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新宿区 松の湯

2020.11.17.

今日は残業の後、江戸時代の湯屋スタイルを垣間見るために、こちらに。

「東中野」駅からぶらぶら13分ほど。大通りを歩くので、夜でも安心。ちなみに帰りには、同駅の「さわや」でお惣菜のパックを買ったら、おばあちゃんが「おかえりなさい」といってくれて、律儀な私は「まだこれから調布に帰るのです」と銭湯巡りの話やこの辺りのおすすめ銭湯についておしゃべり。近くの「健康浴泉」が12月中旬にリニューアルオープンとのこと。確かそこはサウナは男性のみだっけ?続報を待ちたい。お惣菜は、煮卵、ブロッコリーのタルタルサラダ、スパゲティサラダ、ザーサイとネギの和え物を買い、ひじきをおまけしてくれた。
ついでに並びの「ル・ジャルダン・ゴロワ」を覗いて、キッシュ盛り合わせとハーフカットのパイを。以前保険会社のイベントで購入したことがあったが、ここのパイはかなり甘いのを忘れていた。甘党さんにはおすすめ。

半二階のような階段を上がり、富士山のような絵をチラ見し、例によって回数券でお支払い。番台の女将さんに姉妹店について伺うと、女将さんのおばさんが北池袋の「小松湯」の長男と結婚し、現在はおばのお孫さんが経営を継いでいるそう。「とても広いお店だから、よく頑張っていると思うのよ」とのこと。ぜひ近々伺いたい。そして、同じくそちらの三男が同エリアの「前田湯」を継いでいるそうで、そちらは後継ぎさんは居ないのかもしれない。となると、早めに訪れなくては。
お風呂あがりに番台は女将さんの娘さんに代わっていて、アラフォーかな、感じのいい方で女将さんのお話に補足的にインタビュー。お父さんは4年前にお亡くなりになったそうで、お名前はなんと、笠原五夫さん。例のコラムの方ですわ!そう、銭湯PR誌『1010』でイラスト、コラムとも連載していた方なのだ。ううう、銭湯検定前に行っていれば、あと3点、上積みできたかなあ。んなこたあないか。
上記のサイトより、コピペさせてもらいつつ、娘さんのお話を加味してみたい。
こちらの元店主、笠原五夫(いつお)さんは1937年新潟県生まれ。1952年、大田区「藤見湯」にて住み込みで働き始める。おそらくここは、新潟の先輩方を頼って上京したと思われる。1966年、中野区「宝湯」(預かり浴場)の経営を経て、1973年に、かなり昔から営業していて現在ではかれこれ100年ほどになるこちら、「松の湯」を買い取り、オーナーとなる。娘さんいわく、同じく新潟県出身の女将さんも上京していて、「小松湯」で働いており、同業者同士でお見合いをして結婚されたのだとか。五夫さんは、1999年、厚生大臣表彰受賞。2016年逝去されたそうだ。著書も多く、『東京銭湯三國志』『絵でみるニッポン銭湯文化』があるそう。ぜひ読んでみたい。娘さんによれば、銭湯マニアの愛読書だとのこと。「確か男湯にあったなあ」と探しに行ってくれたが、すごく堂々としていてかっこよかった。ちなみに本はなく、「誰かに貸してるのかも」とのこと。

なお、お父さんが亡くなってからは、娘さんのお兄さんに当たるのか、女将さんの長男かつ娘さんと思いきや長男さんの奥さんなのかは不明だが、上記リンクによると、ご長男が引き継ぎ、現在も営業中である、だそうだ。ここまで書いて、この娘さんと思われる方が、妙に先代の店主のこともご存知だし、思い出話もしてくださって、てっきり女将さんの娘さんだと思っていた。さらに、「ブログなどはどなたが更新しているんですか?」と聞くと、娘さんが「主人がやってますよ」と教えてくれたので、関係性が見えなくなった。また再訪して、事情聴取しなければ。

番台では小タオルも無料で借りられるので、そのまま脱衣所へ。「ビックロ」ではないが、「それはそれは、素晴らしいゴチャゴチャ感」が広がる。言葉にしにくいが、いろいろ雑多なものがあるのだ。

それは、浴場もおなじ。ペンキ絵がないのは意外だった。最奥はガラス窓で、奥行きを感じさせる。娘さんいわく「少し広く感じませんか?感じないか、あはは」とのこと。手前にカラン大集合で、左から、元サウナ室、階段、水風呂、打たせ湯、段差、ジェットバス二席、段差、日替わり湯は漢方の湯、というラインナップ。段々畑のようなお風呂で、滝のような水流もあるし、打たせ湯はカーテン付きで、なんとツインバスターだった。
お父さんはイラスト、文章も得意だったが、もの造りも大好きだったそうで、銭湯の玄関前のペンキ絵、番台横の看板もお手製なのだそう。サウナ室が壊れたタイミングで、なぜか柘榴口を作ってみたくなったそうで、カランと階段の間あたりに柘榴口が存在する。とても不自然なのだが、そう、私はこれを見にきたのだ。ちなみに柘榴口があるのは女性側のみなので、男性は「東京銭湯」の記事を参照されたい。このスペースは、サウナ亡きあとは蒸気のこもる休憩スペースとして利用されていたそうだが、現在は、よくある話で、物置となっている。
ほかにもツインバスターの打たせ湯の暴れっぷり、水風呂や日替わり湯の不思議な形、手すりが不自然な位置に設置されている、アヒルの浮き具が威勢よく並んでいてコンテストまで開かれているなど、嘘だと思ったら、自分の眼で確かめてほしい。

いやー、ここも再訪です。

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