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木曽駒ケ岳登山~2024ver~②

千畳敷から木曽駒ケ岳方面へいよいよ登山開始となったが、前回の写真をご覧になればおわかりの様に、あの急登を22㎏の荷物を担ぎながら登っていた為写真を撮る暇が無く、急登を登り切ってからカメラを構える余裕が出てきた様な状況である。とは言え、登り切ってしまえば比較的緩やかな砂利道であり、足元に気を付ければとても歩きやすかった。

千畳敷カールを登り切った先の写真

赤い屋根の小屋を超えて、向かいの山を超えて一度下った先に本日テントを張る山小屋が見えてくる。一度来ているので地理感覚があり、精神的には苦にならなかったのは幸いだった。しかし、風が冷たく、これはちょっと夜は冷えるかもしれないなとこの時からすでに考えていた。そして、その予感は一番当たって欲しくない時に命中するのだが、それはまた後で話そうと思う。

左向かいに見えるのは御嶽山。正面が木曽駒ケ岳頂上

テント場に着いたが、連休後半の為か人がほとんどいなく、自由に張れる事が出来たので、トイレから若干離れた比較的広めの所にテントを張った後、まだ体力があったので向かいの峠に行こうとなり、また再度歩き始めた。稜線歩きは気持ちよかったのだが、立ち上がる雲を見て10年前のトラウマを思い出し、果たして大丈夫かと内心不安に思いながら歩いていた。


正面の厚い雲が10年前のトラウマを思い出させる

峠まで90分歩いた後、日が傾きかけてきたのでテント場に戻り、待ちに待った夕食の時間となった。家からバランタイン17年と昔のカティーサークを持って行ったのだが、体が冷えていたのでお湯を沸かし、ホットウイスキーにして飲んだ。これがとても美味しく、冷えた体にはとても染みる味だった。

灯油バーナーでお湯を沸かしてる。水は当然湧き水である。

なんとなく嫌な予感がしたのでカレールーを忍ばせたので、夕食はカレーにする事にした。寒いからと言う事でスパイスたっぷりのカレーを選んだのは正解だったなと今でも思う。ちなみに、食材としてはスーパーで売ってるカレーの具材セットを使ったのだが、あれは非常に便利だと思う。山頂で具材を切る必要はないし、肉は真空パックのサラダチキンを使えばチキンカレーが15分位で出来てしまう。文明の利器様様である。

山頂で食べるカレーのなんと美味な事か。

食事が終わり、いよいよ夕方となった。普通なら皆テントに戻ってゆっくりする時間だと思うが、自分は違う。ここからが本番であり、宿題回収の時間である。ザックにカメラ、レンズ、三脚、水、衣類を入れ防寒対策をした上で木曽駒ケ岳山頂へと向かっていった。

雲は出ている状況ではあるが…

雲は出ているが、上昇する気配はなく移動も早い。そして、段々と気温が下がっている状況だったので、恐らくこれ以上雲が上がる事は無く、時間の経過と共に晴れてくるだろうと考えて山頂へと向かった。と、いうよりも宿題の回収と今回一発限りでしか撮影の出来ない写真を絶対に撮るという執念が自分を山頂に向かわせたのかもしれない。

山頂でコンパスを見ながら西の空へと三脚とカメラをセッティングし、流れる雲をボーっと見ながら立っていると足元に何やら気配を感じたので恐る恐る目線を下げると、何と雷鳥が自分の足元で止まっていた。10年以上登山をやってるが、こんな間近で雷鳥を見るのは初めてである。そーっとカメラを三脚から外し、歩いて行った雷鳥にフォーカスを当て、何枚かシャッターを切った。とはいえ、動きが素早くまともに撮れたのは数枚である。しかし、それでも自分には十分な収穫だった。

夕日に染まる木曽駒ケ岳山頂
雷鳥。動きが素早かった。

次回は宿題の答え合わせと執念で撮ったもう一つの写真についてを話したいと思う。

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