01_竹林

vol.14 5月6日・竹のはなし ー春ー

やまあいでササゲの種を蒔いていると、笛の音色が聞こえてきました。
顔を上げて見ると、男の人が篠笛を吹きながら歩いていて、その後ろには獅子舞の姿と、鐘や太鼓を手にした人たちが。
春のお祭りが、あちこちで賑やかですね。木や草の新芽がまぶしいです

タケノコ、もう召し上がりましたか?
わたしは、今年は一度しか食べていません。もっと食べたい。
竹は、生まれて1か月も経てば、親と同じ大きさになります。
3歳にもなると、子育てをはじめます。まだ眠っている赤ちゃんに、栄養をせっせと与える。
竹林は、1本1本の竹が地下茎でつながっていて、竹林そのものがひとつの生命体のようなもの。赤ちゃんがいたり、子育て世代がいたり、その親の世代がいたり、竹林ひとつが大きな家族になっています。120年に一度花を咲かせ、そして竹林ひとつがまるっと枯れる。

小さかった頃、家の畑の隣にある小屋にはたくさんの竹が置いてあって、わたしは、手頃なものを見つくろっては、いつも持ち歩いていました。その竹でいろんなものをつっつくのが楽しかった。
ずいぶんと時間が経って、令和となったゴールデンウィークは大工しごとと畑しごとの毎日でしたが、
去年の今ごろは、タイ北部の山間部を訪れていました。
竹だけでつくる、昔ながらの家づくりを習うために──それはまたべつの話で。
どうも竹には惚れっぱなしのようです。

●ますお

これは、竹とよく似ている笹の実。成長するときに稈を包む皮が取れていくのが竹、皮が残ったままなのが笹です。同じイネ科。友人の家の庭で開花して、実ったものをわけてもらいました。お米みたい。

※本記事は「坂ノ途中・やまのあいだのダイアリー」からの転載です。

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