オーストリアの山登り自転車レースに連行された
山登り、してみたいですよね。したいんですよ。という半ば強制的なお誘いを受け、今回はオーストリアはクフシュタインで開催されたKufstein Radmarathonに参加します。
ヒルクライムイベントといえばフジヒルや榛名山ヒルクライムなど多々とありますが、ヒルクライムしてるだけで何が楽しいのかという坂嫌いの私ですが、今回は諦めての参加となります。
今回のコース
今回はドイツとオーストリアの国境付近の街を起点に120km1800mアップのコースとなります。
実はクフシュタイン近郊で行われるイベントは計3つほどあり、今回のは3番目、1番最後のイベントとなります。9月開催のイベントということで朝は肌寒く、昼は昼で暖かくなるという1日を通して調整が効きづらい季節でもあります。ただ、その代わりに炎天下の中は知らなくても良いという若干のトレードオフを感じながら走ることになります。
現地には前日入り
今回は仕事の関係で半日休を取って前日の夜に現地入りすることにします。
本当は自転車チケットを買ってICEにそのまま載せたかったですが、残念ながら売り切れということもあり、例に漏れず輪行状態で現地まで持っていくことにします。
見事に30分遅れてICEがフライブルク駅に入線して乗り込みます。
搭乗してから乗務員さんにこの自転車どこに置けば良いかな?と言った結果、机の上に載せちゃいなと言われます。
(おそらくですが、今回は自転車をおくスペースがなかったための措置だと思うので、一度乗務員さんにどこに置くのが良いか確認するのがベストかと思います。)
乗務員さんもここに載せるのを手伝ってくれたので、どうやら聞き間違いでは無いようです。良いんか、これで……
ともあれ、Mannheimで乗り換えてKufsteinまで向かうことに。
途中マンハイムからミュンヘンあたりまでは寝ていたため、ほぼ記憶はありません。
現地に着いてからは、いつもの如くKさんや他の面々と合流してホテルのベットへ飛び込みダイナミック入眠します。
良い朝だ
正直肌寒いです。半袖半ズボンで走るのをやめようかなと思っているところ、どうせ暖かくなるから今耐えれば良いんだよと言われます。
まぁ、走れば体温くらい上がるだろうと見切りをつけて出発します。
ナンバー受け取りへ
今回は前日の夜に現地入りしたため、この出走前の時間でゼッケンを受け取らなければいけません。
急いで受け取りますが、本来貰えるはずの自転車用の靴下とサングラスはもらえませんでした。正直サングラスは要りませんが、靴下はありがたいので少し残念です。と言っても出走まであと10分を切ったので、急いでゼッケンを自転車や自分の服につけて出走列に行きます。
割とみんな当日受け取りをして、受付会場前で上裸でゼッケンをつけている人は多かったです。
無事に出走列に並んで出発します。めちゃくちゃギリギリでした。
並んだ瞬間に雷管の弾き飛ぶ音が聞こえ、列が動き出します。
出走開始
肌寒いです。
やはり脳筋の戯言には付き合わないほうが良いのかと思いましたが、この後暖かくなったので最初だけ耐えるのを頑張ります。
ロータリー等を抜けて最初の坂区間に突入します。
さすがクフシュタイン、めちゃくちゃ景色が良いです。
ただ今回の乗っているトレインはなかなかに速く、左からゆっくりと走っている人を抜かしていきます。
そうすると聞き覚えのあるXperiaに搭載されているアラーム音が鳴り始めます。
みんな誰のアラームだみたいに周りをキョロキョロし始めます。
自分はXperiaを愛用しているので、このアラームの発生源は自分じゃないかと疑い、背中ポケットに入っている携帯をみて、何もないかを確認しようとしたら、
「あ、俺だわ」
と、前にいるオーストリア人の人が言いました。みんなおはようなど冗談を言っていたので、スヌーズモードにだけはするなよ~と自分もふざけて言っていたところ。
「あ...…また10分後にチャレンジするわ」
みんなでいいペースメーカーじゃんと云い、その場では笑いが起こります。
このくらいの緩さが市民レースの良いところです。
この登り区間の地味に長い時間をこういう会話や綺麗な景色で紛らわしています。
といってもきついのには変わりませんが...…
そうこうしているうちに8人ほどの集団になってしまい
普通にハイペースです。ここに残った人は最初の登り区間が終わり、下りでアホみたいな速度で下った頭の悪い連中です。約25kmほどの区間、このミュンヘン在住のNaoさんが牽くに牽いて平均37km/hで下っては登ってを繰り返していました。
このとき自分はついていくので精いっぱいだったのに対して、このNaoさんは先頭で近くの人と話しています。
やはりレベルが違うなと思うところではありますが、こういう人たちに食らいついていけるのはこういう市民レースの特典です。
ちなみにこの方はミュンヘン近郊に拠点を置くVereinでトレーニングやBDR公認のレースに参加している方なので普通に速いです。
そうこうして55km地点の補給所でボトルの水を入れてもらいます。
この時点で先ほどまで一緒だったNaoさんはここに寄らず先に行ってしまったので、なるたけこの距離を離すまいとボトルに水を入れてもらい、先を急ごうとしたところ補給所のお姉さんが朝ごはん食べたの?これ食べていきな!!と言ってくれました。
ありがたいのですが、ここから後ろには大きな集団が遅れてくるのでできれば今前を走っている集団を追いかけるほうが現実的です。
なので、ごめん、でもありがとうと言って去ろうとしたら、袋に入ったパウンドケーキみたいなのを持って行きな!と渡してくれました。
基本的にこういう補給所にいるひとはボランティアの方で、めちゃくちゃ親切でレースの食事情などに明るいため、いろいろとお世話を焼いてくれます。このあとこの補給食のおかげで次の補給所まで走りきれた節もあるので、今となっては頭が上がりません。
このレースでは約2400kcalを消費しました。ちなみにですが、ラーメン一杯のカロリーは約600kcalであり、このレース中では約4杯分のラーメンを消費したとも云えます。
この補給食一個当たり100kcalくらいですが、このおかげでと思うとこういう軽食も馬鹿にできません。
そんなこんなで再出発
ひとまず作戦としては先行集団に追いつくこと。
これまであの集団で走っていて、平地や簡単な丘程度であれば問題ないものの、いざしっかりとした山登りになると結構遅くなるのは分かっていたため、これに追いついて残りのゴールまでの平地をその集団で走ろうという作戦です。
途中何人か前の集団から遅れている数人を見かけましたが、どうやら完全に協調ではなくなり、一部の人で先に行ったっぽいです。
ただ、とりあえずこのまま走り、同じ走力の人を下りまでに探すことにします。
いい感じの人いた!!!
下山して少ししたら無事にいい感じの集団になることが出来ました。
後はこの集団で30kmほど耐えればよいだけです。
この時集団の大まかなペースとしては30km/hということもあり、到着予想時刻は1時間後。
正直ここ最近30kmを超える距離を走っていなかったため、途中既にお腹いっぱいというか、長いなぁと思っていました。
なのでやっとあと少しでゴールに行けると思い、補給食をパクパクしながら耐えることにします。
あとすこしの思いでゴール!!
この上の写真の白い門と手前に赤い門がありどちらがゴールかがわからず、奥まで行くのか迷っている図です。
本来ゴール横には計測器や黒いセンサーテープみたいなのがあるのですが、手前の白い門にはなかったため奥の門にあると思いスピードを維持して走り続けます。
いや、ちげぇ、もうゴールしてるわ
めちゃくちゃアホ面をしながら撮られました
そんなこんなでゴールです。
120kmを約4時間ちょいで完走。平均約28.6km/hで走っていたことになる計算です。獲得標高1800mもあるなかこの時間でゴールできたのはなかなかに良い記録でした。ちなみにNaoさんは自分より10分早く到着していたようです。さすがとしか言えないです。実はこのほかに二人いたのですが、もう一人はNaoさんよりも少し早く到着していたようで、まだまだ自分も遅いなぁと感じました。
ミュンヘンに帰る
とりあえず祝杯
毎度のことですが、レースで事故なく帰れるのが一番大事なことです。
ということで無事に帰れたことを記念してミュンヘンにて謎のうどん屋さんでご飯を食べることに。
ミュンヘンといえば、ビール。Hofbräu(ホッフブロイ)のHellesと一緒に頂くことに。
味は、アジアンうどんということで普通においしかったです。一緒にご飯も頼んでおいたのですが、わりとごはんがススみます。
ということで、今回はおそらく今年で一番自己成績が良かったレース、且ついろんな人と喋れた楽しかったレースでした。
次はミュンスターにイタリアのイルロンバルディアが今年の残りレースです。ミュンスターは最悪なレースだったので除外かもしれないですが...…
ではまた!