Platform #1
田舎の駅の誰もいないホームで
電車を待っている。さっきからずっと。
誰もいないホームで
呟いている。とりとめもない思考。
人は何処からやって来て
何を成すために在るかとか
記憶と夢の在処とか
これから何処へ向かうかとか
有象無象。とりとめもないことを。
田舎の駅の誰もいないホームで
死に場所を探している。いつからかずっと。
ビール缶を片手に
世捨て人チックな風態で。
女子高生の集団がやって来て
少し賑やかになった駅のホームで
死んだ目で俺は
これから何処へ向かうというのか。
嘘つけよ。どこにもないだろう
そんなものは。
「ダセェな。」
呟いた声は驚くぐらい掠れていて
自分じゃないみたいだったけど
それが俺じゃないとして
一体、何が変わるっていうのか。
感じて。描いて。考えて。
消して。また書いて。考えた。
痛みは、痛みのまま
痛んだまま消えないし戻らない。
そんな事はもうとっくに
分かっていたはずなのに
もうすぐ陽が暮れそうな
田舎の駅の寂れたホームの片隅で
俺は待っている。さっきからずっと。
いつから俺は待っている。
何のために。
向かう場所も目的もないのに。
どうして俺は待っている。
いつからおかしくなっちまったのか。
考えて
思い出そうとして
考えて
分からなくて
頭を抱えて
叫んで
飛んだ
悲鳴
ずっと待ってた
電車の
ヘッドライトが目の前にあった。
あぁ…俺はまだ考えている。
これであなたに逢えるだろうか。
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