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いつだっただろう。

母がなんだか変だと思ったのはいつだったか?

オムライス事件はもちろんだったのだけれど、変だなとおもったことは正直すごくあとのことだった。

今思い返せば、あれもこれも認知症のせいだったのかと納得するのだけれど、
そのときには全く変だとおもっていなかったと思う。
むしろ、またか。くらいにしかおもっていなかった。

母はもともとちょっと難しい性格だった。
わたしが子どもの頃から、朝起きて「おはよう」と声をかけても
返事がないことが多々あった。

普通の家ならば母親は笑って「おはよう」と言ってくれるのかもしれない。
でもうちの母はちょっと違った。
機嫌がいいときには笑顔で返事をくれるが、機嫌が悪いと返事はなかった。
わたしが小学生になったころには、朝の返事でその日の母の状態を確認するようになっていた。

わたしには5つ下の妹がいたが、妹も大人になってからその話になったときに
「あたしゃありゃ毒親だと思うよ」というくらいだった。

母と父はうまくいっていなかった。
父も変わり者で、家に帰ってくるのは半年に一回くらい。連絡がとれない。が普通だった。そんな父を母はものすごく嫌いだった。

わたしの記憶ではわたしが物心がついたときから母はずっと毎日父の悪口を言っていた。決まってわたしに。そして最後には必ず「妹には言わないでくれ」と言われていた。

だからなのか、母が変だと気づくのは本当に遅かったと思う。
もっと早く病院へ連れていっていたらとおもうこともあったが、そこは変わらなかったかもしれない。


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おんざ
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