京都と奈良、キャラかぶり問題。
どちらも「古都」とアピールするので、京都と奈良のキャラかぶりがすごい。どちらも関西にあるから、余計にそう感じざるをえない。でも、当事者どうしはそんなこと気にせず。京都は「KYOTOの方が世界的に有名やしなぁ」とか、奈良は「古さなら負けてないやん?」とか、一生埋まらない溝をつくっている気がする(神戸に住んでいた個人の感想)。などと考えていると、ふと、近鉄の奈良をテーマにした広告を思い出した。
これは、去年秋のもの。
京都ありきの表現
京都といえば、広告的にはJR東海の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン。
今回の「わたしは、奈良派。」も近鉄という鉄道会社のものなので、余計にライバル意識はありそう。「わたしは」と「奈良派」のどちらも、主観の言葉でありながら、自然と差別化させるニュアンスもあるので、めちゃくちゃよくできている。そしてここでの差別化とは、「京都と比較されがちやけど、別のいいところがあるんやで」みたいな気持ちが込められていそうだ。
実際、京都よりも落ち着いていて、まったりした時間を過ごせるので、ぼく自身は奈良の方が好きだ。落ち着いたカップルにはぴったりだと思う。けれど、ビジュアルではそれを表現するのはむずかしいみたいで。奈良らしさを表現するために、鹿を多用している節がある。
気になった方は、ポスターギャラリーからどうぞ。
自分ゴトにしてもらうキャンペーン
このキャンペーンの自分ゴトにしてもらうための工夫は、「わたしは、奈良派。」のコピーだけじゃない。ちょっとベタな気もするが、オリジナル画像メーカーをつくっているのだ。
ベタなんて書いたけれど、このキャンペーンにはぴったりだと思っていて。地味なようで、いい写真が撮れたらSNSにアップしたくなるし、ちょっとボケたりもしやすそう。でも、ハッシュタグを見てみると、使ってる人はすくないという事実。(「#わたしは奈良派」のハッシュタグ自体は人気)
むむむ、むずかしいものですね。