産経新聞社に対する名誉毀損裁判の判決と今後についてのお知らせ

産経新聞が行った、大袈裟太郎こと猪股東吾に関する報道について、当方は2021年10月に株式会社産経新聞社を名誉毀損で提訴、昨年12月に判決が下りました。
この度、裁判結果のレポート及び今後の控訴予定などをお知らせするとともに、何よりも様々な形でご支援いただいた皆様に心より御礼の言葉をお伝えしたいと思います。

訴訟の内容

2017年11月10日の記事で産経新聞は私に対し以下のような内容を報じていました。

①「高江を皮切りに辺野古でも暴力の限りを尽くし、その過激さから仲間割れを起こし、善良で穏健な仲間たちの離反を招いた」

②「相手が無抵抗だと罵声を吐いて挑発し揚げ足を取り、いざ検挙となると急に縮み上がって主張を引っ込める小心者。こんな輩が社会を荒らしている」

③「『朗報』に接した良識派の県民たちはネット上で『沖縄県警はいい仕事をした』『天誅(てんちゅう)が下った』『沖縄から追放、強制送還すべき』などと声を上げた」

訴状より抜粋

当然ながら上記のような暴力行為を行った事実はありません。
悪質な虚偽をもとにした誹謗中傷と名誉毀損、また私が関わっていた沖縄の市民運動に対する悪質な印象操作であると考え損害賠償請求を提訴いたました。

提訴時にお知らせした記事に詳細な趣旨なども記しております。
お時間があれば是非ご一読ください。

判決について

判決結果については既報ではありますが、東京地裁は産経新聞の記事について「事実でないことを記し、社会的評価を失墜させた」とし、同社に慰謝料など22万円の支払いを命じ、当方の勝訴となりました。

当方に関する数々の誹謗中傷の大部分は、とある人物によるSNSへの投稿をそのまま記載しているものでしたが、産経新聞社側は「ネット上で(当方についての)意見やコメントが述べられた事実を書いたに過ぎない」などと主張しておりました。しかし判決は「その内容が事実であるかどうかを留保する記載もなかった」ということで先方の主張を退け、名誉毀損が成立するとしました。

判決の全文は以下からご覧いただけます。

判決の意義、フェイクニュースとの戦い

沖縄における基地建設反対運動には「日当が出ている」「海外の勢力の工作員である」「極左の暴力集団である」といったデマが、そして故・翁長沖縄県知事や現職の玉城デニー県知事に対してさえも「中国から支援を受け、琉球王の称号が与えられる密約がある」「デニーが当選すれば沖縄に中国が攻めて来る」など、沖縄に向けられたフェイクの言説を数え上げれば枚挙にいとまがありません。

今回の裁判及び判決は、本来フェイクを糺すべき大手新聞社という公共性の高いマスメディアがフェイクニュースに加担していた、そればかりかフェイクニュースの発信源そのものであったという驚くべき事実を明るみにするものとなりました。
基地建設反対運動や市民運動全体への激しいデマや誤った世論誘導がなされる情勢の中、その流れへの反論材料となりうる重要な裁判だったと思っています。

このようなデマの拡散は、往々にして国家や政権の意に沿わない個人や組織を攻撃対象にしてなされるものであるという点も、私達が直視すべきことです。
記事の内容は明らかに恣意的なものであり、市民運動への攻撃や弾圧ありきで客観性のない内容であったと感じます。大手新聞社ですらそのような報道を行うことがあるという事実を明らかにする意味でも、大きな意義を果たしたと考えております。

控訴について

一方で、当方の主張には一部認められない部分があり、判決内容・判決文ともに不服として控訴を行うこととなりましたのでお知らせいたします。
今回担当いただいた神原元弁護士も判決結果及び産経新聞社の報道体制については不服ということで意見が一致し、引き続きご対応いただくこととなりました。

代理人の神原元弁護士は「基本的人権について裁判官の認識の低さをまざまざと見せつけられた。(産経新聞社に支払いが命じられた)22万円という賠償額もあまりに少なく、裁判官の誹謗中傷に対する感度のなさを指摘せざるを得ない。高裁で引き続き争っていきたい」と述べた。

引用元:弁護士JPニュース

また、代理人の神原弁護士は産経新聞社の報道体制にも疑問を示した。

「猪股さんが『暴力の限りを尽くしている』とした根拠として、記事では第三者のFacebookをほぼそのまま掲載していた。本来は裁判で執筆者(元那覇支局長)が証言しなければならないが、退職したという理由で法廷には現われなかった」(神原弁護士)

産経新聞社が代わりの根拠として提出したのは「よく分からない報道機関でもないようなところが作っている動画」だったという。

このような事態に対し、神原弁護士は「もし誰かを非難するような記事を書くのであれば、きちんと取材の過程を残していただいて、掲載に耐えうるようなものにしていただかないと裁判にすらならない。Twitterのケンカレベルでしかない」と痛烈に批判した。

引用元:弁護士JPニュース

収支報告とご支援のお願い

最後に、今回の裁判は継続となりますが一審判決を受けましてこれまでいただいたご支援に関する収支報告をさせていただきます。金銭的なご支援をいただいた皆様はもちろんのこと、SNSでの拡散や各種メディア等で取り上げてくださった方々、ご声援をいただいた皆様にはあらためて感謝しかありません。

こちらで示したように、弁護士費用を考えれば(賠償金を得られたとしても)控訴を行うことで金銭的・時間的リスクはさらに大きなものとなります。
一連の裁判は私個人のものではありますが、現代の大きな社会問題である言論空間の歪み、さらにはその被害を訴えることの困難な現行の法制度について、広く世に問うものにしていきたいという考えは変わりません。
ご賛同いただける方は、あらためましてご支援をいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

ご支援のお願いに関して、以下の3つのお約束をさせていただきます。

①裁判の進捗報告
②ひとつの裁判が終わるごとに収支報告をすること
③これらの裁判を通じて得た経験を具体的にレポートとして共有していくこと

とくに③によって、同じような誹謗中傷の被害に苦しむ多くの人々が、諦めることなく、身を潰されるような苦悩から解放される助けになれればと考えています。

【ご支援方法】

①口座振込
琉球銀行 404 (大宮支店)
普通口座 0672044 イノマタトウゴ
(裁判費用の専用口座となっております)

②当note記事へのサポート(最大1万円まで)

裁判結果のご報告が遅れてしまい恐縮ではありますが、これにて現在までの裁判レポートとさせていただきます。最後までお読みくださり深く感謝いたします。

また、当方のnoteやTwitterなどでも裁判についての着目すべきポイントなどをご説明する機会もあるかと存じます。是非フォローしていただきますようお願いいたします。

それでは引き続きご注目いただければ幸いです。

大袈裟太郎こと猪股東吾

取材等お問い合わせはこちらまで
gotojudge@gmail.com

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