中農和牛カレー
今回はカレー。とてもレアなレトルトカレーを戴いたのでご紹介したいと思う。
中農和牛カレーである。中農と云ってもソースの中濃ではない。神奈川県立中央農業高校、略して中農である。その中農の畜産科学科の生徒たちが作り上げて、文化祭(秋輝祭と云うとのこと)で販売したカレーをお裾分けしてもらったのだ。
それまでの文化祭では和牛串焼き食べ比べセットなどを提供していたのだが、コロナ禍でそれが難しくなって、2021年に苦肉の策で3年生の生徒たちがカレーのスパイスの配合から取り組んで、自分たちが育て上げた和牛1頭を使ってレトルトカレーを作り上げ、販売したのが始まり。僕が戴いたのは2022年の3年生が、前年のスパイス配合を受け継ぎ、A5ランク評価の黒毛和牛で作ったもの。大変にレアなカレーである。心して戴きたい。
アッと云う間に出来た。深いブラウンのカレーである。和牛の肉がごろごろと入っている。期待が高まる。
大変に良い匂いがする。イタダキマス。
ウマウマウー。こりゃウマイ。どっしりとした深みのある旨味。カレーのスパイスは幅広い年齢層に受け入れられそうなスタンダードでオーソドックスな感じ。辛さはかなり控え目。フツーにウマイ。でも凡百の仕上がりではない。僕の頭の中では自分の今までのカレー履歴をリサーチして何かと合致しないかと検索機能フル回転。でもなかなか合致するものがない。
ウマウマウー。このほろほろにやわらかくなった牛肉を食べて、ふと思い立った。大阪のインデアンカレーを辛さ100分の1くらいにして、甘さも10分の1くらいにしたら、このカレーの感じに近いのではないか。僕はインデアンカレーにスパイスの華やかさや甘味の驚きだけではなく、牛肉の旨味パンチを感じるのだ。中農和牛カレーにその同じようなパンチを感じた。我ながらスゴイところに思い至ったと思う。
実はもう一つ戴いていたのだ。このカレーにワタシの煩悩をたっぷりと注ぎ込んでカスタマイズしたらどうなるか。中農の生徒さんがどう思うか判らないが、こんな僕を許して欲しい。最初に謝っておく。
こうなった。まずは生玉子、全卵投入である。そしてお肉追加。豚肉薄切りを軽く生姜焼き風に味付けしたものも追加。ボリューム満点、煩悩炸裂、グラマラスな中農和牛カレー煩悩バージョンである。
大阪のインデアンカレーは玉子入りだと黄身だけであるが、申告すると全卵にしてくれる。僕は全卵コールを忘れない。カレーの旨味と生玉子の優しさがお互いを引き立て合うのだ。そして豚肉投入は横浜のスタミナカレーでお馴染みのバーグを思い出したからに他ならない。ご飯に豚生姜焼を載せて、カレーをかけて、生玉子を落とすのがスタミナカレー。このコンセプトも導入した。牛肉と豚肉の両立についても意見は様々あるであろうが、先日惜しまれつつも閉店した京都西院の野口商店の焼きそばミックスであれば牛肉と豚肉は両方入っていても問題なく共存すると云う実証があるので僕はこれを断固肯定するものである。なんのこっちゃ。イタダキマス。
ウマウマウー。僕の予想は大当たり。ヒジョーにウマイ。中農和牛カレーと生玉子の組み合わせはドンズバである。予想以上の相性の良さ。自画自賛の嵐。たまらんねこれは。
ウマウマウー。生玉子がカレーのスパイスを鎮めるのではなく、かえって引き立てているように思える。同時に牛肉の旨味もパワーアップする。カレーに生玉子、どんなカレーにも生玉子が合うわけではないが、この手間暇かけてしっかり作られたカレーなら大丈夫だろうと云う目論見は見事に当たった。豚肉も問題ない。カレーがしっかり勝つ。強いカレーであると改めて認識。中農和牛カレーブラボー。
ウマウマウー。突出したハイライトはないのだが、チームプレイの勝利。またこんなウマイカレーが出来たならお裾分けを願いたい。いや、僕は中農の文化祭に行ってみるべきか。日程が合えば行ってみたい。そして情報によれば中農玉子と云うのもあるらしい。興味津々である。楽しみにしていよう。神奈川県立中央農業高校畜産科学科の生徒の皆さん、美味しかったです! 御馳走様でした!
末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫