老年のすすむ道ー良かった探し、困った探し、

   発  見

台所のスポンジから水が落ち、下を濡らして
いた。

困ったなと思いつつ、半年が過ぎたろうか。
先日、スポンジの位置を左に移してみた。

そこは流し台の真上なので、しずくが垂れても
支障はない。気づいてみればコロンブスの卵だが
ずいぶん時間を要したな、と思う。

   喚  起

「良かった探し」のファイルがある。
A4サイズのビニール袋60枚のつづりファイ
ルである。

つらい時に、開いて読み、気持ちを治す薬だった。
コツコツ溜めて、そろそろ満杯になりかけの
ところ、2冊目を作ろうかと考えていた矢先で
あった。

困ったも悪くないのでは、と思ったのである。
困った状態がつづいたあいだ、打開できない
かと、考え、工夫をこらしてきたことだろう。

老年者にとって考えることは貴重に
なっている。脳神経がさぼっているから
丁度いい出来事だったかもしれない、
と気がついた。

そうなると、スポンジの困ったが解決
した今、新たな困ったが欲しくなった。

思考停止にならない様に、困ったを見つけ
脳トレをし、書留めて残さなくては、と欲がでた。



   ー 二つのファイル ー

1.つらい時には、「良かった探し」
2. 楽(すぎる)ときは、「困った探し」をする。
バランスのよい、栄養価のあるこころの料理本に
なればと祈るばかりである。