おおごえ。

ある体験をしたことで、日本社会の「なんじゃこりゃ~!」を目の当たりにしてしまいました。…

おおごえ。

ある体験をしたことで、日本社会の「なんじゃこりゃ~!」を目の当たりにしてしまいました。 その事がきっかけとなって、社会について、以前よりも考える事が多くなりました。 狼や犬の遠吠えのような、私の大きな独り言が、更に誰かの思考の種になると幸いです。 趣味は、観劇。

マガジン

  • おおごえ。の短編小説集【1】

    短編小説、はじめました。 それぞれのタイトルはポップな感じですが、内容は少々重めです。

  • LGBTQ+についての独り言

    LGBTQ+について、今(2022年)の私が思っている事の独り言です。 LGBTQ+当事者や、アライ(Ally)の方、悩んでいる方に向けて独り言を言っています。 又、行政機関に従事している方に読んでいただきたいです。

最近の記事

【あとがき】:短編小説『マミー』を書いて

 おおごえ。です。  今回、短編小説群を書いてみました。  お読みいただきました皆様、ありがとうございました。  そして、『スキ』をくださった皆様、心から感謝申し上げます。嬉しかったです。  投稿した後に、『スキ』のお知らせが来るのが、とても嬉しくて、「こんなに嬉しいものなのか!」と思いました。  本当に、ありがとうございます。  ぼんやりと、自分の思う理想の社会を自分が実際に実現する事は出来ないので、理想の社会の一部分ではありますが、空想の中で作ってみたいと思い、なんと

    • 短編小説:「今どきの若いヤツ」

      西暦2122年 日本国  今日は、うちのひいおばあちゃんが、ニュース番組に出る。  出ると言っても、前もって撮影した映像を流すだけだから、ひいおばあちゃんも一緒に家族みんなで集まって、これからそれを見る。  ひいおばあちゃんは、俺のお父さんのお父さんのお母さん。  俺のお父さんのお父さん、つまり俺のおじいちゃん。つまり、ひいおばあちゃんの息子は、ひいおばあちゃんよりも先に死んで。だけど、ひいおばあちゃんは、おじいちゃん、つまり息子の配偶者であるオバアチャマと仲良しだから、親

      • 短編小説:「おばあちゃん」

         西暦2077年 「お母さん。これ、食べる?取ろうか?」  33歳になった息子が、甲斐甲斐しく料理を取り分けてくれています。  私の膝の上には、3歳になる孫娘がフライドポテトを手に持って、しゃぶるように食べています。  今日は、私の還暦祝いということで、息子がレストランを予約してくれて、息子家族と食事に来ています。  息子夫婦には3人の子供がいます。  上から、5歳の男の子、次が私の膝の上に座っている3歳の女の子、そして、0歳児の男の子。  子供たちが小さい事もあって、レス

        • 短編小説:「息子の愛しい人」

           西暦2071年  私の一人息子の月光(らいと)が、結婚しました。  私は、83歳になる母と一緒に息子の結婚式に参列しました。  私も母も早くに夫に先立たれていて、息子の結婚相手の百花(ももか)さんに、ご両親が揃っている事が、私を少しだけ寂しい思いにさせました。  披露宴会場の親族席から、お友達や同僚の方たちに祝福されて幸せそうに笑う息子と百花さんの笑顔を眺めて、私は自然と頬が緩んでいました。  だけど、ふと、この後に息子が、私に向けて『母への手紙』を読むことを思って、

        【あとがき】:短編小説『マミー』を書いて

        マガジン

        • おおごえ。の短編小説集【1】
          21本
        • LGBTQ+についての独り言
          15本
          ¥2,000

        記事

          短編小説:「幸せでありますように」

           西暦2052年  私は、マミー資格を取得して、マミーズホームへの勤務を開始しました。  『マミーズホーム』とは、昔の児童養護施設のようなもので、『マミー』とは、マミーズホームで子供たちの対応をする職員のことです。  私自身も、父が亡くなったことで、高校生から大学進学そして社会人1年目までマミーズホームで育てて貰いました。  そして、6年前に、夫を亡くし、息子をマミーズホームに入所させました。  入所すると子供は親に会えなくなります。退所後も一緒には生活出来ません。しか

          短編小説:「幸せでありますように」

          短編小説:「ごめんね」

           西暦2046年  夫が亡くなった。  癌だった。  若いせいもあって進行が早く、検査で癌が見つかってから、あっという間だった。  夫は、30歳で他界した。  まだまだ一緒に居ると思ってた。  子供の入園や入学を一緒にお祝いできると思ってた。  子供の初恋に2人でソワソワしたりするんだと思ってた。  子供が大きくなったら、一緒に色々なところに旅行するんだと思ってた。  ずっと一緒に居て、ずっと好きだと思ってた。  私たちは、同僚で、同じ病院で働いていた。  夫は、私よりも

          短編小説:「ごめんね」

          短編小説:「アガペー」

          ***********************************************************  にせんよんじゅうねん  じゅういちがつ じゅういちにち 『2040年11月11日』  なかのく なかのだいさん まみーずほーむ きんむ  『中野区中野代参マミーズホーム勤務』  じんのさゆり だいいっきです  『ジンノサ百合 大一気です』 ***********************************************************

          短編小説:「アガペー」

          短編小説:「行ってきます」

          「おかえり~。疲れたでしょ?」 と、部屋に入ると、今日の遅番のマミーである海(まりん)マミーが、私を出迎えてくれた。  海マミーは、私の憧れの人の一人。  仕事でクタクタだから、海マミーの笑顔に癒された。私も思わず笑顔になった。  私は、谷 太陽(たに それいゆ)。看護師一年生です。  まだ入職したてなので、今はただ、ひたすらに、教育係をしてくれている先輩看護師にくっついて行動して、ひたすらメモを取っているだけですが、それだけでクタクタです。特に、脳みそが疲れます。  私

          短編小説:「行ってきます」

          短編小説:「ダイヤモンド」

           僕は、森崎輝石(もりさきだいや)です。  名前の『だいや』の漢字は、『輝く石』と書きます。僕の両親が考えてくれた名前で、宝石のダイヤモンドという意味です。ダイヤモンドは、宝石の王様です。  しかしながら、名付けの想いとしては、『磨いたり磨かれたりして成長して、輝く活躍の出来る子になって欲しい』という願いなのだそうです。  僕は28歳ですが・・・。 (講習会の開場を見渡す振りをして)  僕よりも年上の方も沢山いらっしゃるようですが・・・。 (参加者から笑いが起こる)  僕も皆

          短編小説:「ダイヤモンド」

          短編小説:「アリガトウ・サヨナラ」

           私が高校2年になった春に、父が死んだ。  父が亡くなってから、私の生活は一変した。  父の死因は、事故死だった。  大きな用水路の中で倒れていたそうだ。  父は、その日は休日だったので、一人で散歩に出かけて行った。いつもなら1時間くらいで、コンビニのスイーツを買って帰って来るのが、この日は、夕食の時間になっても帰ってこなかった。  母と、「こんなに長時間、散歩してるなんて、珍しいね」と話していた時に、母のスマートフォンが鳴った。  警察からだった。  それから、母と私は、

          短編小説:「アリガトウ・サヨナラ」

          短編小説:「マミー制度」

          西暦2033年 『マミー制度』開始。 それに伴い、児童養護施設に替わって、『マミーズホーム』という施設の運営が開始。 『マミーズホーム』概要 立地:  『マミーズホーム』の立地は、公立の小学校または中学校の隣であること。 又、それらから徒歩5分圏内に公立の病院、あるいは、それと提携している中規模の民間の病院があること。 (中略) 講堂の設置: 『マミーズホーム』内には、講堂を設け、地域の自治体の集会などに利用する。 又、それ以外に、施設の利用対象の子供および近隣の住人の子供

          短編小説:「マミー制度」

          短編小説:「ギョギョギョ」

          (国語の授業で、泣く子なんて私以外にいないでしょ)  私は、未だに飼っていた猫のダイが死んでしまった事から、立ち直れてない。  去年、ダイが、ママのベッドの上で息を引き取っていた。  肥大型心筋症という病気で、突然死を引き起こす原因の病気だと獣医さんに説明をされた。なので、体調が悪くなさそうなのに、急に死んでしまう事があって、ダイも兆候が無いまま、死んでしまった。パパとママと、家族三人で、その日は泣いた。  ママは、天然なところがある人だから、こんなに大人って泣いていいの?と

          短編小説:「ギョギョギョ」

          短編小説:「全て人間が猫の為に生きれば皆が幸福なのかもしれない」

           吾輩は猫である。名前は、そう、『ダイ』。  生まれた時には、今住んでいる家とは違う人間の家にいて。目が見えないうちは、母猫の体毛の中から匂いと温かさをたより、その周りだけ毛が抜け落ちた乳房と、乳の出る乳首を探し、ひたすらに腹をふくらませていた。目がハッキリと見えないせいで、その頃に面倒をみてくれていた人間の顔を、今のママやパパ、エンジェルの顔のようにハッキリと違いをもって思い出せない。色々と世話になったというのに。顔が薬缶のようにつるっとした不思議な印象しか残っていない。

          短編小説:「全て人間が猫の為に生きれば皆が幸福なのかもしれない」

          短編小説:「IQ」

          「上野さん。ちょっといいかな?明日のランチなんだけど、何か予定あるか?」 と言いながら、突然、社長が総務課の部屋に入って来て、まっすぐに僕のデスクに向かって、笑顔で歩いて来た。  様々なことに余裕のある人というのは、歩き方にも余裕があるものなんだな。社長は年齢のわりに、ゆったりと大きい印象を与える歩き方だ。体つきも背は俺よりも低くて小柄なのにだ。  しかしながら、顔からの圧が強い人だ。社内報で社長の顔写真を見るたびに、俺は「圧がつえーなぁ」と独り言を言っている。  それに、総

          短編小説:「IQ」

          短編小説:「日課表・2」

           妻が、家事がひと段落したようだ。食洗器の扉を閉める音がした。  しかも、僕の様子を見ている。僕はそれに気が付かないふりをして、本を読み続けた。  妻は、コーヒーを飲みたいのか?僕に話しかけるタイミングを見計らっているのかな?  なんだか、じっと見られているから、本に集中出来なくなってきた。  だからといって、立ち上がると、ソファーの僕の隣で寝ている猫のダイを起してしまうし。身動きが取りにくいな。ダイは、いつものように、片足だけ僕にくっつけているから、動いたら直ぐに起きてしま

          短編小説:「日課表・2」

          短編小説:「日課表・1」

           お昼ご飯の食器を食洗器に入れて、ふとソファーに座る夫を見た。  三人掛けのソファーなのに、猫のダイが猫の標準サイズよりも大きな体でソファーに寝そべっているせいで、夫はソファーの端っこに膝を閉じて小さくなって座っている。  夫は、本に夢中になっていて無表情のままで本に視線を落としているから、それが面白い本なのかどうなのか、全く私には分からない。  夫は、「本は紙の本がいい」と言って、紙の本を愛読しているけど、昔に比べて本屋さんが少なくなって、一番近くの本屋さんがJRの駅前に

          短編小説:「日課表・1」