います。そんな部を支えるマネージャーのおふたりにお話を伺いました。


マネージャーの仕事は“支える”ではなく、“一緒に戦う”こと

▲主務の後藤詩絵里(ごとうしえり)さんと広報担当の藤田みのり(ふじたみのり)さん


一橋アメリカンフットボール部でマネージャーとして活躍する、後藤詩絵里さんと藤田みのりさん。ふたりの業務はSNSやHP・ブログの運用、差し入れの募集、グッズ作成、父母会やOB会の準備など多岐に渡ります。

藤田さん 「入部当初はとても大変でした。週に 5日練習、試合以外の日は授業やバイトと、休む間もなく活動してたので(笑)。でも、 “支える ”のではなく、自ら主体的になって “一緒に戦ってるんだ ”と思えたときから、この忙しい日々も楽しくなりました」

一橋大学は、公立大学のため、私立大学と違って未経験の選手がほとんどだと言います。そのため様々なバックグラウンドを持つ選手がグラウンドに集まり切磋琢磨しています。

後藤さん 「私自身、大学に入るまでアメフトとはまったく無縁でした。でも新歓のとき、先輩に惹かれて入部を決めたんです。イチから部をつくるというところにすごくやりがいを感じます。それはマネージャーの業務も同じことが言えると思うんです。

だからこそ、自分がいないと動かない組織では意味がない。『自分がいなくても、動ける組織をつくる』それが主務である私の大きな仕事だと考えています」
縁の下の力持ちのような存在で部を支えている。彼女たちが、広報面で一番力を入れているのはSNS運用だと話します。

こだわり抜いた情報発信でCRIMSONの魅力を伝える

▲一橋アメリカンフットボール部のInstagramとTwitter

一橋アメリカンフットボール部では、HP、Facebook、Twitter、Instagramの4つのチャネルを使い分け、部の魅力を発信しています。



藤田さん 「 HPは部員自らが書くブログ、 Facebookは公式の情報を発信しています。 Twitterでは試合速報をメインに投稿し、試合に来れない人が試合を見に来ているように感じてもらえる工夫をしています。また、リクルート活動にも使用していますね。 Instagramは、 “統一感 ”をテーマに、ハイライト動画や試合までのカウントダウン画像をつくっています」



後藤さんは各チャネルで効率良く使い分け、運用することで、CRIMSONを知らない人に魅力を伝えたいと言います。


後藤さん 「現在、グラウンドに来てくださる方の多くは、部員の保護者さんや OBOGの方です。もっと同世代の大学生や、『インスタを見てかっこいいと思ったから来ました!』というファンを増やしていきたいと思っていて……。そのために、様々な工夫を行っているんです。たとえば、実際に試合に出場したプレイヤーに協力してもらい、毎試合ハイライト動画をつくって Instagramに投稿しています。実際に試合に出ていたプレイヤーだからこそわかる “いいシーン ”を切り取ることで、より見てくれる人に CRIMSONの魅力が伝わったらいいなと思っています」

マネージャーだけではなくプレイヤーも協力して部の魅力を発信しているのが、CRIMSONの大きな特徴でもあります。多くの人が「CRIMSON」としての発信に携わるからこそ、気をつけている点もたくさんあると藤田さんは言います。

藤田さん 「 SNSでの情報発信の目的は、 “CRIMSONを知らない人に知ってもらう ”ことです。 CRIMSONのことを知らない人にメッセージを発信して、知ってもらえる機会をつくる。だからこそ私たちは、誰からでも応援してもらえるような広報を目指しています。
その中で注意していることは大きく分けてふたつです。ひとつ目は、相手チームへのリスペクトを忘れないこと。特に試合のときには、自分たちだけではなく、相手チームの広報にもなるということを意識して投稿するようにしています。

ふたつ目は、発信する情報の言葉遣いにはとても気をつけています。たとえば私たちは、部員全員の自己紹介ブログをホームページに掲載しています。その内容も私だけでなく、社会人のチームのコーチにも確認してもらってから公開するようにしています」

CRIMSONの“顔”となるSNSでの発信だからこそ、こだわりは強いのです。

試合の価値を高めるためにPlayer!を活用する

▲実際にPlayer!で速報を担当していた藤田さん


そんなCRIMSONとPlayer!が出会ったのは、2017年の冬でした。

藤田さん 「最初聞いたときは難しそうだなと思いました。でも実際使い始めてみると、すごく簡単でした。 Player!を速報ツールとして使うようになって、すごく便利になったなと思うところは、遠方の方に試合の状況をリアルタイムで伝えることができるようになったことです」



県外から大学進学を機に上京してきた部員が多いというCRIMSON。これまでも遠方の保護者さんに情報を伝える工夫はしてきたそう。




後藤さん 「 Player!を速報ツールとして使う前は、遠方の方向けに “広報誌 ”という形でゲームレポートを送っていたんです。それを試合のたびに送っていたのですが、どうしてもタイムラグが起こってしまうんですよね。

実際に試合会場にいても、ずっと試合を見ていることができないので、試合後に試合を見直してゲームレポートをつくるとなると、結果をお伝えするのが翌日とかになってしまうんです。試合の価値は、やはりリアルタイムにあります。 Player!を使うことで、それがかないました」

また、Player!内でファンの方からの反応があることで『自分たちの速報を見てくれる人がいるんだ』と改めて実感することができました。

藤田さん 「今シーズンから、 OBの方が Player!での速報を手伝ってくれるようになったんです。今までは得点しか入力できていなかったのですが、選手名や詳細なプレーまで入力していただいているので、試合状況が伝わりやすくなり、コメントの数も増えてきました。また、選手の保護者さんからも『試合会場にはいつも行けないけど、見てるよ。ありがとう』と声を掛けてもらえるようになりました」

部の顔としての私たちの役割

▲主務としてチームに対する気持ちが人一倍強い後藤さん


2018年度は2部リーグの下位でシーズンを終え、悔しい思いをしたCRIMSON。今シーズンのチームの目標は、もちろん1部昇格です。

後藤さん 「今シーズン、私たちは『覚悟』をスローガンに掲げ、全員で 1部昇格のために 1日 1日を大切にして “やりきる ”ということを大切に活動しています。プレーに対してはもちろん、部員同士の声掛けなど、身近なところまで意識しています」
藤田さん 「私たち、マネージャーの現状として頼まれてることしかできていないというものがあります。人が少ないというのは言い訳にはなってしまいますが、そこが部を円滑に進めるという点で難しさを感じているところですね。今、私たちはファンクラブを設立しようとしています。父母会、 OB、 OG会はありますが、それ以外でも応援してくれる一定数の方はいるので、その方たちに感謝の気持ちを届けたい。ファンクラブにしかできない情報発信と共に、懇親会などオフラインでも交流できる機会をつくれたらと思っています」


チーム力の向上には、ファンの力は必要不可欠です。


後藤さん 「私の主務としての目標は、自分が引退しても、 BIG8で止まることなく、 TOP8までいけるようなカルチャーをつくっていくことです。なので、私が 4年間広報としたやってきたことを後輩に伝えて、より良いものをつくっていけるようにサポートしていきたいです」
藤田さん 「広報はチームを知る “入り口 ”です。だからこそ、チームを知ってもらうきっかけになる広報をしていきたいです。ひとりでも多くの人に CRIMSONを知ってもらい、ファンになってもらう。そして、みんなで CRIMSONをつくり上げていきたいと思っています」


“広報”でチームを強くしていく──。
そんな彼女たちの挑戦は始まったばかり。CRIMSONに関わる全員で大学フットボール界1のチームを目指します。

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