お正月の「獅子舞」は、なぜ頭を噛んでくる?
新しい年を迎え、皆さま清々しくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
三箇日の東京は寒い中でも太陽の下ではぽかぽかとあたたかく、青空が広がる素晴らしい陽気をいただいてのお正月となりました…✨
今年も本殿には、戦前以来“80余年ぶり”にお目見えした獅子を設え、皆さまをお迎えしました。
今月授与しております「迎春」特別御朱印も、この「獅子舞」がモチーフです。「疫病退散」を祈念し、芽出度くあしらいました🎵
今回はそんな「獅子舞」についてのコラムです👀
◆正月の縁起物「獅子舞」。なぜ頭を噛んでくる?
獅子頭を見ると、正月の活気のある情景が浮かびますよね…! 幼い頃に噛まれた経験のある人も多いのでは?
日本人にとって獅子は空想上の聖獣であり、邪気を払い疫病を伏せる信仰の対象でした。
お正月に見かける獅子舞は「邪気払い」や「疫病退散」の意味を持つ正月の縁起物です。
7世紀に中国から伎楽と共に伝来し、“舞場の邪気を祓う舞”として演目の最初に演じられたという記録が残されています。
現在、獅子舞は神楽や田楽にも採用されるなど多様な伝播の形を見せ、日本で最も数が多い民俗芸能といわれています。
獅子舞は神事の要素を多分に含んだ民俗芸能で、獅子が頭を噛むことは、「邪気払い」に通じる招福の行為だったのです。
◆約80年もの時を経てやってきた獅子頭
令和3年の春に当社神輿庫奥の最深部から発見された、戦前以来“80余年ぶり”となる一対の獅子頭。
その造りは素晴らしく、表情や大きさも見事な逸品で、金箔の上に漆塗りを行うという「白檀塗」という漆塗りの上位の手法が用いられたとても立派なもの❢
資料は残っておりませんが、恐らく戦前までは子供達が神輿の代わりにこの獅子頭を担いで神賑をしていたのではと推測されています。
歴史とロマンを感じますね…!
ただこの獅子頭、漆の剥離や木部の破損も多く、獅子舞や神輿代わりに担ぐには大幅な修復が必要…ですが、折角の機会ということで正月期間中に限り、疫病退散の願いを込めてお正月の威儀物として本殿にお飾りをしております✨
参拝の折には是非ご覧ください♪