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温泉ソムリエの僕がこれまでに飲んだ温泉『飲泉』スポットを紹介します

「温泉ソムリエです」と自己紹介すると5人に1人くらいの確率で「やっぱり温泉飲むの?」と聞かれることがあります。

温泉ソムリエだからといって、いつも飲むわけではありませんが、ちゃんと温泉を飲むことができる「飲泉所」が温泉地もあります。

僕がこれまで飲んだ『飲泉』スポットを紹介してみます!


温泉を飲む「飲泉」について

温泉によって得られるよい効果のことを「適応症」と呼びます。この適応症は温泉のロビーや脱衣所に掲示されている「温泉分析書」に記載されています。

そしてこの「適応症」には「浴用による適応症」と並んで「飲用による適応症」というのがあります。つまり、入浴によって得られる効果と、飲むことによって得られる効果があります。

一方で、温泉を飲む「飲泉」については保健所の許可などの関係で、飲泉を出来る施設自体がかなり貴重で、珍しい機会です。

ここから、僕がこれまでに飲んだ飲泉を6つ紹介します!


浅虫温泉 飲泉所・温泉たまご場(青森県)

青森県の代表的な温泉地のひとつである浅虫温泉。温泉旅館やお店が並ぶ街の中をテクテク歩いていくと、足湯のそばに飲泉所が見えてきます。

源泉がそのまま出てくる飲泉所と、源泉を利用した温泉たまご場があります。温度がかなり熱めなので、気をつけてください。

無色透明の温泉でクセはないですが、ほのかに感じる温泉の香りと味がいい感じです。そして、この源泉で作る温泉たまごがめちゃくちゃうまい。平日も休日も、結構温泉たまごをやっている人がいます。

近くの浅虫の道の駅の直売所などで卵を買って、温泉卵にしてみてください。浅虫に来たら是非やってみてほしい!うまいよ!!

かごは備え付けがあります


ホテル竜飛(青森県)

『津軽海峡冬景色』で有名な津軽半島の先っちょ、竜飛岬。こちらの岬の先にどーんとそびえる立派な温泉ホテル、それがホテル竜飛です。

浴場の内風呂からも露天風呂からも、波しぶきの立つ津軽海峡を目の前にしながら入浴することができます。まさに海に入っている感じです。

そしてこちらのホテルには脱衣所に温泉水の飲料所があります。口に含むと温泉の複雑なミネラル感を感じます。

ちなみに先日、この近くにある青函トンネル記念館にも初めて行きました。ケーブルカーで地下のトンネルに潜っていき、青函トンネルを掘削した際のエピソードや実際の設備を見ることができておすすめです!(※冬季は休業です)

地下へ行く感がすごいケーブルカー


有馬温泉(兵庫県)

日本三古泉のひとつ・有馬温泉にも飲泉ポイントがあります。温泉だけでなくおしゃれなお土産屋さんやカフェなどがたくさん立ち並ぶ人気の温泉ですが、その中の坂道を登っていったところにありました。

外見かっこいい

有馬温泉の名物のひとつが、全国的にも貴重な天然の炭酸泉。ここの飲泉所には、「炭酸泉源」というかっこいい場所があり、蛇口をひねると出てくる感じでした。

持っていったペットボトルに汲んでみて、いざ実飲。それほど炭酸は感じなかったような気がします。三大古泉の有馬温泉を口からも感じることができて満足。

この後、代表的なスポットである公衆浴場の金の湯・銀の湯にも入ったり、名物のお菓子「炭酸せんべい」もゲットしました。

別府温泉 かまど地獄(大分県)

温泉といえば別府、そして別府の王道の観光地「べっぷ地獄めぐり」。竜巻地獄や海地獄など温泉の偉大さ、雄大さを感じる様々な地獄があるのですが、その中の「かまど地獄」に飲泉スポットがありました。

地獄の鬼たちに歓迎される

それがこちら、まさに「飲む温泉」。書いてある通り80℃で激熱なので注意です。インバウンドの多い別府の地獄、多言語対応もばっちりです。

そして隣には、温泉の蒸気を鼻から吸うスタイルの「のどの湯」もあります。もちろんやってみました。妻も一緒にいたはずなのに、気づけば一人ぼっちにされていました。

しっかりのどに潤いを与える男

ちなみに、別府では昔から至るところから温泉の蒸気がもくもくしているので、「地獄」の名前がついたそうです。


肘折温泉 カルデラ館(山形県)

山形県の大蔵村にある肘折温泉。山深くに入っていった場所にあるこの温泉地は、まさに湯治場といった雰囲気の温泉でした。

温泉街を歩いているだけでも不思議な風情があって楽しいです。名物の一つが朝市で、長期滞在や湯治のお客さんが宿で調理したり食べたりする食材が朝早くから並んでいます。

湯治場らしい町並みと朝市

こちらの温泉郷にある日帰り温泉施設「カルデラ温泉館」の中に飲泉所があります。

温泉街の中心から20分くらい歩いて行った「カルデラ温泉館」

館内に飲泉所があります。こちらも天然の炭酸泉の飲泉。口に入れるとしっかりシュワシュワが感じられます。自然の炭酸泉でこんなに炭酸強いんだ!とびっくりしました。

玉川温泉・新玉川温泉(秋田県)

最後は秋田を代表する温泉のひとつ、玉川温泉と新玉川温泉。二つの施設は車で5~6分ほどの距離がある別々の施設ですが、そのどちらにも浴場内に飲泉がありました。

こちらが玉川温泉
これが新玉川温泉。どっちも素晴らしい浴場です!

国内で最も強いとされるph1.2の強酸性の温泉。もちろん口に入れてもかなり刺激があります。飲泉場には冷水の口もあり、「38倍に薄めてご利用ください」の注意書きがあります。くれぐれも注意!

どちらの温泉も青森ヒバで出来た立派な浴槽にほれぼれします。源泉の割合や温度が何段階にも分かれて複数の浴槽があるので、自分にあった浴槽をチョイスできます。

玉川温泉は天然岩盤浴のエリアや98℃の源泉が湧き出している「大噴」など、火山活動で温泉が出来ていることをありありと感じる場所でもあります。(※玉川温泉は冬季休業。新玉川温泉は冬も営業します)

玉川温泉の遊歩道
源泉がずっとぼこぼこ湧き出している


こんな感じで、温泉を飲む「飲泉」について紹介してきました。

なお飲泉については、実際に入るよりも身体や胃腸への影響があると思います。各施設の注意書きなどをよく読み、体調や体質も考慮して判断頂ければと思います!

※記載の内容は訪問時の情報なので、変更している場合があります。

以上、僕が飲泉したことのある飲泉スポットの紹介でした!


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鎌田よしふみ|青森の温泉ソムリエ♨
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