始まりはいつも突然で
毎日の通学路、揺れる並木道に広がる落葉、行き交うサラリーマンの顔は死んでいて、カップルは幸せ満開で登校。校舎に入ればあぁ。今日も後ろから騒がしい声がする
「ひーーーろーーちゃーーーーん」
振り返れば如何にもスポーツが似合う子犬系男子かつ同じクラス隣の席の陸杜(りくと)。っという間に抱きつかれた
「やめろ離れろって笑分かったって笑おはよおはよ」
陸杜とは入学式に話しかけて以降ずっと一緒。勝手にひろちゃんって呼んでくるから、りっくんって呼ぶ。って決めたのに大体いつも陸杜って呼ぶ
今日もいつもの日常が始まるって言うのにこいつもまた呑気だ。ただこの呑気さが心地いい。ただ朝練帰りはちょっと汗臭いからボディシートで拭いてから抱きついてこい。
これが朝のルーティンになっているから仕方ないことなんだけど。多分YouTubeにでも投稿したらある一定の人達からは高評価が貰えるのかもしれない。まあ僕は同性愛者でもなくて2人とも彼女持ちなんだけどね
今日はいい日になりそうだ。隣で笑う陸杜に
「んじゃ、行こうか俺らの戦場に」
僕らは教室に足を踏み入れる