【大きな独り言2025】2つ目の大きな独り言|『バレエ界と柚香光』
2025年1月3日
大阪・フェスティバルホールにて
『マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート』
が、開催されました。
因みに、1月6日には名古屋公演、7日には東京公演が実施されます。
私おおごえ。は、資金不足の為、チケットの申し込みにも至らず、実際にこの目で見ることが叶わない公演なのですが、有り余る資金を保持していたのなら鑑賞したい公演です。
私はバレエには詳しくないので、マチュー・ガニオさんについては、昨年に本公演のニュースを読むまで、存じませんでした。
私が、バレエ界で知る人といえば、吉田都さん、草刈民代さん、熊川哲也さん、宮尾俊太郎さんくらいで、過去に吉田都さんが少しの出演でしたが舞台上で舞う姿を見たことがありましたが、まるでCGやアニメーションのような動きで、驚きました。
私はバレエについては、全くと言っていいほど、知識を持っていません。
だけれども、マチュー・ガニオさんの肩書きの『パリ・オペラ座バレエ団』・『エトワール』という響きから、凄い人であり、そのエトワールに長期にわたって君臨していたということから、とんでもなく凄い人なのだということが分かります。
さて、今回の公演を私が知ったきっかけは、元宝塚歌劇団花組トップスター『柚香 光(ゆずか れい)』さんです。
宝塚歌劇ファンでもある私は、昨年退団された柚香光さんが宝塚歌劇団の舞台で出演されていた舞台を何度も観劇していました。残念ながら退団公演を宝塚歌劇団の劇場で観劇する事は叶いませんでしたが、ライブ配信で観劇していました。
バレエ界には失礼ながら、どちらかと言うと『柚香光推し』として、本公演を鑑賞したいのです。
因みに、一昨年の9月に起こった宝塚歌劇団の悲しい出来事については、劇団に対して強い怒りを正しく持ち、一ファンとして劇団運営陣に対して意見も致しました。「無かった事」としては考えていません。色々と批判的に捉える方もいるので、念のため、私のスタンスを示しておきます。
話をもとに戻しまして、
又、マチュー・ガニオさんが「2025年春にパリ・オペラ座でのアデュー公演を控える」との説明を見るのですが、私にはハッキリとした意味が分かりません。
宝塚歌劇団で例えるなら、パリ・オペラ座バレエ団の『退団公演』という事なのか?と理解しています。
そこで、思ったのは、バレエ界を愛する人からしたら、その偉大なるマチュー・ガニオさんの退団前の日本公演に、宝塚歌劇団の元トップスターの誰とも知らない人が出演するというのは、眉をひそめるような事なのかもしれないということです。
しかも、二部構成の公演の二幕目の多くを占めるような出演の構成となっているということで、バレエ界ファンの方からすれば、他のバレエ界のスターとマチュー・ガニオさんに踊って欲しいという気持ちがあるのではないかと思いました。
柚香光推しの私は、宝塚歌劇団に在籍中の時の柚香光さんのダンスを観てきて、『表現力がズバ抜けている』と素人ながらにも感じていましたので、宝塚歌劇団の退団後にも『ダンス』や『舞踏』による表現を活かして活躍して欲しいと願っていました。
因みに、バレエ界については知識のない私ですが、『吉田都さんの舞』と『他のダンサーの舞』の違いは分かりました。なので、柚香光さんのダンスの表現が他者とは格段に異なることは詳しい人が観ても同じにように評価されると思っています。
しかしながら、実際に目の肥えたバレエ界の方々が、柚香光さんの舞をどのように評価されたのか?私には知る由もありません。
なので、ダンスの良し悪しの話は出来ませんので、バレエ界ファンの方々に「こんな風に柚香光をとらえて欲しいな」という事を独り言で言いたいと思いました。
まず、柚香光さんは、宝塚歌劇団に入団する以前に、バレエ教室でバレエを習っていました。
そこで、考え方として捉えて頂きたいのは、
『柚香光のダンスのベースはバレエである』ということです。
しかしながら、柚香光さんが宝塚歌劇団で活躍していた時のダンスは、私にはバレエらしさはあまり感じられませんでした。また、宝塚歌劇らしさからも少しはみ出していたように感じられていました。
柚香光さんのダンスは、勿論、身体能力は秀でているのですが、バレエの優雅さよりも、荒々しさが感じられました。
それが顕著に感じられたのは、『Cool Beast‼』というショーです。
『Cool=格好いい』、『Beast=野獣』なのですが。
宝塚歌劇的には、『Cool=格好いい』の方をフィーチャーするのだと思ったのですが、柚香光さんの表現は、『Beast=野獣』の方を強くフィーチャーしていて、私は思わず心の中で「そっちかい‼」ってツッコミを入れてしまいました。
そもそも、柚香光さんは、バレエ少女であり、宝塚歌劇のファンではなかったと記憶しています。それもあって、宝塚歌劇ファンからタカラジェンヌになった子達とは宝塚歌劇の『男役』のイメージが異なっていたのかもしれません。
素直に『男性』を表現していたのかもしれません。
それもあってか、柚香光さんの舞台の役の走り方や所作は、宝塚歌劇のそれまでにない『男らしさ』で、作り込んだものとは異なる自然な格好良さが表現されていたように思います。
しかしながら、今思えば、柚香光さんは入団して間もない頃から、ダンスや所作の表現が素晴らしく、柚香光さんのダンスに荒々しさを感じられたのは、宝塚歌劇の舞台上で柚香光さんが、常に『男役』を表現していたのだと私は考えに至りました。
たしかに、ショーの中で『女役』として踊るシーンでは、荒々しさは感じられず、しなやかさや妖艶さを表現されていたように思います。
柚香光さんのダンスは、バレエの経験があって成り立っているのだと思います。バレエの基礎があるからこそ、宝塚歌劇で経験した様々なジャンルのダンスを踊りこなしていたのだと思います。
又、柚香光さんの師匠のバレエの先生は、とても優秀な方なのではないかと思うのです。
私の思うバレエのイメージは、基本の動作に忠実で、回転で軸がぶれないことが正解のように思っているのですが、柚香光さんの師匠は、基本に忠実である事以上に、『表現する事』を教えていたのではないかと思うのです。
たしかに、基本の動作は重要かもしれませんが、『イメージする事』・『表現をする事』が、ダンスの重要な部分のように私は思うのです。
柚香光さんのダンスには、『自然』が感じられました。
風が吹いたら枝がしなるように、重心が傾いたら自然に回転するといったような、『自然』が表現されていたように思います。
退団後のコンサート『TABLEAU』や、年末に開催された『RUNWEY』のライブ配信を観ました。
その時には、燕に例えると巣立ちの準備のために、巣の近くで飛ぶ練習をしている幼鳥のように感じられました。
その中でも『RUNWEY』では、本公演『マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート』の稽古の影響だと思われましたが、荒々しさが無くなり、ダンスに、しなやかさを感じました。それは、とても綺麗なダンスでした。
もしかしたら、『男役』を表現する必要がなくなったという心境の変化も影響していたのかもしれないと思いました。
そして、本公演の大阪公演の記事を読んで想像するところでは、海外に渡る為に巣から遠く離れて、旅の準備をしている若い燕を想像しました。
巣を眺めて燕の成長を見守っていた者としては、成長していく姿は嬉しく思い、巣立ちは寂しく思いますが、ただただ、元気に楽しく生きていて欲しい(活動して欲しい)と願うばかりです。
まあ、燕は戻ってくるので、それがあの雛鳥だったかは私には判別できませんが。柚香光さんの活躍に関しては、私がチケットを入手することが出来れば、今後も鑑賞するチャンスがあるので、あとは私が頑張ればいいってことか・・・。
改めて、まとめますと。
柚香光さんのダンスのベースは、バレエであり、『VIVA‼バレエ‼(バレエ、万歳‼)』ということです。
本公演『マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート』の柚香光さんの出演は、宝塚歌劇団のOGという事ではなく、バレエをベースにしている優れたダンサー・舞踏家の出演であり、自然な事だと考えていただけるといいのかなと思います。
まあ、正直、商業的な働きかけがあるのかなと思いますが、私自身が『バレエ』の公演を鑑賞するきっかけを与えてくれたのは、宝塚歌劇でした。多くのタカラジェンヌのベースとなっているバレエとは、どういうものかと思い、海外バレエ団の来日公演の『くるみ割り人形』の鑑賞から始まり、Kバレエの『くるみ割り人形』も鑑賞し、若手のガラも鑑賞しました。
本公演で、バレエの面白さに気が付く宝塚歌劇ファンも生まれたと思いますし、また逆に、バレエや舞踏の世界のファンの方が、宝塚歌劇に持っていたイメージを変えられたのではないかと思います。
いずれにしても、広くダンス・舞踏の世界の可能性を広げる公演だったのではないかと思っていますし、そうあって欲しいと願っています。
日本におけるバレエなどのハイカルチャーを、多くの人が楽しみ、大切にする文化を根付かせる必要があると私は考えています。
柚香光さんの存在は、ダンス界においてバレエの基礎の大切さを広く伝える存在のように思います。
ダンスとは、『肉体で表現する藝術』だと思います。
特に、バレエに関しては、一部の身体能力の高い人達にしか出来ない稀少な芸術なのです。
少し飛躍した意見となりますが、世界中が藝術を愛し、大切にすることで、平和が保たれるようにも思うのです。
柚香光さんのファンの一人として、世界に羽ばたく事を応援します。
そして、世界の多くの人々が感動し、その多くの人々が平和な気持ちで包まれたら、どれだけ素敵なことかと思います。
なんだか、壮大な話になってしまいましたが。
ただ、私が言いたいことは、
『バレエファンの皆様に、柚香光さんのダンス・舞踏・表現を、偏見無しで、観て・感じて・楽しんで欲しい』という事です。