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【尾道移住4年目コラム #2】移住と家さがし

こんにちは。当noteの編集を担当しているアンドウです。月1の「移住4年目コラム」、今回は「移住と家さがし」について振り返ってみます。この記事がみなさんの移住定住の参考になればうれしいです!

前回のコラムはこちら▼


突然ですが、我が家は二段階移住をしました。
東京から尾道に移住したのは2021年2月。そして同年9月には、東尾道から向島むかいしまに引っ越しています。尾道歴まだ3年程度とフレッシュな(?)移住者ですが、この3年で2回も引っ越ししているというのは我が家の特徴かもしれません。

はじめて尾道を訪れた2020年11月

結論からいうと、この記事では二段階移住をオススメしています。家さがしで何に困ったか。どうやって解決したか。何が役に立ったか。誰に助けてもらったか。理想へどう折り合いを付けたのか。移住当時を思い出しながら紹介していきますので、ひとつの事例として参考にしていただければ幸いです◎

【移住当時のアンドウ家】
家族構成:夫婦+ねこ2匹
車:移住当時、車なし。夫はペーパードライバー、私は免許なし
仕事:夫はJR尾道駅が最寄りの会社に転職、私はフリーランス

ステップ1 理想と現実のギャップを知った移住前

移住希望者さんの中でも特に多いのが、「海の見える家に住みたい」という声。(私調べ)

最初から理想のおうちと出会えれば幸運ですが、遠方からの移住だとまだその地域に対する土地鑑がなく、働く場所やよく行く(であろう)エリアへのアクセスが良いのか悪いのか、さっぱりわからない状態だと思います。

また、タイミングよく条件にぴったりな物件情報が上がってくることも稀で、引っ越し希望時期や転職時期との兼ね合いなどがネックとなり、大きな引っ越しを一切の妥協なく円滑に遂行するのは正直いって至難の業。

かくいう私たちは移住前、尾道市街地もしくは向島ハローズ付近の借家を探していました。今思えば、どちらも尾道の大人気エリアです。というか私の場合はただただ不勉強で、ほかのエリアのことをなんにも知らなかった。そして家さがしを進めていると、いくつもの壁にぶち当たります。

壁①尾道人気エリアの物件、すぐ埋まる!

壁②家賃は結構高い!

壁③ねこ可物件、ほぼ皆無!

特にしんどかったのが壁③について。なんだよー!尾道ってねこの町じゃないのかよー!と発狂しそうになるほど、ねこと一緒に住める物件はいっこうに見つかりませんでした。

ステップ2 「住んでみないとわからない」。理想はいったん保留にして、東尾道への引っ越しを決意

ねこと移住するなんて現実的じゃないのだろうか。

愛犬と共に移住した先輩移住者にぼやいたところ、

東尾道(高須エリア)は探してみた?住宅が多いからペット可物件もあるし、生活におおよそ必要なものはすべてそろって便利だよ」

と教えてもらいました。そして先輩は続けます。「うちは運良く向島でペット可物件見つけたけど、家賃は思ったよりも高いから注意よ」

この情報を得てからの我が家、「(うすうすわかってきたけれど)向島、難易度高いね…」と夫婦で合意。向島は”憧れの地”に認定して早々にあきらめ、希望範囲を東尾道にまで拡大するプランBへと移行することにしました。

ほどなくして「ペット相談可」の物件が東尾道で複数件見つかり、そこからはありがたいことにトントン拍子。希望よりも広い平米数、十分な部屋数、予算内の家賃、ねこも2匹OKとのことで、駅徒歩7分程度のアパートを契約。

1階だったためちょっとした花壇のある庭がついていて、駅とアパートの間にはスーパーやドラッグストアもあり、利便性や住環境は申し分ありませんでした。

うちはかなりのスピード移住で、よく「すごい」と言っていただくのですが、今思えば「あきらめ」も「決断」も早いほうでした。「なんにせよ住んでみないとわからない」という考えが根底にあって、わからないものに対して必要以上に恐れるよりもまずはそこに身を置いてみてから考えようの精神で突き進んでいたんです。

ちなみに、東尾道のことを教えてくれた先輩移住者は、のちに商店街で「尾道ブルワリー」を開業する佐々木真人さん・真理さんご夫婦です。その節は本当にありがとうございました!!!

先輩移住者の佐々木さんご夫婦が「尾道ブルワリー」をオープンした日(2021年2月27日)

ポイント
・理想も大切だけど、考え方をシフトする柔軟さも大事。
・困ったことやわからないことがあれば、移住定住コンシェルジュや先輩移住者に相談しよう。

ステップ3 移住前は知るよしもなかった東尾道の便利さ

東尾道にはニトリやマクドナルト、GU、UNIQLO、ビッグエコーといった全国チェーン店が点在しており、「今日はどこに行こうかな」と選べるくらいスーパーやドラッグストアがありました。JAの産直市「ええじゃん尾道」はアミューズメントパークのような存在で何度も通ったし、散歩が気持ち良い大きな公園や桜並木もある。ちなみに東尾道の利便性は進化を続けており、最近スターバックスやスシローまでできました。

尾道駅と東尾道駅はJR山陽本線で1駅という距離。余裕がある休日には自転車で尾道まで行き、そのまま向島をサイクリングするなんて1日を過ごしたりもしました。

向島の「USHIO CHOCOLATL」へサイクリング(2021年2月6日)

もっと買い物に便利な松永(福山市)も自転車圏内で、よく訪れていました。自転車で大きな川沿いを走る時間、空の広さに驚いたり、水鳥の大群をじっと眺めたり、夕焼けの美しさに泣きそうになったりしたのも懐かしい。また私は松永の教習所に自転車で通い、自動車免許を取得しました。

金曜日には夫と待ち合わせて商店街や尾道ブルワリーで飲んだり、友人と終電まで飲んだり。休日は向島でのんびり。このように、東尾道から足を伸ばして、尾道商店街や向島で過ごす日々を送っていました。

ポイント
・住めば都。
・どのエリアにいても島や市街地には関わることができる。
・東尾道方面の土地鑑をつけておけば、今後の移住生活にも役に立つ。

ステップ4 「向島に住みたい」と言い続けていた日々、古民家との出会い

「移住してその土地の水があわなかったらどうしよう」

東尾道での生活は、そんな漠然とした不安を吹き飛ばしてくれました。ここでもなんとか暮らしていけるしれないかもというちょっとした自信や、生活の地盤・基盤をかためた期間だったと思います。

しかし、それでもやっぱり尾道市街地や向島に住む友人の生活がなんとなくうらやましい。友人たちの近くに住めたら、きっともっと楽しいだろうな。それにせっかく移住したのだから、もう少し尾道らしさに身を置いてみたい……。

そんなことをたびたび口にしていたある日、「向島の古民家に住んでくれる人を探している大家さんと仲良しなんだけど、一度会ってみる?」と友人。移住してわずか3か月後のことでした。

ポイント
・日頃から理想を口にしておくと、手を差し伸べてくれる人が現れるかも。

ステップ5 自分たちがいきなり古民家に住めるのかどうか問題

尾道の空き家問題については、移住前に参加した「尾道空き家再生プロジェクト」さんの空き家相談会で聞いていました。長く空き家だった古民家を自分たちでDIYして再生させている移住者の存在も聞いていましたし、尾道に移住したつるけんたろうさんのエッセイ漫画『0円で空き家をもらって東京脱出!』も愛読していました。

だからこそ迷いました。はたして私たちが古民家でやっていけるのか。

…でも、憧れの向島です。すばらしいことに渡船乗場が徒歩圏内で、尾道市街地との距離もぐっと近くなります。渡船のある生活なんて、これぞ夢にみた尾道の暮らし。

古民家については、やっぱり住んでみないとわからない。周りの友人にも相談し、夫婦でかなり悩んだ結果、向島の築70年の古民家を借りることにしました。そして今があります。

ポイント
・何事もやってみないとわからない。
・やってみてだめだったら、次を考える。

まとめ 地域で暮らすことによって見えてくるものを大切に

古民家に暮らして、早3年。家から海は見えませんが、海までは徒歩数分という距離。ときたま船の汽笛が聞こえ、「渡船のある生活」を満喫しています。憧れの向島で暮らしも、古民家での生活を体験できたのも、人との出会い、そして流れに身を任せたことによって実現できました。

くり返しになってしまいますが、最初から理想の住まいと出会えれば幸運です。しかし、見知らぬ土地で生活すると、思ってもみなかった出会いや、考え方が180度変わるような経験によって、暮らしや家の理想の形だって変化していくかもしれません。

まず地域に入って、暮らしてみて、次を考える。

最初からすべてを求めすぎず、目標を細かく分けていくスモールステップで、自分にとっての移住を見つめてみてはいかがでしょうか。

(移住定住コンシェルジュ:元廣京哉、執筆・編集:アンドウ)


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