賢見温泉(徳島県)〜渓谷美が展開する秘境の温泉〜
旅の手帳を紐解くと、賢見温泉を訪れたのは2018年11月のことでした。
四国の中央部を東西に流れる長さ194kmの大河・吉野川は「日本三大暴れ川」の一つとして知られ、利根川(坂東太郎)・筑後川(筑紫次郎)と並び、四国三郎の異名を持ちます。
古来、交通の難所で、江戸時代から開発が繰り返されてきましたが、山肌を削った深い渓谷が昔のまま今も残るのが、徳島県北西部にある秘境の地・祖谷(いや)エリアです。
そんな場所にあるのが「賢見温泉」です。露天風呂は4〜10月の土日祝のみ入れるため、今回は内湯のみ。浴室の壁には「泉質日本一」の看板が掲げられています。見飽きることがない吉野川と峡谷の風景に身を委ねながら、温泉を堪能できます。
▲血行促進時間の長さが特徴の泉質
▲賢見温泉の内湯
吉野川沿いに広がる約8kmの大峡谷が、大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)です。間近に見られる岩肌は、2億年〜1億年前に海底奥深くで作られた地層が隆起と吉野川の新色で、偶然、地表に姿を現したものです。彫刻のような奇岩は、国の名勝天然記念物に指定されています。
「祖谷のかずら橋」は、追手から逃れるためにいつでも切り落とせるよう、シラクチカズラという植物で架けた、平家伝説ゆかりの吊り橋です。実際に渡るとスリル満点です。
▲大歩危
▲祖谷のかずら橋
▲鮎の塩焼きと「でこまわし」(こんにゃく)
▲道の駅「大歩危」に併設の「妖怪村」
以上、賢見温泉を紹介しました。