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1分でわかる「グリア細胞 - 舞台の主役」とは!【RE-CEREBRO】1分で脳を再構成する-EP037

「グリア細胞」が舞台の主役だという意味は、従来の神経科学において脇役と見なされてきたグリア細胞が、実は脳の機能において中心的な役割を果たしているという認識の変化を指しています。

長い間、脳の活動はニューロン(神経細胞)によって主導されていると考えられてきました。
しかし、近年の研究により、グリア細胞が単にニューロンを物理的に支えるだけでなく、情報伝達、脳の恒常性維持、さらには記憶や学習といった高次機能にも深く関わっていることが明らかになってきました。

例えば、アストロサイト(星状膠細胞)はニューロン間のシナプスの形成や機能を調節し、オリゴデンドロサイトは神経の伝導速度を高める髄鞘を形成、ミクログリアは脳の免疫応答に関与します。
これらの機能は、脳の働きを単なる電気信号の伝達から、より複雑で多面的なシステムへと変えるものです。

グリア細胞の研究が進むにつれ、それらが脳の「主役」となり得るのは、脳の活動を理解する上で、これまでにない視点を提供するためです。
この視点のシフトは、脳の機能理解や脳疾患の治療法開発において、新たな可能性を開いていると言えるでしょう。

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