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【2024年】振込代行サービスの比較5選


振込代行サービス

先日クライアントから「当社にあった振込代行サービスを探してほしい」という依頼があったので調べてみました。

クライアント情報

毎月100件以上、銀行振込作業が必要。
先月実績は、取引先への一般振込80件、従業員の給与振込48件。
現在「セゾンスマート振込サービス」を利用中。
Excel(CSV)で振込リストを手作業で作成しているので、手間がかかる+入力ミスがあるから解消したいとのこと。

全銀システムのワナ

ネットバンキングで振込をする場合
①銀行名(銀行番号)・支店名(番号)・口座番号を入力

②金額を入力

③振込先の口座名義が表示されるので確認

④振込実行

ところが振込代行サービスの場合、今回調べたサービス5つとも③の振込先の口座名義を、半角カナ30文字以内で手入力しなければいけません。
振込先の銀行員がチェックしているらしいですが、厳しい人の場合は空白やローマ字まで完全一致が求められます。
今回のクライアントの場合も、口座名義をの入力のところでエラーが発生していました。チェック作業だけでも時間がかかります。

ネットバンキングが普及しているこのご時世「なんて不能率な⁉」と憤りを感じますが、少なくともあと10年はこのままでしょう。役人気質の銀行や金融庁、ITベンダーとのしがらみは、一般人には計り知れません。
かく言う私もSE時代に少し、ほんの触りだけ全銀システムに関わっていたことがありました……
全銀システムは、全国銀行データ通信システムの略で、スタートは昭和48年。

振込代行サービスの比較

どのサービスも、初期費用や月額は実質ゼロ円。振込データ1件あたりの手数料も、そこまで大きな差はないです。
新規の振込先が登場した時に振込エラーが発生しやすいので、チェック作業が大変なのには違いがありません。
また、会計ソフトや給与計算ソフトとデータ連携できるのをメリットとして挙げているところが多いですが、Excel(CSV)でエクスポート→インポートと、結局は手作業っぽいです。

1.セゾンスマート振込サービス

現状は、過去に振込をした取引先の振込先リスト(銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義)をExcel(CSV)にまとめて、同じくExcel(CSV)の振込データにコピペしています。
Chromeなどのブラウザ上で入力作業ができないのが致命的だと思ったのですが、よくよく見直すとできました!
前任の税理士から、Excel(CSV)でデータ入力する方法しか教えてもらえませんでした……

振込先リストを作成できますが、項目は振込に必要最低限必要な情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、半角カナの口座名義)のみです。
また、リストの検索機能はなく、並べ替えもできないのは難点です。
しかも振込データを作成すると自動的にリストに追加されるわけではないのもマイナスポイントです。

データ締切は、一般振込は当日11時30分まで、給与振込は3日前16時まで。
振込エラーがあった場合、振込日当日1回だけ修正が可能です。

2.楽たす振込

取引先への一般振込と従業員の給与振込を分けてデータ入力できるのは、現場での管理上は地味にうれしいです。
事前に振込先の口座情報が間違ってないかの事前口座チェックがあるのはかなり魅力的です。振込日当日にエラーが出て、急いで修正するのは精神的にきついです。
もっとも、システムが機械的に1日2回事前口座チェックしているだけなので、振込日当日に振込先の銀行員が目視でチェックするとエラーが出る場合も無きにしてあらず。とは言っても、相手口座が実際にあることをシステムチェックで確認できるのは大きいです。

振込データを作成すると自動的に振込先リストに追加されます。振込情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、半角カナの口座名義)以外に、全角ひらがなで会社名の項目があります。検索機能はアリ、並べ替え機能はナシ。
請求書のPDFを振込データに添付できるのも、チェック作業が楽になりそうです。
データ締切は、一般振込は前日14時まで、給与振込は3日前14時まで。

MJSの会計ソフトと給与計算ソフトを使っていれば、ワンクリックで振込データの連携ができますが、今回のクライアントの場合、この機能のためだけに既存の会計ソフトを変更することはないと思います。

3.ウェブフリコム

ウェブフリコムのHPには、事前口座チェック従業員の給与振込のみで、取引先への一般振込は対象外とありますが、実際は一般振込も対象。
さらに振込先の銀行員が目視でチェックしているので、振込日当日エラーの発生率は0%!
ただし確認まで6営業日かかるので、直前の振込データはチェックの対象外。

取引先への一般振込と従業員の給与振込を分けてデータ入力可能。
振込データを作成すると自動的に振込先リストに追加されますが、振込情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、半角カナの口座名義)のみ。検索機能はアリ、並べ替え機能はナシ。

請求書PDFを振込データに添付する機能はナシ。
データ締切は、一般振込は当日11時30分まで、給与振込は3日前16時まで。
他と比べて、振込データ1件当たりの手数料が若干高め。

4.らくらく送金

GMOのサービスで安さが売り。
操作画面もシンプルで使いやすそうです。
一般振込と給与振込の区別はナシ。
請求書PDFを振込データに添付する機能もナシ。
振込先リストについては不明。
カード決済や後払い決済などフルラインナップのサービスがありますよ!っていうのがGMOのウリです。
振込代行サービスは、GMOのフルラインナップのための後付けピース感がありました。個人的な感想ではありますが……
今回の調査では、他の会社は電話窓口やZoom打ち合わせ、デモ環境を見せてもらいましたが、GMOは質問窓口の扉が狭かったので、あまり踏み込んで調べなかったです。
GMOがやっている他のサービスを並行して使用するなら、検討の余地アリかもしれません。

5.ペイトナー請求書

請求書PDFデータから、AIが振込データを自動入力してくれます。人の目でもチェックしているので、精度は99.9%!
……他のAI、例えば会計ソフトのAI機能もそうですが、やはり初回のデータチェックは人の目でやらないとダメだと思います。
そもそも請求書に半角カナの口座名義が記載されていない場合は、どうしても人間の手入力が必要になります。

とはいえ、2回目以降のオペレーションは断トツに楽になるはずです。
ペイトナー請求書自体は振込代行サービスというよりも、請求書の回収→保管→未回収チェックと、請求書管理システムの色合いが濃いからです。
特定のメールアドレスに請求書PDFを送ると、自動的に振込までやってくれます。
取引先にそのメールアドレスにもCCで送ってもらった場合、以下のオペレーションが不要になります。
・担当者が取引先から請求書を回収。
・担当者が振込担当に請求書を共有。
・振込担当が請求書から振込データを入力。

請求書PDFを元にAIが振込データを作成するので、振込データには必ずPDFデータは添付されています。
AIに頼らず直接入力することも可能です。過去に振込をした取引先であれば振込先リストから口座情報を引用できるらしいですが、デモ画面では口座情報にどんな項目があるのかは不明でした。
データ締切は当日。平日9時~21時まで1時間ごとに振込実行をするので、エラーが出てもすぐに修正すれば1時間以内に振込完了します。

と、ここまではメリットばかり書きましたが、以下デメリット。
①AIの振込データ化は請求書をアップしてから7日かかります。月額5000円を払えば最短10分。
②従業員の給与振込は、請求書がないのでExcel(CSV)の手作業。
③事前口座チェックはナシ。
④GMOあおぞらネット銀行の専用口座の開設と、請求書PDFアップロードの専用メールアカウントの設定が必須。

運営会社は設立5年目、振込代行サービスは2年目なので、問題点は今後改善されると思います。窓口の営業担当の方が好印象だったのと、契約後のサポート体制もしっかりしてそうでした。

その他

invoxやBill Oneは資本力のある会社が運営してますが、請求書管理システムで振込代行はやってないです。振込データが1000件あるような大規模な会社向け。
1か月分の請求書をまとめて郵送すれば「振込代行しますよ。ついでに会計入力もしますよ」という会計事務所やアウトソーシング会社がありますが、別サービスの提案の電話やメールが頻繁に来ます。

まとめ

普通の比較サイトだと客観性重視ですが、主観強ですよね……
どこからもペイメントは発生してないので自由に書かせていただきました。(ペイトナーは、会計事務所に紹介手数料のキックバックあり。営業担当の方がイケメンで爽やかでした)

今回調べて思ったのは、単なる振込作業だけの問題だけでないということです。請求書の回収やクライアントからの情報共有、ひいては会計入力まで、全体的なオペレーションを見直す余地がありそうです。
振込代行サービスから会計ソフトにワンクリックでデータ連携できるのが、当たり前になる日が早く来ることを望みます。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。
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