届け届けと願いながら
チラシ入稿
無事、チラシ入稿した。
データエラーがなければ来週には刷り上がって直接映画館に届くはず。
昔よりもずっとデータエラーは起きなくなっている。
前は写真の解像度とか、色空間とか、色々な関門があった。
今はアプリケーション側である程度までは自動的にやってくれる。
うっかりトンボを付け忘れるとか、リッチブラックとかぐらいだ。
予告通り初版のチラシは紙の種類や重さを変えた。
想像通りの仕上がりになると良いのだけれど。
ポスターに関しては手が止まったよね。とりあえず。
今週中には仕上げるつもりだけれども。
まず知ってもらうこと
大事なことはまず知ってもらうことだ。
いわゆる認知施策ってやつだ。ああ。大変だ。
とにかく不特定多数に知ってもらわなくちゃいけない。
のだけれど。
その前にまず知ってもらうべき人たちに知ってもらうことだ。
今まで何度も何度も舞台や上映が終わってから知り合いに、知らなかったよ!なんで言ってくれなかったの!と言われた。
小劇場なんかで舞台をやっていると知り合いにチラシを渡したり、チケットを買ってもらったりを長年続けていくうちにそれが引け目になってくる。
誘ったら悪いなぁってどこかで思ってしまうことがある。
前回、誘っても来れなかったもんなぁとか思うと途端に気後れする。
それはなんというか時間をつくって足を運んでくださるだけでも感謝なのに、それ以上のものを受け取ってばかりだと考えてしまうからだ。
観てくれれば楽しんでくださることが多くてもだ。
それほど「応援」してもらうことは僕たちにとって大きなことで、愛情以外の何物でもないことだからだ。
僕たちは愛情を受け取ってばかりだと自分が情けなくなってくる。
そんな馬鹿なと言われそうだけれど、本当になってしまう。
実際にもう誘わないでとかお前は告知ばかりだなとか言われた経験も数少ないながらあるから余計にそんな気分になったりする。
それで声をかけないと、なんで知らせてくれなかったの?と言ってくれる。
だから余計に知ってもらわなくちゃいけない皆様にだけはちゃんと届けなくちゃいけない。
SNS
僕たちはSNSなんかない時代から舞台をやって来た。
友人や知人、家族には直接チラシを手渡したり、手紙を送ったり、電話したり、呑んだり、酔っ払ったりして知らせるしかなかった。
それからメールが出来て、LINEだとかTwitterだとかSNSが出来た。
でもやっぱりSNSをやっていない人もいるから、そこは難しいなぁって思う。
劇団前方公演墳を知っている皆様には映画が完成して公開されることだけは伝えなくちゃいけないなぁって思う。観に来てくれるかどうかはそこからの判断だとしても知らせることは絶対にしないといけないことだ。それをしないことは裏切りのようなものだ。
それから出演者をはじめとした関係者の皆様のお知り合いにも知らせなくちゃいけない。公開が終わってからでは観れなくなってしまうのだから。
映画「セブンガールズ」を鑑賞してくださった全ての皆様にも知ってもらわなくちゃいけない。子役の麦君以外は全員が出演していた映画なのだから、そんな映画が出来たんだ!って知ってもらうだけはしないとだ。
観に来て!観に来て!と告知するのはやっぱり今も少し気後れすることがあるのだけれど、やるんだよ!と知らせることだけはしなくちゃいけない。
映画「破壊の日」のMr.やぶれかぶれが書いた「破壊の日の日々」を読んでくださった方にも知らせなくちゃなぁと思うけれど、もう範囲が広すぎて、どう伝えられるのかもわかんないや。でもどこかで耳にしてもらえるようにしなくちゃなって思う。
難しいけれどSNSでの発信は大事なことだ。
公開まであと2カ月の間に気付いて、そして知ってもらうためにも。
それでもしも更に観に来てくださったら。
たったの一週間
わずか一週間だ。東京の新宿でレイトショー。
見逃せば一生観てもらう機会がないかもしれない。
もちろん無限の可能性はある。
その先に更に拡がっていく可能性はある。
それでもその一週間が成功しないと可能性は限りなくゼロに近づく。
限定の一週間。
最後の上映の日って本当に寂しいんだよ。
セブンの横浜の最終日とか心臓が潰れちゃいそうだった。
破壊の日のユーロの最終日もこっそり劇場で観て切なくなった。
あっという間にそういう日が来ちゃうんだな。一週間。
たったの一週間から奇跡を起こしてやる!と叫びますよ、僕は。
でも人が聞いたら叫びでも何でもなくて嘆きかもしれないなって思う。
16時を回った頃だろうか。
急に北風が吹いた。
そこからあっという間に気温が下がっていった。
今は零下だってさ。風で体感温度はさらに低いだろう。
皆が北風の中で桜を待つように。
「演者」を待ってくれたらいいのに。
そんな人が一人でもいてくれたら。
だからこそ僕はまずは知らせなくちゃいけない。
知ってもらうためにやるべきことをやらなくちゃいけない。
その延長線上にきっと出会いがある。
僕や僕たちを知らない誰かに。
不特定多数の「ほんとう」を探している誰かに。
届け届けと願いながら入稿した。