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水俣の海は、ほんとうにきれいで穏やかだった。見ている限りでは、水俣病のことは浮かんでこなかった。それでも見渡すと、埋め立てられた海があり、底には水銀ヘドロが残ったままで、認定を受けた患者さんは現在も2,000人を超えている。 きれいも穏やかも悲しみも苦しみもある、そのすべてが水俣だと思った。だからこそあの海をあのようにきれいだと感じたのだと思う。たとえようのない、いま、ここにしかないというような、そういうものが放つ、奥深く優しい輝き。 わたしのなかにもそんなことがあ