ステーキ丼
ステーキを食べたくなった。念のため、牛肉のステーキだと限定する。チキンステーキやポークステーキ、ラムステーキと云った肉系だけでなく豆腐ステーキ、こんにゃくステーキなんてものまである。ただステーキとだけ表記や発音をしたなら牛肉のステーキであると云うのは暗黙の了解と云うか自然の流れと云うかまあそう云うことになる。ステーキを食べたくなった。ここでまた選択肢があって、外食するか自宅で作って食べるかである。どちらの方が強い気持ちかと考えると、やはり眼前の鉄皿の上で300gだの1ポンドだのの牛肉がじうじうと焼けている実況感まで含めて楽しみたいと云うのなら外食を選択するのであって、そちらの方が気持ちが強いと思う。とにかく焼いた牛肉をシンプルに、そして量はそこそこ（この場合200g程度を指す）で良いので食べたいとなれば家で作る方がよろしい。近所のスーパーで輸入のオージービーフのステーキ用肉を買ってきて自分で焼いて食べれば500円だか600円だかの支出で済む。そこに牛肉のランク付けだの銘柄だのは介在しない。さあ牛肉を焼こう。
牛脂だのバターだのは使わずにオリーブ油で焼く。この一年ほどは焼きそば探究を頻繁に行っていたため、フライパンの扱いはお手の物の自画自賛である。自分でもちょっと驚くほど上手に焼けた。これをご飯の上に載せればステーキ丼の完成である。
これがその自作ステーキ丼。ステーキでも焼肉でも、お肉を食べる時には僕はとにかくご飯が欲しくなる。だから丼にするのは自然な流れである。何だか良い写真が撮れた。それだけでもかなりの満足を感じる。
味付けは必要最小限の塩とコショウだけ。ちょっと物足りなく思う。ここで醤油の登場と相成る。肉を焼いたフライパンに残った脂を熱して醤油を入れて煮詰めてステーキソースを作るなどの手間はかけずに、ただそのまま生醤油をかければよろしい。そうすると今度はワサビが欲しくなるのだ。冷蔵庫に常備のチューブのワサビで構わない。ワサビも載せてみる。
これで更にルックス的にも落ち着く。さあ食べよう。肉にかぶり付いてご飯を食べる。ウマウマウー。ワイルドでなかなか良い。でも近所のスーパーで買ったオージービーフはちゃんと筋切りをしたつもりでもやはり噛み切り難く、サバンナのライオンやらチーターやらが捕らえた獲物の肉をギーッと引っ張って噛み千切ろうとする行為を遙か彼方の日本の昼下がりに僕もギーッとやっていた。どうにもこうにも食べ辛い。見た目より実用性。改良型を連続して作ってみた。
もう一片のステーキ肉を予めキューブ上に切り分けてご飯の上に載せることにしたステーキ丼の逆襲。ウマウマウー。これでイイじゃないか。お肉は程好く火が通り、筋っぽいところはあるものの噛み切る努力は必要ない。これを生醤油とワサビで食べていると、何か海鮮丼のスムースさに通じるものがあると感じた。僕にはご飯の上に醤油を付けたマグロの刺身を載せて食べるのが世界で最もウマイモノ（の一つ）であると云う持論があり、このステーキ丼はそれに近いご飯と醤油とトッピングの三位一体を味わえる。ああウマイモノを食った。明日からは、野菜もちゃんと食べようと考える。
ステーキと云えば東京は目黒の『リベラ』が直ちに頭に浮かぶ。古今東西プロレスラー格闘家御用達のステーキハウス。1ポンド（450g）などペロリと食べられる。
大阪北新地の『堂島精肉店』では高級なシャトーブリアンも超リーズナブルなお値段で戴ける。キューリのしばきも焼そばもウマイ。カウンター席が空いていないと、調理場の調理台や精肉の冷蔵ケースをテーブル代わりにして食べることになる。
東京蒲田に出来た沖縄発のステーキハウス『やっぱりステーキ』も良い。那覇で深い時間まで飲み耽って、明け方にフラフラになりながらステーキとライスを食べて締めるあの楽しさを忘れはしない。石垣島には深夜まで営業の『喫茶ゴードン』があってそこでも深い時間にステーキを食べるのが慣わし。僕は世界一ウマイスパゲティミートソースを食べるけれども。
牛丼チェーンの『松屋』が提供しているビフテキ丼。ステーキとビフテキはどう違うのか改めて調べることにする。
お肉を食べて元気にやり抜こう。気が付けば今年ももう9月半ば。悲しい事件も多く、理不尽がまかり通った2021年であるけれど、少しでも多くの楽しいことや面白いことを捻くり出して皆さんにお届け出来るようにがんばる。音楽も焼きそばも更に突き詰めて、そしてレトルトカレーの準備もしています。お楽しみはこれからだ。
ブログ『世界の涯で天丼を食らうの逆襲』記事
・東京目黒のステーキハウスリベラ
・大阪北新地の堂島精肉店
・東京蒲田のやっぱりステーキ
・松屋のビフテキ丼
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