生態心理学的アプローチ④

今日は情動面が身体に与える影響を考えてみたいと思います。

情動とは…

【定義】安全・危険、快・不快、好き・嫌い、楽しい・悲しい、生理的に受け入れられる・受け入れられないといった本能的に感知するもの。

とされています。

情動とは無自覚に生じるものです。

「怒った顔」「笑顔」のパネルをみせ、視線の動きとどちらが良いか答えてもらったところ、答える前に視線は無意識に答えのパネルの方へ集中していたという実験もあります(資料なくてすみません)

そのため、情動面に関しても配慮しながら普段の訓練を進めていく必要があります。

下記は情動が起こるメカニズムです。


1度恐怖心や痛みが出てしまうと海馬に記憶され、A10神経核群が働いてしまい、「これをしたら痛くなるんじゃないか?」「前に痛かったから体重かけないようにしよう」などと無意識的に身体が反応してしまいます。


ではどうすれば良いのか?

①支持面の知覚を行う(座位で言えば坐骨)

②恐怖・痛みのない環境作り

③セラピストによる成功体験へのフィードバック(賞賛)

が重要です。

痛みが起こりそうと思ってしまうと、固めてしまい支持面との知覚がより行えなくなってしまいます。手術から期間が過ぎ術部も問題ないにも関わらず、座位で坐骨に乗らない場合は「坐骨での支持面の知覚」が行えていない可能性があります。

支持面の知覚をすることで感覚が入り、痛みがなく坐骨上へ体幹が積み上がる事で「これは痛くないんだ!」「あれ?意外と痛くないぞ」などの反応を誘導していく必要があります。

痛くない環境や成功体験へのセラピストの正のフィードバックも有用です。

●まとめ

身体機能だけではなく、少し情動面も配慮しながら治療をする事でより効果が出るかと思います。


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