コラム「築80年超の家に巡り合うまで」(前編)
何も考えずにサラッと移住してきた私の家さがしについて、2回に分けて書き記していきたいと思う。
2024年4月、家さがしのため1年ぶりに尾道へと訪れた。
JR尾道駅に降り立った瞬間の感想は、「おぉ、都会!」だった。東京を出て、7年間の田舎暮らしを経てきた私の目に、尾道の洗練さが大都会に映って見えた。
1日目
友人が家を買うときにお世話になったという不動産屋を訪ねる。そこは、売物件をメインに扱う不動産屋だった。内見したかった家の管理会社とは連絡がつかなかったため、家の外観だけ1人で見に行った。
まず1軒目、こちらの予算が安めだからしょうがないとはいえ、なかなか古い家で「うぅむ…」と唸る。
そして2軒目、友人が以前内見したという家も近くにあったので、外観と周りの雰囲気を確かめに足を伸ばしてみた。駅から近く、イオンも近い。周り一帯が廃墟に囲まれていて、その家だけがポツンと生きている。
「まぁ、静かでいいか。」
なんとか管理会社と連絡を取って、内見させてもらわなきゃ。
2日目
あらかじめ目星をつけていた家の内見まわり。
写真からも立地的にもココかな、と半ば心を決めていた家は、実際に見てみると思いのほか古く、大きな道路が近くて車の音も気になってしまった。
ほかにも4軒ほど内見したが、なんともいえない味わい深い家ばかりで、即決できるほどの家には出会えない。不動産屋に戻り、ほかの駅のおすすめ物件情報を受け取って帰ることに。
ちなみに、これまで見てきた物件はすべてアパートだった。この日でほぼ決まると思っていただけに、早くも頓挫してしまい意気消沈。
3日目
不動産屋に連絡を取り、ネットでひたすら物件情報を探す。
4日目
誘われていた千光寺のお花見に参加。前回の来尾で出会った無農薬農家の方と久しぶりに再会し、初めましての方も数人紹介してもらう。移住前から知り合いが増えることは、ありがたい。
5日目
連絡がつかなかった管理会社と、ようやく連絡が取れた。この日は一軒家を見てまわることに。
1軒目は、駅から少し遠い2階建ての古民家。間取りは5〜7Kだろうか。高台にあり、これぞ尾道!といった坂道の途中にある日当たりのいい家。小さな庭が付いていて、駐車場は月5,000円。
2軒目は平家で、リフォームされていてとってもきれいな3LDK。オール電化で、庭があったが駐車場はなかった。こちらは引っ越して空いたばかりの家で、ネットにもまだ情報が上がっていないらしい。
どちらも、風呂トイレが別で、なかなか良い。ただ実際に暮らす想像をすると、デメリットも浮き彫りになってくる。
1軒目は、買い物したあと、階段と坂を上がらなきゃいけないのが気になる…。2軒目の平家は、料理をよくする身としてはオール電化なのが気になる…。
不動産屋さんがとても優しい方で、2軒目の平家に関しては礼金を安くしてくれるとまで言ってくれた。しかし、どちらも良い物件だと思うのに、なんだか前のめりになれない。
(移住定住コンシェルジュ:元廣京哉、編集:アンドウ)