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質問したくても「わからない」ことが「わかった」ときにだけしかできない?その答えが『いつも信頼される人がやっている「たったひと言」の質問力』でようやく解決します
経営者は言う「質問をしないやつを信頼しない」と。著者は言う「わかったつもり」の人ほど信頼できないと。
「猫」と聞いたときどんなイメージを持つか?
私は白くて毛並みがふわふわの猫をイメージする。しかし茶色も黒も毛並みもさまざまで同じ猫を連想した人は少ないかもしれない。そんな「猫」だけでも食い違うのにどうやって相手の言った食い違いを発生させずにイメージをすり合わせるのか?
実に難しい部分にアプローチしたのが本書であり、実際に行動に移して思考力をアップさせることを目的としている。
「その猫は白い猫をイメージしたんですがあっていますか?」「猫ってたくさんありますがどんなイメージの猫ですか?」と聞ける力が大切だと言われている。
もっとも難しいのはこの「猫」と聞いたときに「疑問」が発生する脳にするためにはどうしたらいいのか?という部分だろう。
例えば「ゴミを捨てておいて」とパートナーから言われたとしよう。「おっけー」と返事をするのか「捨てるだけでいいの?」と思えるかで捉え方が変わる。
ある家庭での愚痴に「旦那がゴミ出しのときゴミを捨てにいくことしかしなかった。あらゆる部屋のゴミを集めて袋を取り出し、新しいゴミ袋をセットしてゴミを出す。をしてほしい」というのだ。
普段から習慣になっている人からしたら「そんなことも言わないとわからないの?」と思うかもしれないが、できない人も少なくない。ここも「質問力」であり、「一度立ち止まって考えられるかどうか」が問われている。
この話は妻側も愚痴りたい気持ちをおさえて教えてあげてほしいと思うが、旦那側もどんなことでも相手と意見をすり合わせる質問力を鍛えなくてはいけない。
困ったことに「わからない」が「わかった」ときにしか質問できないのが人間の大きな悩みの一つだろう。本書を読んでいく中で「これができたら苦労はしないんだよなぁ」とツッコミをいれてしまう抽象的表現が見えてくるのだが、著者が発見した〝絵訳〟という絵にすることでイメージの解像度をあげられる技術に入る。
ここから話は質問の仕方から舵をきり、質問力を直接的に変えられるという発見を読者はワクワクしながら見つけることができるのだ。
先ほどの「猫」というワードも絵にしてみよう。私は白くてふわふわな猫をイメージしているので、そのような猫が絵として完成する。
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しかし相手が思っていることは?と1つ気になればその絵に対して相手の考える猫を絵にしようと考えるだろう。
ここが絵訳の最大のポイントであり、本書でもっとも学ぶべきポイントだ。
これが序章から1章で語られ、2、3、4章でやり方、使い方を詳しく解説してくれている。
質問力というタイトルは後付けのような感じで実は「絵訳をすることで思考力がアップする」というタイトルが本を読んだ後に湧いてくる。
問題は結局絵を書けばいいの?と悩んでしまうポイントだろうが、一つ紹介すると、絵日記をつけるという誰もができそうであり、「これおもしろそうだなぁ、やってみようかな」と時間がない中でも思考力がアップするなら子どもと絵日記をつけていこうかな?と感じるだろう。
子どもが寝たあとに家事をしたりして時間がない。人が多い。しかし子どもと一緒にやったら子どもとの時間も作れるし、自分と子どもの思考力アップに繋がり一石二鳥ではないか。
この本は親子で学ぶ思考力アップの本だった。自分だけではなく、子どもと一緒に質問力、思考力をあげたいなら取り入れてほしい1冊だ。
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