[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2024] 日本シリーズはDeNAの圧勝、というかソフトバンクの完敗。その意味するもの。
昨日は夜にライヴがあり、終わってからスマホを見たら、5回裏でDeNAが9点リードという、一方的な展開。まさかと目を疑いました。そりゃ勢いは完全にDeNAにあったし、ホームに戻った第6戦で一気に決めてしまうかも、とは思っていましたが、相手は仮にも圧倒的強さでパリーグを制した王者ソフトバンクです。終盤まで息の付けない接戦になるとは予想してましたが、ソフトバンク、まさかの惨敗で7戦目を待たずして日本シリーズ敗退です。
反感を買うことを承知であえて書きますが、正直、ソフトバンクのだらしなさには失望しました。パ・リーグ代表として、こんな戦いぶりでいいのか。相手がセリーグ1位の巨人ならまだしも、巨人に8ゲーム差つけられて3位のチームになんでこんなボロカスな負け方しなきゃならないのか。こっちはそのソフトバンクに13.5ゲームも離され、CSでも手も足も出ない完敗だったんですから。そんな絶対的な強さをもっていたはずの最強チームが、受けに回るとこんなに脆いとは。
特に3戦目、東の指笛事件以降はまるで別のチームかと思うほど精彩がなかったですね(指笛事件以降で得点は柳田のホームランのみ)。なぜこんなに急に打てなくなったのか、舌禍事件も含めネット上ではいろいろ憶測が飛び交っていますが、理由はわかりません。打てないばかりか投手陣も崩壊。有原も肝心要のところで頼りないのはハム時代から変わりませんね。継投も全てテンポが遅いように思えました。小久保監督は2016年にハムが日本シリーズで戦った広島の緒方監督とイメージがだぶりました。明らかにどん底の絶不調に陥った山川を下位に下げ、近藤の前にランナーを貯めるような打線にすれば少しは得点力が上がるのではと素人目には思えましたが、これと決めた選手を辛抱強く使い続ける小久保監督は,長丁場のペナントレースには向いていても、短期決戦向けじゃないようにも思えました。
一方DeNAは、ポストシーズンになってようやく投打のバランスがとれた三浦監督理想のチームが出来上がったような印象を受けました。完全に打高投低のチームと思われていたDeNAが、日本シリーズ最終戦まではむしろ投手力で勝ち上がってきたように思えたのは、その証でしょう。チーム一筋の三浦監督も本当に感慨ひとしおでしょう。おめでとうございます。
ともあれ今回の負けでソフトバンク野球のある種の限界が見えたような気もします。
DeNAは親会社の創業者であり現在も経営トップにいる人が、球団買収以来ずっと球団のオーナーでもあり続けている。つまりソフトバンクと同じで、新興のIT企業であることも同じです。でもチーム作りの方向性はまるで逆でした。ソフトバンクのような巨大企業ではなく資金力もそれほどではない中、地道な経営努力を重ねてチームの基礎を作ってきた。その結果、女性オーナーの球団が男社会であるプロ野球界で頂点に立った。これは歴史の転換点かもししれません。もう金に飽かせて力づくで覇権を取りにいくようなマッチョな時代ではない。そう痛感させられた今年の日本シリーズでした。
4軍まで抱え、若い選手を大量獲得し大量消費していく一方、金にモノ言わせ同じパリーグの球団から主力選手を獲得して、ライバルを弱体化させ、自分のチームを強化するような、そんなソフトバンクのやり方が限界にきているということじゃないでしょうか。選手がよりよい条件を求めて移籍するのはプロとして当然ですが、社会的公共財としてのプロ野球球団の経営者は、もっと大きな視野に立たなきゃいけない。これまでのやり方が良いのか、時代に合っているのか、社会の要請に応えているか、常に問われ続けるはずです。もちろん日本ハム球団も同じです。
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