自己肯定と旅
今回は旅日記ではなく、旅をする事と自己肯定感の上昇の関連性についてを記載したい。
自分の事を語って申し訳ないが、恥ずかしながら自分は10代~20代半ばまでは内向的で非常にひねくれた考えを持ち、物事を悪い方へと考えて何もしない事を是とする言ってしまえば陰キャだった。しかし、食に関する興味だけはあったので、周囲にあまり知られてない店に行く事をひそかな楽しみにしていた。そんな自分が何故旅に出るようになったのか?と言う事であるが、きっかけは物凄く単純で些細な事である。
働き始めて2年程経った時、美味いメシを食いたいという理由だけでその当時住んでいた町の近くにある栗駒山と言う場所に梅干しおにぎり2個と水筒をトートバッグに入れてジャージとテニスシューズを履いて登りに行ったのである。今から考えるとなんと言う事をしてるんだと思うし、怒られそうであるが、今現在こうして生きて記事を書いているのでそこは目を瞑ってもらえれば幸いである。
麓から山頂までは途中で寄り道をしたりして2時間くらいかけて登った記憶がある。山頂に着き、流れる雲と眼前に広がる樹林帯と平野を見ながらバテバテの体に入れる冷たいお茶と梅干しおにぎりが非常に美味であった事はよく覚えてる。そこから自分は山と言う物に夢中になり、美味い食事をしたいという理由だけでキャンプ道具や登山道具をそろえ、東北の山や信州の山にソロで登山をする事が多くなった。
当時自分は岩手県に住んでいたのだが、長野までは車で600km。それを自分一人で運転し、自分一人で荷物(およそ20kg程)を担ぎ、登るのである。当然、周りに頼る人はいないので全て自分一人でやらなければならない。そうなると、生存する為や最大限に楽しむ為に各方面に神経を張り巡らせるし、終わった後は達成感があるので次もまたやってみようと前向きにチャレンジする気になれた。百々のつまり、自分に対する自信と言う物が少しずつついてきたのである。それからは様々な事に目を向ける様になり、神社参拝やバイクでのキャンプツーリングと言った事をやるようになった。
行動範囲が広がるというのは自分自身への自信や肯定と言った事につながりやすく、結果論になってしまうが仕事に対しても様々な事に挑戦を行い、遂には昔の自分にはどう頑張っても手の届かない雲の上の存在だった旧帝国大学の大学院で再び学問をする機会に幸いな事に恵まれた。山で美味いメシを食べるという小さな願いからここまで来たのだから、旅をするという事は自分の人生や思考と言う物を良い方向へ変える非常に良い事象であると自分は考えるし、これからも旅をしていきたいと思う。
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