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反反目

対立とは言わない。
分断とも言えない。
うっすら感じる反目みたいなものってあるでしょ。
あれってなんなのだろう。
ないようであるやつ。いや自分も含めて。

文化部と運動部とかね。
意外に根が深い。
大人になってもうっすらと反目し合ってる。
あいつら体育会系かぁみたいなのとか。
おれ、映画とかドラマとかあまり見ないんでみたいな。
お互いがお互いをどこかダサイと言っちゃう奴。

好みと言えば好みなのかもしれない。
その、メジャーとインディーとかは違うのね。
そこにはやっぱり社会的な立ち位置みたいなのがあるから。
まぁ、むしろ反目とかなんだったら対立しちゃうぐらいの方が盛り上がって面白いじゃんねって思うわけです。
でも、そのそういうのじゃないやつ。
お互いを食わず嫌いみたいな。対等に反目してるっていうと変だけど。
どっちもどっちみたいなやつ。

演劇は意外に文化部な側面と運動部の側面があるのだけれども。
まあ、出自は文学だからさ、文化部なんだけどね根本的には。
でも俳優は肉体表現だから自然、スポーツ的な部分が出てくる。
ましてや、生で見せるプロスポーツになると、舞台との共通点も多い。
だから演劇畑ではあまり耳にしなかったなぁって思う。
まぁ、劇団員っていうだけで虐げられている部分もあったしさ。
なんかバンドマンに劇団員っていうの馬鹿にされたこととかもあった。
一切、キレずに演劇の人はバンドやってる人たちを皆、尊敬してるよって言ったらあとで落ち込んでたけど。
そんな同じ穴の狢にもおかしなイメージを持たれることもあったから、そういう意味ではそんなことはどうでも良かっただけかもしれない。

でも一歩、演劇の世界から出ると意外にあるという。
目にするし、耳にするという。

ほっときゃいいって考え方もあるんだけれど。
なんかもったいないよなぁとも思う。
スポーツはよくみればとても頭脳的だし。
文科系はよくよく見るととても肉体的だし。
面白いことってやっぱ溢れているし。

まぁ、それだけじゃないんだけどさ。
あの微妙な感じ。
避ける感じ。
好きじゃないからって一言で済ます感じ。
かと言って無理に誘うのもなぁって思わせる感じ。
分断でも対立でもないけど、反目している感じ。

ダメじゃないよ。全然。
それでいいっていえばそれでいい。
永遠にそのままなのかどうかもわからないしさ。

確かにそうなんだけどさ。
僕は映画ファンにもだけれど。
体育会系な人たちにもこの映画を観て欲しいなぁって思うんだよ。
スポーツ選手とかでも楽しんでくれそうだよなぁって思うんだよ。
洋画好きな人にも観て欲しいし、興味ない人にも観て欲しい。
でも、検討することすらないんだとしたらさ。
何か損失しているなぁって思ってさ。

どこかで生まれた反目。
個人的なことかもしれないけれど。
社会的に生まれる構造になっているとしたら厭だなぁって思うよ。

コンコンコンってノックぐらいしたいじゃないさ。
意外に面白いんだぜって好奇心をくすぐりたいじゃないさ。

映画『演者』

企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル

「ほんとう」はどちらなんですか?

◆終映◆
2023年3月25日(土)~31日(金)
K'sシネマ (東京・新宿)

2023年4月15日(土)16日(日)
シアターセブン(大阪・十三)

2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)

出演
藤井菜魚子/河原幸子/広田あきほ
中野圭/織田稚成/金子透
安藤聖/樋口真衣
大多和麦/西本早輝/小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟 録音 高島良太
題字 豊田利晃 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希 制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。