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寒さの極まった頃に出荷される白菜。あのどっしりと存在感あるひと玉を見ていると、いつからかキムチを漬けたくなるようになった。 わたしは在日コリアン4世で、家族での会話は日本語だけれど食卓にはだいたいキムチが置かれているという環境で育った。祖母なんかはハングルも話せたり、これでもかというほど大きな寸胴鍋で焼肉のタレを仕込んだりもしていた。 そんな実家から出て生活し始めると、それまで何の気なしに見たり嗅いだり食べたりしてきたものが自分の奥深くに染みついていたことに気づいた。一