"A"
日本語の母音は5音。あいうえおのみだ。非常にわかりやすいし覚えやすい。発声もしやすい。最近はラップのフリーバトルで韻なんかが浸透し始めているから母音を意識する人も多いと思う。日本語を発声するのであれば母音をしっかりと意識できるかどうかはとても大事なことだと思う。仮にボソボソと喋るシーンだとしても母音が立っていればなんとなく意味が伝わったりもするから。あのボソボソ喋る伝説的な俳優の台詞を聞けばいかに母音がしっかりしているかすぐにわかる。
母音の中で注意しなくちゃいけないのは?と言われると「A:あ」であると自分は思っている。これはあくまでも自分の経験値の中でだけれど。
ちなみに子音で気を付けなくちゃいけないものは人によって違う。無声音の「H」が苦手な人もいるし、舌の長い人は「T」だとか舌の短い人は「R」だとか濁音半濁音も含めて、それぞれの持ってる元々の資質で得手不得手が変わってくるよなぁと思う。
でも母音は共通的だよなと思う。あいうえおと口を開いて喋ればすぐにわかることだけれど「A」はもっとも口を開いた形になる。直接的に喉も拡がっての発声だから音量が大きくなるし、アタックも強くなる。だから誰にでも発声できるし、赤ちゃんの最初の発声が「あーあー」だとか、比較的楽に声を出しやすい特徴がある。そこに自分は落とし穴があると思っていて気を抜くと「A」だけちょっと大きくて目立つ発声になってしまったり、文頭に「A」があると、頭高の台詞になってしまいがちだったりする。息も大きく出すことになるから続かなくなることがある。
母音が「A」の部分ばかり聞こえる役者がいたら、ああ、これのことかってわかると思う。
Aの持つ力
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