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オレオレ電話がかかって来た。

わが家にも例の電話がかかって来た。
古女房が電話に出た。
「俺だけど・・・ちょっと困ったことが出来た」
「俺って、だれ?」
「俺だよ。ちょっと風邪気味だけど、俺だよ」
女房はその声を聞いてすぐに電話を切った。
ちょうどそのとき、息子が家に来ていて、帰ったばかりだった。

 女房の話によると、話し手はいかにも身内であるかような態度で、しかも何かを頼むときのへりくだった巧みな言葉使いだった。
息子としばらく会っていない母親なら、つい騙されるだろうと実感したとの事。
テレビでも盛んに言葉巧みな詐欺に注意するよう喚起している。

ところで、「言葉巧みに」と言う言葉が、気になった。
「巧みな」の意味は、「上手なさま」、とか「巧妙、器用」という意味で、よく使われる「日本の匠の名品」など優れた技術を讃える言葉だ。
「巧みな筆使いだ」と言うと、書や絵画のほめ言葉だ。
「言葉」がくっつくと、「言葉巧みにだます」とか「言葉巧みに売りつける」となる。
なぜマイナスイメージになるのか・・・ツラツラ考えるに・・・俺にはわからん。