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茹で玉子

僕の人生の最大の敵の一つだった茹で玉子。茹で玉子が食べられなくて子供の頃は本当に苦労した。小学校の給食で茹で玉子が出る日は数日前から憂鬱で、当日は泣きながら学校に行ったこともある。味がどうこうよりも匂いがダメだった。給食の時間になって、クラスでみんな一斉に茹で玉子を剥き出すとその匂いで卒倒しそうになった。誰もこの苦しみを理解してくれなかったし、理解してくれようともしなかった。小学校5年の3学期からは他の小学校に転校したのだけれど、そちらでは給食教育が緩めで、嫌いなものは友達にあげたりしても良いのだった。茹で玉子を好きな友達がいつも僕の分を食べてくれた。その代わり彼が嫌いなプロセスチーズなどを僕がもらっていた。心からありがたいと思った。今でも心から感謝している。

その頃は僕が茹で玉子を食べられるようになるなんて思いもよらなかったけれど、驚くことに今は大丈夫。どこに分岐点があったのか自分でも良く覚えていないのだけれど、今ではラーメン店の券売機で味玉のボタンを押す人間になった。以前この話をお父ちゃんにしたら煙草を止めた時と同じくらいのリアクションがあった。「あんなに嫌いだったのになぁ」と本当に驚いていたようだった。野球だったら敵チームの打者で、どんな球を投げても打たれていた嫌なヤツが、トレードかFAで突如としてチームメイトになったような感じか。味方になったのならこんなに心強いことはない。今シーズンもはりきって行こう。

茹で玉子が嫌いだったので茹で玉子を作ったことはこの人生で殆どない。その茹で玉子を初めて誰の手も借りずに作ってみた。ネットにあるレシピや作り方動画を散々見て、これなら失敗がなさそうだと云うのを見定めて調理開始。

・鍋に水を1㎝くらい張る
・卵を鍋に入れる
・水が沸騰するまで強火
・沸騰したら蓋をして中火で3分
・火を止めてそのまま5分
・殻を剥く
・出来上がり

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殻もつるんと剥けてあらキレイ。簡単に出来るとは書いてあったけれど本当に簡単だった。

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茹で玉子はラーメンに載せました。ちなみにラーメンは利尻昆布ラーメンってヤツです。

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割り方は雑ですが、黄身がトロッとして程好い仕上がり。これでちょっと味を沁み込ませて味玉にしたらそりゃまたウマそうだ。作り方をちゃんと覚えてまた作ろう。

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とろろ昆布を載せて食べてみた。ウマウマウー。とてもウマイ。食べられるようになったどころか、好きな食べ物の一つになってしまった茹で玉子。これからもどうぞよろしくお願いします。

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小野瀬雅生
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